『半沢直樹2』に学ぶ、貸すも親切貸さぬも親切は誰の言葉。




貸すも親切、貸さぬも親切。

『半沢直樹』続編が好調に推移していて、「倍返し」に続き、今回も「詫びろ、詫びろ」「お・し・ま・い・DEATH!」

「債権放棄じゃダメなんですか?」など、決めゼリフが続出していますが、

その中でも、印象的な「貸すも親切、貸さぬも親切」の言葉が、重要な局面で、半沢直樹が発っします。

半沢直樹まとめ記事エッセンス一覧

名言。貸すも親切、貸さぬも親切。



元全国信用金庫協会会長小原鐵五郎(オバラテツゴロウ)さんの言葉。

この「貸すも親切、貸さぬも親切」とは、いったい誰の言葉なのでしょう。

金融機関に勤める人なら、「貸すも親切、貸さぬも親切」と言う言葉は、知らない人はないと言われてます。

この言葉は、信用金庫の父と呼ばれた、元城南信用金庫理事長で、元全国信用金庫協会会長の小原鐵五郎(オバラテツゴロウ)さんが、語った言葉です。

「銀行は利息を得るためにお金を貸すが、我々組合(信用金庫)は、先様のところへ行って、お役に立つようにといってお金を貸す。

たとえ担保が十分であり、高い利息を得られたとしても、投機のための資金など先様にとって不健全なお金は貸さない。

貸したお金が先様のお役に立ち、感謝されて返ってくるような、生きたお金を貸さなければならない。」と、

話されたことを、要約して「貸すも親切、貸さぬも親切」としたのです。

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「貸すも親切、貸さぬも親切」は難しい。



その企業の事を知らないと、言えない言葉。

投機資金への融資は論外としても、事業者や企業が窮地に陥った時に、むやみに融資を継続して、ただ延命させる事が、金融機関の使命でしょうか。

その企業が再生可能な状況かを見極め、ある時は、それ以上無理をさせないとして、融資を謝絶する事も、

その企業にとって必要な事だと、言うことなのでしょう。しかし、この判断は、想像以上に難しいことでしょう。

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帝国航空の再建。




「ここは腐っていない」

半沢直樹が勤める東京中央銀行は、窮地に陥っている、帝国航空の再建に対して、調査を行い、

半沢直樹は、帝国航空の再建は、社員たちが真剣に業務を行っていて、「ここは腐っていない」として、再建の可能性に確信を持ちます。

しかし、メインバンクの開発投資銀行は、政府系金融機関であり、政府の政策に、異を唱えられない立場にいたのです。

そんな中、半沢直樹は、開発投資銀行の企業金融部次長の谷川幸代(西田尚美さん)から、呼び出しを食らい、嫌味を言われる展開となります。

開発投資銀行は、帝国航空へ2,500億円の融資を行っていて、年15%のマイナスを続けている帝国航空に、生き残る可能性はゼロと言い切ったのです。

それに対して、半沢直樹は、あの有名な言葉「貸すも親切、貸さぬも親切」と、言い放ったのでした。

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本来ならば、メインバンクが帝国航空の再建案を出すべきところ、メインバンクは再生を、あっさり諦めてしまっていたのでした。

だから、半沢直樹は、そんな開発投資銀行に対して、「それなら、何で今まで貸して来たんだ!」と、言わんばかりに、

「貸すも親切、貸さぬも親切」と、言い放ったのでしょう

この場面は、こちらから。『半沢直樹2』続編ネタバレ~第5話セリフ名言.帝国航空再建。

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窮地の半沢直樹が開発投資銀行へ物申す。




「貸すも親切、貸さぬも親切」

「タスクフォース合同報告会」の期日が近づく中、窮地の半沢直樹は、最後の望みを懸け、開発投資銀行の“鉄の女”谷川幸代(西田尚美さん)の元を訪れます。

しかし、彼女も悩んでいたのです。理屈では分かっていても、政府系金融機関として、時の政府には逆らえない、立場にいたのです。

そこで、半沢直樹が言ったのです。「貸すも親切、貸さぬも親切」と、その言葉は、彼女に届いていたのでしょうか。

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タフな交渉の場でも表情を変えない“鉄の女”の谷川幸代(西田尚美さん)は、芯の強さを感じさせる視線と、毅然とした態度で物事に対峙します。

