ビートルズの名曲 「アイ・ウィル」I Willの歌詞と和訳と村上春樹
ビートルズの楽曲の中でも、スローテンポで暖かく、ノスタルジックな雰囲気のある曲がI Wiilです。
レノン=マッカートニーの楽曲ですが、実質ポール・マッカートニーの作品で、シンプルで奥深いラブソングです。
心穏やかに過ごすためにも、精神安定剤のような楽曲だと思いませんか。
ザ・ビートルズ「アイ・ウィル」
Who knows how long I’ve loved you
You know I love you still
Will I wait a lonely lifetime?
If you want me to, I will
一体どれだけの間、僕は君を愛しているだろう
今でも変わらず君を愛しているだけど
このまま、僕は一人寂しい人生を送るのだろうか?
もし君がそう望むなら、そうするよ
For if I ever saw you
I didn’t catch your name
But it never really mattered
I will always feel the same
もし君を見かけることがあって 君の名前を聞き逃しても でも、そんなのはどうでもいいんだ
僕の気持ちは変わらない
Love you forever and forever
Love you with all my heart
Love you whenever we’re together
Love you when we’re apart
愛しているよ、いつまでも、いつまでも
心の底から愛してる
一緒にいる時はずっと愛してる
離れていても愛してる
And when at last I find you
Your song will fill the air
Sing it loud so I can hear you
Make it easy to be near you
For the things you do endear you to me
Oh, you know, I will
I will
そして、ようやく君を見つけ出した時
君の歌声があたりを包み込む
僕に聴こえるように、もっと大きな声で歌って欲しい
そばに近づけば、よく聴こえる
君のする事が、愛しくて仕方ない わかるだろう、いつまでも、いつまでも
Written by Lennon-McCartney
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「アイ・ウィル」の逸話
「アイ・ウィル」I Willは、ビートルズの1968年、通算10枚目のホワイトアルバムに収められている楽曲です。
ホワイトアルバムは、ビートルズのメンバーが、互いの方向性が輝く様な楽曲が収録された、2枚組30曲の大作です。
この曲は、レノン=マッカートニー名義ですが、実質ポール・マッカートニーの作品で、シンプルで奥深いラブソングです。
一説には、ポールの当時の恋人リンダ・イーストマンへの愛を歌った曲と言われていますが、定かではありませんが、
歌詞の構成からすると、これから出会いであろう運命の人に対して、自身の思いを寄せるラブソングのようです。
「アイ・ウィル」は、ポール・マッカートニーが、1968年2月から4月にかけて、
インドのリシケーシュに滞在した時に、思いついたと言われています。
1968年春の段階では、メロディは出来ていましたが、歌詞はまだ出来上がっていませんでした。
その時、同じインドの瞑想道場に来ていたドノヴァンに聴かせたところ、彼も気に入って一緒に歌詞を考えたそうです。
しかし納得のいく歌詞にならず、インドから帰って来てから、ポール・マッカートニーが一人で改めて書き上げたそうです。
この楽曲について、ポール・マッカートニーは、
「今も自分が書いたメロディの中で、最も気に入っているものの1つ」と語っています。
曲シンプルですが、そこに温かみを加えているのが、ポール自身による“口ベース”で、ベースの音を口でやっているのです。
何故か懐かしく、ノスタルジック溢れるメロディーに心癒される名曲です。
ホワイトアルバムの中では、「アイ・ウィル」の次に「ジュリア」が収められていて、
この2曲を続けて聞くと、優しさに包まれたような気分にさせて呉れるのです。
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わたしの「アイ・ウィル」
学生時代の私には、2枚組のホワイトアルバムはとても高価で、手が出せませんでした。
金持ちのクラスメートに頼んで、1日だけホワイトアルバムを貸して貰い、ダビングしました。
そしてその日から夢中になってこの曲を聴きまくり、もう何千回、何万回、聴いたかもしれません。
そして、一番好きな曲になったのです。
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村上春樹とビートルズ
ビートルズの楽曲がタイトルの元になっている、日本の作家と言えば、村上春樹さんでしょう。
村上春樹さんの作品の中には、
多くのビートルズの楽曲が登場しますが、その中でも最も有名なのが『ノルウェイの森』でしょう。
その冒頭は、こんな風に始まります。
多くの祭りのために
第一章
僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。その巨大な飛行機はぶ厚い雨雲をくぐり抜けて降下し、ハンブルグ空港に着陸しようとしているところだった。十一月の冷ややかな雨が大地を暗く染め、雨合羽を着た整備工たちや、のっぺりとした空港ビルの上に立った旗や、BMWの広告板やそんな何もかもをフランドル派の陰うつな絵の背景のように見せていた。やれやれ、またドイツか、と僕は思った。
飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーから小さな音でBGMが流れはじめた。それはどこかのオーケストラが甘く演奏するビートルズの『ノルウェイの森』だった。そしてそのメロディーはいつものように僕を混乱させた。いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。
そして、中盤で「ジュリア」が出て来ます。
第六章
それから彼女は「ノーホエア・マン」弾き、「ジュリア」を弾いた。ときどきギターを弾きながら目を閉じて首を振った。そしてまたワインを飲み、煙草を吸った。
「『ノルウェイの森』を弾いて」と直子が言った。
音楽は不思議です。
それを聴いただけで、その情景が浮かび上がり、聴いていた本人の過去のイメージが、一瞬にして次元を超えるのですから。
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