「世界ふれあい街歩き」で、ドイツの中部のワイマールが紹介されていました。
ワイマールは18世紀の趣残る美しい街で、
そこには文豪ゲーテたちが育んだ“自由な心”を大切に守り継ぐ人々とのふれあいがありました。
ゲーテが過ごしたワイマール。
18世紀末に古典主義文化が開花したドイツ・ワイマール。
文豪ゲーテはじめシラーなど多くの偉人によって、文学や芸術を通して「自由を尊ぶ心」が育まれ、
ワイマール憲法が生まれた街でした。
その精神はナチス時代以降危機にさらされましたが、冷戦後に息を吹き返します。
世界遺産の建物が立ち並ぶ街なかで、
ゲーテたちの格言を街の各所に描く男性がいて、ゲーテを愛する気持ちが伝わって来ました。
その他、この街には心の葛藤を彫刻で表現する芸術家、
未来を模索する学生など、自由を愛し、人生と誠実に向き合う人々がいたのです。
ゲーテを身近に感じる街ワイマールには、街の各所にゲーテの言葉があふれていました。
そんな映像を見ていたら、もっとゲーテの言葉に触れて見たくなり、心にぐさりと刺さるゲーテの名言を集めてみました。
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文豪ゲーテの名言・格言。
《信念》
自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。
あなたの人生が始まったかのように、今日という日を生きなさい。
自分を信頼しはじめたその瞬間に、どう生きたらいいのかがわかってくる。
自分自身の心の底から出た言葉でなければ、他者の心に響くことなどないのです。
自分1人で石を持ち上げる気概がないのであれば、2人でも持ち上げることはできない。
どこに行こうとしているのかが分かっていないのに、決して遠くまで行けるものではない。
《読書・知識》
本で読んだ知識は、半分の知識でしかない。人生の中で、それを体験してこそ本当の知識になる。
ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜 [ アレクサンダー・フェーリング ]
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《幸福》
喜んで行動し、そして行った事を喜べる人は幸福である。
目標から目をそらさずに努力し続ければ、最後にはかならず、幸運が舞い降ります。
人間を堕落に導いていく最悪な悪魔は、自分自身を嫌う心である。
ただ、ひたすら自分が信じる道を歩んでいけばいい。他人がどのような道を歩こうと気にしてはいけないのである。
人間はみずからが愛するものごとによって形づくられていく。
ゲーテ格言集 (新潮文庫 ケー1-6 新潮文庫) [ ゲーテ ]
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《後悔》
焦ることは何の役にも立たない。後悔はなおさら役に立たない。焦りは過ちを増し、後悔は新しい後悔をつくってしまうのである。
本当にもったいないと思うのは、自分ができることを未完成のまま放り出し、理解もしていないことをやり始めてしまう人達のことである。彼らが最終的に後悔するのも無理はない。
《行動》
何かを手に入れたいなら、まずは自分を磨きなさい。
自信があるなら、実際にやってみること。行動を起こすと、人は不思議な力が使えるようになる。
我々は高みに憧れるが、歩き出すことには無関心だ。山々を望みながら、平らな道を歩きたがる。
若きウェルテルの悩み (新潮文庫 ケー1-1 新潮文庫) [ ゲーテ ]
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《努力・目標》
人間は努力をする限り迷うもの。
その夢を失くして、生きてゆけるかどうかで考えなさい。
自分に命令をしない者は、いつになっても下僕にとどまる。
とにかくとりかかれば心が燃え上がるし、続けていれば仕事は完成する。
何事も簡単にできるようになる前は、何もかも難しいものだ。
あなたにできること、できると夢見ていることをどんなものでもいいから始めなさい。その大胆さは才能であり、力であり、魔法である。
《平常心》
私たちの心は常に楽をしようとします。でもそれに逆らって、何かを目指して頑張ると、今度は心の中が、幸せな気持ちでいっぱいになるように出来ているのです。
あらゆる階級がある中で、特に気品がある人は誰かというと、どんな長所を持っていても、常に心の平衡を失わない人である。
シューマン:「ゲーテのファウスト」からの情景【Blu-ray】 [ ダニエル・バレンボイム ]
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《人生》
若くして求めれば老いて豊かである。
人生において重要なのは生きることであって、生きた結果ではない。
涙とともにパンを食べたことのある者でなければ、人生の本当の味はわからない。
人間が一番やっていけないことは、不機嫌になってしまうことである。
《愛情》
愛する人の欠点を美徳と思えない人は、決してその人を愛しているとはいえない。
《その他》
愚者も賢者も、ともに害がない。一番危険なのは、半端な愚者と半端な賢者である。
座右のゲーテ 壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書) [ 齋藤孝(教育学) ]
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ゲーテの人生。
ゲーテの正式な名前は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749~1832)。
18世紀の中頃、ドイツのフランクフルトにて生れました。
父親は教育に熱心で、3歳の時から読み書きや、算数などの初等教育を受けます。
ゲーテは特に語学に長け、少年時代に6ヶ国語を習得し、読書も好み、詩作も評判になっていたのです。
ゲーテと言えば、小説、戯曲、詩集、叙事詩、そして多くの格言や名言を世に出した事でも知られています。
更に、政治家、法律家、自然学者、物理科学者でなど、並外れた才能もありましたが、それと同時に恋多き男でもありました。
ゲーテの生きた18~19世紀にかけては、世界的な大変動が起こった時代で、
社会の構造そのものが大きく変化し、フランスでは王政が崩壊したました。
この動乱期なくして現在の民主主義は生れなかったと言われるほど重要な時代です。
そしてゲーテは、この動乱の世界を体験し、数々の作品を生み出したのです。
ゲーテ原作 ファウスト [ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ ]
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皇帝ナポレオン。
ゲーテに影響を与えた同時代の人物は数多くいます。その一人がフランス皇帝ナポレオンでした。
ナポレオンはゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』を戦地にまで携え、7回読んだとも言われています。
ゲーテの作品の愛読者だったナポレオンは、1808年にゲーテと対面したとき感極まって「ここに人あり」と叫び、
天才作曲家ベートーヴェン
ゲーテより20歳年下の天才作曲家ベートーヴェンが、崇拝していたのもゲーテでした。
そしてゲーテもベートーヴェンの才能に衝撃を受けました。
交響曲の「運命」を聴いたとき「こんな演奏では建物が壊れる」と叫んだと言う逸話もあるほどです。
ある時ゲーテの友人が、人妻との失恋が原因でピストル自殺をしたと言う知らせを聞き、
この友人の死と、ゲーテの恋の体験が代表作『若きウェルテルの悩み』の構想へとつながったと言います。
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