しかし、鉄壁のガードを誇る谷川幸代が、半沢直樹に思わず内心を吐露するシーンが出て来て、

政府系金融機関の、開発投資銀行の銀行員としての、信念を貫くことへの葛藤が伝わって来ました。

半沢直樹は、谷川幸代と再度対面し、債権放棄に反対するべきと説得します。

それに対して、谷川幸代は意外にも「債権放棄なんか拒否するべきなのよ!」と発し、

半沢直樹の意見を、理解しつつも「上にいる一部の役員たちがそれを許さない」と漏らすのでした。

この場面は、こちらから。『半沢直樹2』ネタバレあらすじセリフ名言.第7話最恐の敵。

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タスクフォース合同報告会。




白井国交相出席の合同報告会。

債権放棄への回答期限である「タスクフォース合同報告会」に、各行が集められ、

東京中央銀行の半沢直樹や、他の銀行の行員たちに、債権放棄の有無の意思を求められます。

各銀行は「主力・準主力銀行の決定に従う」と回答していく中で、

準主力銀行である東京中央銀行の半沢直樹は、考えに考えた末「債権放棄を… …拒絶します!」と宣言したのです。

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谷川幸代のガッツポーズとメール。



谷川が半沢直樹に事前に送っていた「貸さぬも親切」のメール。

そして、報告会に遅れてやってきた開発投資銀行の谷川幸代は、毅然とした態度で、

「タスクフォースによる債権放棄の要請に対して、見送りの決断をいたしました」と返答したのです。

この言葉で、報告会会場の空気は一変し、銀行側が政府側に屈しない状況になったのです。

そして、開発投資銀行の谷川幸代は、左手の拳を強く握りしめガッツポーズをしたのでした。

更に、半沢直樹は、東京中央銀行の意見を述べる前に、開発投資銀行の谷川幸代(西田尚美さん)から、

「貸さぬも親切」と言う文言のメールを貰っていたのでした。

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半沢直樹にとって、「貸すも親切、貸さぬも親切」と言う言葉には、銀行にとってお客さまを守るために、

あなた方は、最善の方法を取っているのかと、言う思いがあったのでしょう。

だから、開発投資銀行の谷川幸代は、債権放棄などと言う方法でなく、

その組織で働く人たちが、自分たちの力で、立ち直らせてみせると覚悟するような、しっかりとした「帝国航空の再建案」を作成し、

それを、銀行側が支えて行くのが、帝国航空の為になると考えたからなのでしょう。

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そして、開発投資銀行の谷川幸代が、こうように舵を切ったのには、開発投資銀行の民営化が閣議決定されたことで、

政府系金融機関から、脱却できたことが、大きな要因だったのですが、

この閣議に、白井国交相は、タスクフォース合同報告会のために、欠席していたのでした。

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銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる。

半沢直樹の父親の悲しい出来事。

第7話では、「しがない銀行員」というフレーズが繰り返されました。「あなたはしがない銀行員。そして私は国交大臣ですよ」と豪語する白井国交相に、

半沢直樹記が、債権放棄の拒絶とともに突きつけたのは、「しがないちっぽけな存在」としての現場の人間の底力だったのでしょう。

「一つひとつのネジは小さく非力ですが、間違った力に対しては、精いっぱい、命がけで抵抗します」と、語る半沢直樹の脳裏には、

ネジ工場を経営していた亡き父・慎之助(笑福亭鶴瓶さん)の姿があったに違いないのです。

半沢直樹の両親は町工場を経営していて、その当時、産業中央銀行と取引をしていましたが、

融資を引き揚げられ、経営が先行かなくなったことで。父親が自殺に追い込まれたのでした。

そして、その町工場が危機の時、融資を引き揚げた張本人こそが、大和田だったのです。

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「銀行は雨の日に、傘を貸さない」


ネジ工場の経営に苦悩する父親に、大和田は非情だった。

土砂降りの雨の中で、その当時担当者だった大和田に対して、半沢直樹の父親は、

土砂降りに濡れながら、土下座をして融資の懇願しましたが、大和田は傘を貸しませんでした。

そして、半沢直樹の父親は自分の工場で自殺をし、それを発見したのが半沢直樹だったのです。

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ドラマの伏線は、前作第1話の冒頭から始まっていた


就職試験会場で面接官に言った一言。

そして、ドラマ『半沢直樹』で、この言葉の伏線は、前作の第1話の冒頭から、既に始まっていたのです。

それは、1991年、産業中央銀行の就職面接試験の会場で、面接官に志望動機を聞かれた、当時学生の半沢直樹は、

「私の父の会社が潰れる寸前、融資を行って呉れたのが御行でした」と話してたのです。

半沢直樹には「銀行は晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げる」と言う言葉が付きまといます。

それが、半沢直樹の仕事と人生の、大きなバックボーンになっているのは確かです。詳細はこちらから⤵

『半沢直樹』名言!銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる

そして、そのシーンでは、いつも雨が降っているのです。

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ここで「半沢直樹 アルルカンと道化師」の紹介。

この作品は、一作目『オレたちバブル入行組』より以前の話です。東京中央銀行大阪西支店で、融資課長を務める半沢直樹のもとへ、

大手IT企業が、業績低迷中の美術系出版社を、買収したいと言う案件が持ち込まれます。

目先の自分の利益だけを考えて、強引に買収案件を進めようとする、大阪営業本部や、上司の支店長に抵抗し、

不可解な買収の理由を追求し、困っている、美術系出版社を守ろとする半沢直樹の、正義感と諦めない姿は、これぞ半沢直樹と言う姿です。

物語では、ある絵画作品が鍵となります。その絵で、一躍、世界的に有名になった画家の、知られざる苦悩や、その絵に隠された秘密が、買収劇に奥行きを与えます。

アルルカンの絵は「この絵を見ているあんたがピエロや、とでもいいたいんちゃうか」と、評されますが、謎に包まれた物語は、登場人物を翻弄するのです。

半沢直樹の「世の中の事象には表と裏があって、真実は往々にして裏面に宿る」と発する、言葉が印象的です。

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