「もしドラ」で、ドラッカーブームが再来した。
ピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』は経営者や、ビジネスマンの必読書でした。
それが、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」で更に知れ渡りました。
そして、この本はビジネスマンだけでなく、学生にも読まれ、ドラッカーブームの再来となりました。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら【電子書籍】[ 岩崎夏海 ]
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女子高生とドラッカーの『もしドラ』。
決して出会うことないキーワード。
「もしドラ」は250万部も売れて、大ベストセラーになったんです。私もこの本が発売されると、直ぐに購入しました。
それから何年か経った時、大型古書店で、この本を見かけると、200円均一で、平積みされていまいした。
たぶん、あの頃、あまりにも売れすぎて、
本屋さんの、入口付近で、平積みになっていた訳ですから、供給過剰になっていた証でしょう。
女子高生とドラッカー、普通に考えれば、決して出会う事がない、一見何の一致点もない、2つのキーワードが、
マネジメントと言う、融合点で結び付き、ベストセラーになったのでしょう。
だから、読者は、何が、融合点なのかと思いながら、この本を、読み進めて、いったのだと思います。
そして「もしドラ」を読んだ読者が、
更に、ピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を読んで見たいと思い、読みだしたのでしょう。
チェンジ・リーダーの条件 みずから変化をつくりだせ!/P.F.ドラッカー/上田惇生
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ドラッカーの『マネジメント』。
一方、ドラッカーの本は、大型古書店でも値崩れせずに、今でも経済書の書棚に並んでいて、
経済書の中では相変わらず、高い人気を維持しています。
ピーター・F・ドラッカーは『マネジメント』の中で、一体どんな事を、言いたかったんでしょうか。
現代社会では、ほとんどの人が、何らかの形で、組織に属して、その組織の中で働いて、対価を得ています。
テクノロジストの条件ものづくりが文明をつくる【電子書籍】[ P・F・ドラッカー ]
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どこの会社で働いているかが、重要視される社会。
現代社会では、何をして働いているかが重要ではなく、
何処の組織に属しているか、つまり、どの会社で働いているかが、重要視される社会になっています。
だから、その組織に属するために、難しい受験勉強をして、よりレベルの高い学校を、目指そうとするのです。
そして、その先にある、よりレベルの高い組織への、就職を切望するのです。
ほとんどの人が、何らかの形で、組織に属しているとしたら、
その組織を、良くすることが出来れば、組織の集合体である社会も良くなると、ドラッカーは考えました。
マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則 単行本 中古 ピーター・F・ドラッカー マネジメント
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人は属した組織で、幸福感が違うのか!
属する組織の良し悪しが、人間の幸福感を左右する。
人生の大半を、会社などの組織で仕事をするので、
その属する組織の良し悪しが、人間の幸福感を、左右するのだと、言うのです。
だから、その組織の運営の仕方(マネジメント)が、重要だと、ドラッカーは言っています。
実際の社会はどうでしょう。
昔は、ノルマを達成できなければ、罵声を浴びせられ、長時間労働、休日出勤は当たり前でした。
今は、働き方改革で、かなり緩和されましたが、
それでも、相変わらずノルマは厳しく、成果が出せなければ、降格必至が、ビジネスの世界です。
こんな現実世界に対して、ドラッカー先生は、どんな回答をするのでしょうか?
仕事の哲学 最高の成果をあげる (ドラッカー名言集) [ ピーター・ファーディナンド・ドラッカー ]
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自由と尊厳を守る唯一の方策。
ドラッカーは『マネジメント』の中でこう言ってます。
「組織として高度の成果をあげさせることが、自由と尊厳を守る唯一の方策である。その組織に、成果をあげさせるものがマネジメントであり、マネージャーの力である。」
イノベーションと企業家精神エッセンシャル版 [ ピーター・ファーディナンド・ドラッカー ]
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高校野球部と言う組織に、マネジメントが必要だった。
野球部の女子マネージャーの功績。
だから、高校野球部の女子マネージャーは、野球部と言う組織を改革し、野球部と言う組織を、良くすることで、
試合で良い成績が出せれば、結果的に、野球部員に自信と、勝利の幸福感が生まれ、
野球部と言う組織が、より良くなり、活性化することに、挑戦したかったのでしょう。
自らをマネジメントするドラッカー流「フィードバック」手帳【電子書籍】[ 井坂康志 ]
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「感動」を共感する。
人の心を、動かさずにはおけない「感動」を共感する、そんな組織に、したかったんじゃないでしょうか。
そして、ドラッカーが言っているように、
野球部として、より良い成績を、収めることが出来れば、野球部としての、自由と尊厳が守られ、
その学校や、地域にとって野球部と言う存在が、無くてはならない、唯一無二の存在となる事を、目指していたのでしょう。
高校野球は、その地域にとって、大きな存在でしょう。その学校出身者も、その地域には、多くいる筈です。
そんな身近にある学校が、甲子園を目指して、練習や、試合をしているのです。
最初から、甲子園は無理と言う、学校もあるでしょうが、でも、その思いはある筈です。
そんな思いを、地域の人々に贈るためには、勝利と言う薬が、一番の特効薬なのかもしれません。
野球部が、活躍する事を学校も、地域も応援しているのです。
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