映画『ゴッドファーザー』の意味と時代背景とあらすじ・名言




映画『ゴッドファーザー』の時代背景とあらすじ・名言。

『ゴッドファーザー』(1972)は、アカデミー賞9部門を受賞し、3冠にも輝いたアメリカ映画の名作です。

監督は『地獄の黙示録』(1979)で、作品賞を含む8部門を受賞した、名匠フランシス・フォード・コッポラ。

『ゴッドファーザー』は、後に2作の続編が作られる人気作となり、現在でも多くのファンが存在するマフィア映画の傑作です。



アカデミー賞受賞作品。


この作品には原作があって、アメリカ作家・マリオ・プーゾの同名の犯罪小説を映画化したものです。

映画『ゴッドファーザー』は、第30回ゴールデングローブ賞でドラマ部門の作品賞、主演男優賞を含めた5部門を受賞。

また、第45回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、脚色賞を受賞しました。

三部作を通じて、アメリカマフィアの盛衰と、父から子へと受け継がれる壮大な運命を描いた作品で、

その中には、マフィア組織の抗争と、その生き様を描いていて、裏の社会で生きるアウトローの言葉が詰まっています。

主人公であり、巨大マフィア組織のゴッドファーザーとして君臨する、マイケル・コルレオーネの冷徹な思考と言葉は、

胸に刺さるものがあります。

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『ゴッドファーザー』の時代背景


まずは、『ゴッドファーザー』の時代背景を見ていきましょう。

コルレオーネファミリーは、イタリアのシチリアからの移民で、アメリカは移民たちが造った国と言っても過言ではありません。

北アメリカ大陸ではおおよそ16世紀から、

ヨーロッパとアフリカからの、多様な移住者たちの集団によって、地方社会が形成されて来ました。

その中でも、アフリカ系の人たちは、ほとんど奴隷として、強制的に移住させられて来ていました。

20世紀半ばには、合州国の各地で移民たちの出身母国の言語や、

文化、宗教、慣習を土台としながら、「特有の地方社会」が成り立っていきました。

そんな特有の地方社会が織りなす事象が、『ゴッドファーザー』の中でも、所々のシーンですが登場します。

それは、第2次世界戦争中に、マフィア出身の社長が経営するハリウッドの映画会社が、政府および軍と契約して、

政権・軍の首脳部と癒着して、戦争プロパガンダ映画の制作を請け負っていたことが描かれています。

また、ヴァチカン教皇庁もまた、保守的な宗教的立場から、反左翼・反社会主義の活動を支援し、

そのために、イタリア南部のマフィア勢力や、アメリカの諜報機関・工作員と結びついていたのです。

この辺りについては、『ゴッドファーザー』パートⅢで、、バチカンを舞台にした工作が描かれています。

『ゴッドファーザー』では、19世紀末から20世紀末近くまでのアメリカの歴史と、資本主義的経済の独特の構造を網羅しながら、

そこで生活の糧を得る、イタリア系移民社会の生活と権力構造、

そして、移民社会の合州国統治秩序への統合・同化の特殊な仕組み、

更には、それらと結びついた、イタリアの近代史の断片を描き出しています。

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ゴッドファーザーのあらすじ

『ゴッドファーザー』の舞台は、1945年のニューヨーク。

ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、ニューヨークで最大規模の勢力を誇るイタリア系マフィアの首領です。

