第6話は、大雨の降る真夜中、一人の警察官が、路上駐車しているドライバーを不審に思いに声を掛けます。
駐車している訳を聞くと「女の子を待っている」と、それは、出張風俗店ドライバーの男でした。
警察官が立ち去った後に、タクシーが止まり、男が降りて来てマンションに入ろうとすると、風俗店のドライバーが車から降りて、雨の中に出て行ったのです。
派遣社員の男が殺害される。
場面が替わり、朝になり、そのマンションに入ろうとしていた、西島という男が、殺害されているのが発見されます。
“たまたま”付近を散歩していてパトカーのサイレンを聞きつけ、現場に赴いたと言う、
特命係の杉下右京と、冠城亘が現場に来ましたが、伊丹刑事に追い返されてしまいます。
この西島と言う男は、大手電子部品メーカー日栄電産(株)の、システム開発部に勤務する派遣社員の男で、
路上で頭部を強打し、死亡していたのです。
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目撃者が証言する髑髏のタトゥーの男。
現場に残された20万円入った財布。
その様子を目撃していたと言う、出張風俗店ドライバーの男・松野(橋本じゅんさん)は、
酒に酔っていた様子の西島が、首に髑髏のタトゥーを入れた“金髪の男”ともみ合う現場を目撃したと証言します。
そして、西島が「鈴木さん、勘弁してくれ」と叫んでいたと話したのでした。
犯行現場には、20万円も入っていた西島の財布が、手付かずのままで残されていて、
代わりに犯人は、西島が所持していたカバンを、持ち去っていたのでした。
被害者のノートパソコンが無くなる。
特命係の杉下右京と冠城亘は、角田課長から、
「西島の自宅に、パソコンが見当たらなかったこと」
「一課はそのパソコンを狙った、産業スパイの犯行ではないかと踏んでいる」と情報を得るのでした。
殺害された、西島の勤務先を訪れた杉下右京と冠城亘は、先行していた伊丹らの、聞き込みを立ち聞きします。
それによると、西島が闇金から金を借りていたようで、一週間ほど前に“金髪の男”が会社に現れた際に、
事件当夜と同じく「勘弁してくださいよ、鈴木さん」と対応していたことが分かります。
闇金から借金していた男の財布に、なぜ20万円もの大金が入っていたのか、そして松野の目撃証言にも疑問を抱いた2人は、
彼の派遣型風俗店の店舗へ向かいます。すると事件の夜、松野は仕事を休んでいたことが、判明したのでした。
大雨の中、真夜中にレンタカーを借りてまで、事件現場にいた理由は、なんなのか、
それを尋ねても、役者志望だったという松野に、のらりくらりとかわされる中、
捜査一課は“金髪の男・鈴木”を逮捕し連行しました。しかし、松野の証言とは、大きく違っていたのです。
三文芝居の松野と言う男。
松野と言う男は、最初から怪しそうな男でした。“うさんくさい”という言葉が、ぴったりなキャラクターなのでした。
酒に酔っていた様子の西島が“金髪の男”ともみ合う現場を、目撃したという松野が、
捜査一課の伊丹に「殺された男が『鈴木さん、勘弁してくれ』と叫んでいた」と証言をするシーンでは、
身ぶり手ぶりを付けた大げさな証言をして、とどめに「これってお手柄ちゃいます~!」というせりふによって、
まるで三文芝居のような展開だったのです。
シェークスピアの『お気に召すまま』。
そして、松野が放ったのは、「この世は舞台、人はみな役者」という、
シェイクスピアの『お気に召すまま』の一節の言葉に対して、うれしそうに、なぜか食いつく右京さんだったのでした。
シェークスピアの『お気に召すまま』には、人生を達観するような、ウィットに富んだ警句がたくさん登場します。その中でも、
「全世界は一つの舞台だ。そして、すべての人間は男も女も役者にすぎない。めいめい出があり、引っ込みがある。しかも、一人が一生に沢山の役を務め、その全幕は七つの時代から成る。」
このセリフは、『お気に召すまま』の中でも、最もよく知られたセリフで、
日本では「この世は舞台、人はみな役者」と言う、簡略版の名言の方が、よく知られているかもしれません。
そして、この名言は、2幕第7場に登場するジェイクィズの言葉で、右京さんは、この言葉を聞くと、
すかさず、『お気に召すまま』の、第2幕第7場のセリフだと言い当てたのでした。
流石、秀でた博学を持つ、右京さんならではの出番でした。それがきっかけで、松野の新たな一面を目にすることになります。
公園の滑り台を舞台に見立て、大きく動き回りながら演技する、松野の目はキラキラしていたし、本当に舞台が好きだったのだと伝わってくるようです。
夜の『こてまり』に、右京さんと冠城亘の姿がありました。そこでは、「人は皆、役者」と言う話で持ち上がっていました。
女将の小出茉莉が「杉下さん、もう一本付けますか?」と、促していました。
ここで『お気に召すまま』のあらすじ。
『お気に召すまま』(As You Like It)は、イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの喜劇で、
『から騒ぎ』や『十二夜』と同様に、シェイクスピアの円熟期である、1599年頃に書かれた喜劇です。
舞台はフランスのアルデンヌの森、あるいは、シェイクスピアの故郷の、エイボンの田園をモチーフとした、アーデンの森と言われています。
窮屈な宮廷生活とは対照的に、主人公が逃げ込む森の中での、生活が自由で、解放的なものとして描かれ、
一目惚れなどの、恋愛感情を織り交ぜながら、最終的に4組のカップルが誕生します。
この物語の最大のテーマは「愛」です。
そして、不当に地位を奪った者が改心し、奪われた者は、相手を許して和解する、そんな大団円で終わる物語なのです。
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事件の原因は恐喝にあった。
事件は、日栄電産(株)の、システム開発部に勤務する、派遣社員の山田みなみが、
レイナと言う源氏名で、派遣型風俗店で働いているのを、同僚の西島に知られてしまい、それが原因で、西島から恐喝に遭っていたのでした。
そして、事件当日、恐喝により100万円を渡していたのに、風俗現場の証拠写真を、西島は自分のノートパソコンにから、保存していて、
そのパソコンを引き渡して貰おうと、押し問答をして、もみ合っている最中に、西島が倒れ、頭を強打し死亡してしまったのでした。
松野はそんなレイナに好意を寄せていて、彼女をかばいたかったのでした。
最後で右京さんは、もう一度、シェークスピアを引き合いに出して、
シェークスピアの『マクベス』
人生は影法師。
「人生は影法師」と『マクベス』の「人生は歩く影にすぎない」の、第5幕第5場を披露したのでした。
Life is but a walking shadow.
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杉下右京の腕時計が気になります。
杉下右京はブリティッシュスタイルの、ダークスーツにサスペンダー、
腕に輝くのは、アメリカの歴史と共に歩んで来たブランド・ハミルトンの腕時計です。
1910年~1930年代に栄えたアールデコを取り入れた、クラシカルで趣深いモデル・ボストン(H13431553)。
センターセコンドではなく、スモールセコンドと言うクラッシックスタイルの腕時計で、さりげなくオシャレを演出していて、
何故か!気になって仕方がありません。
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「『相棒19』第6話三文芝居シェークスピア!お気に召すまま。」への5件のフィードバック
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