ヴィトーには3人の息子と1人の養子、そして末娘がいました。

中でも男兄弟の末っ子のマイケル(アル・パチーノ)は、

名門大学卒業後に軍隊(海軍)に入るなど、裏社会とは一線を引いていました。

ある日、ヴィトーのもとに麻薬密売人の男が訪れます。彼は敵対勢力である「タッタリア・ファミリー」に通じていました。

密売人はヴィトーに取り引きを持ち掛けますが、麻薬ビジネスには手を出さないと決めているヴィトーは拒絶します。

しかし、長男のソニー(ジェームズ・カーン)は乗り気だったため、

敵対勢力はヴィトーを消せば、コルレオーネ家を思い通りに動かせる考え、ヴィトー暗殺を企てます。

ある日、八百屋の店頭で、敵襲を受けたヴィトーは、瀕死の重傷を負います。

激昂したソニーは報復に乗り出し、タッタリアの跡取り息子を殺害します。

こうして、二大マフィアによる、血で血を争う戦いの火蓋が切って落とされるのです。

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『ゴッドファーザー』シリーズの流れ。


パート1では、1940年代から50年代にかけて、

コルレオーネ・ファミリーが牛耳るニューヨークのマフィア組織と、その収益基盤を見せながら、

ファミリー同士の凄まじい暴力的闘争を描いています。

パートⅡでは、ファミリーの創設者ヴィトの生い立ちと、ファミリーが、どのような歴史を経て出来て来たのか、

半世紀に及ぶ過程をオーヴァーラップさせる形で、首領を引き継いだマイケルの戦いと苦悩を描いています。

パートⅢでは、1970年代末にファミリーの栄華と権力が頂点に達したものの、

組織の間の抗争が、国際的規模で繰り広げられる様子を追いながら、

やがて一族の悲劇に見舞われたマイケル・コルレオーネの失意と悲嘆を描き、

彼から甥にファミリーの首領の地位が移っていく経過と、家族という存在に縛られていく主人公の悲劇を追ってゆきます。

そして、壮絶なラストには、誰もが共感せざるを得ない確かな説得力があります。

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「ゴッドファーザー」の意味


「ゴッドファーザー」の意味は、名付け親、または一族の首領として絶大な権威を揮う神のごとき父を指します。

古代からの伝統で、地中海ヨーロッパでは、新生児が生まれると、部族の首領や長老などの有力者に、

名付け親になって貰っていたのです。

そうする事で、共同体への帰属を公認して貰い、庇護や後見が保証され、

子どもの親や家族が失われた場合にも、養育・保護を受けられる慣習になったのです。

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『ゴッドファーザー』の名言。



ヴィト―・コルレオーネの名言


「断れない提案をしてやるさ」


歌手のジョニー・フォンテーンが、戦争映画に出演したいが、映画会社の社長が首を縦に振らないと、ヴィトーに相談します。

すると、ヴィトーが、「なんとかする」と約束した後の言葉で、ヴィトーの提案がどういうものか後に分かります。


「ファミリーの者以外に、考えていることを言っちゃいかん」


麻薬ビジネスの話を持ち込んで来たソロッツォに対し、ヴィトーの答えは「ノー」でした。

しかし、麻薬ビジネスに前向きなソニーが、ソロッツォとヴィトーの話に口を挟みます。

会談が終わった後、ヴィトーはソニーを呼び叱責します。

ヴィトーが信頼について語っているシーンで、ファミリーの内と外を明確に区別するヴィトーの考え方がわかる言葉です。


家族と時を過ごさない男は決して本物の男ではない。


ファミリーと言う言葉が重く響く言葉です。

日々の忙しい中でも、何が最も大切なのかを忘れないことはとても重要で、それが家族なのです。


「私は迷信深い男だ」


長男のソニーが殺されたヴィトーは、五大ファミリーを招集して抗争の停戦を申し出て、

不本意ながら、麻薬ビジネスに力を貸すことにも同意します。

ヴィトーの目的は抗争を終わらせ、マイケルを帰国させる事でした。

そしてヴィトーは、マイケルの命を狙うことは、絶対に許さないと言うことを、遠まわしに発言します。


友情は全てだ。友情は才能よりも大切だ。政府よりもだよ。友情とは家族と似たようなものだ。


コルレオーネファミリーに属すると言うことは、家族と同じことだと言うことを表している言葉です。


自信とは沈黙なのだよ。不安がごちゃごちゃと話させるんだ。


その人の感情は態度に現れます。穏やかにしていること、堂々としていることは、ポジティブな印象に繋がります。

不安から、あれやこれや言うのはマイナスでしかありません。自信の無い態度は隠すことが出来ません。


「おまえは操る方の人間になるだろうといつも思っていた。上院議員とか知事とかにな


年老いたヴィトーがマイケルに語り掛けた言葉です。

マイケルに対して期待していたことが分かります。

裏の世界に生きてきた自分にとは異なり、マイケルには表の世界で活躍してほしいと願っていましたが、

マイケルが自分の跡を継ぐことになったことへの、複雑な気持ちが伝わって来ます。


絶対に敵を嫌うな。判断に影響を及ぼすからな。


好きでない人からは目を離さないようにする。

好きでない人から学び、そして彼らがどんな理由で、どのように仕事をするのか理解しようとすることも時には重要です。

そこに、自分の知らない一面を学ぶことが出来るかもしれません。 個人の感情でを基準にして判断をするのは危険な事です。

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マイケル・コルレオーネの名言。


「グリーンには断れない提案をする」


コルレオーネ・ファミリーの首領となったマイケルは、組織を合法化するために、

モー・グリーンから、ラスベガスのカジノとホテルの買い取ることを工作します。

グリーンのそばで働いている兄のフレドは驚きますが、マイケルは「断れない提案をする」と話したのです。

この言葉は、父ヴィトーが使っていた言葉と同じものでした。


友人は近くにおいて、敵は自分の懐に入れとけ。


仕事をしてゆく中で、どこにでも競争相手はいます。

私たちは必然的に誰かと競い合わなければいけない社会に生きています。

競争相手を知ることで、競争の準備や、自分を追い込み能力を上げることが出来るのでしょう。

ネガティブなことを常に予測しておくのも重要なことです。


絶対に家族の敵の側になんか立つな。絶対にだ。


マイケルの考えるファミリーにとって、家族を絶対に裏切ってはいけない存在です。

トラブルを抱えたら、最後の力になるのが家族なのです。家族は手助けをしてあげられる最後の存在なのです。

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トム・ヘイゲンの名言。


「コルレオーネ氏は、1度断られたら2度と頼みません」

戦争映画に出演したいというジョニー・フォンテーンの頼みを叶えるために、トム・ヘイゲンが映画会社社長ウォルツの元を訪れるます。

しかし、あくまでジョニーの出演は認めないウォルツに対するヘイゲンに対して、静かで落ち着いた口調で、プレッシャーを掛けるのです。


「コルレオーネ氏は、悪い知らせはすぐに把握したい人だ」


映画会社社長のウォルツは、あくまでジョニー・フォンテーンの出演を認めません。

ウォルツが育て上げ、ほれ込んでいた女優を、ジョニーがたらしこんでダメにしたことを恨んでいたのでした。

怒鳴りながら話しをするウォルツの姿を見て、交渉では無理と判断したヘイゲンは、早々に話し合いを切り上げます。

その悪いニュースを聞いたヴィトーは、…

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