第8話「同盟のゆくえ」。
『麒麟がくる』は、第8話になりました。
帰蝶から政略結婚の相手である、「うつけ」と言われている、織田信長(染谷将太さん)がどんな人物なのか、
見て来て呉れと、帰蝶から頼まれた明智光秀は、尾張の国に潜入します。
そして、尾張の浜辺で、地元の漁師たちに慕われている、織田信長の姿がありました。
沖で獲ってきた魚を、切り身にして、一切れ一文(150円)で売っていたのでした。
「市に持っていけば高く売れるぞ」と、優しい言葉を掛けていたのです。そんなシーンを見て、明智光秀が帰郷するのでした。
誰が「麒麟」を連れて来る。
この織田信長が、麒麟を連れて来るのでしょうか。それとも他に、麒麟を連れて来る人物が、いるのでしょうか。
それが、この大河ドラマの核心です。しかし、この段階で分かることは、難しいかもしれません。
『礼記』に五色で彩られた麒麟が載る。
中国の古典『礼記』。
中国の古典『礼記』によれば、王が仁のある政治を行なう時に現れる神聖な生き物「端獣」とされ、
鳳凰、霊亀、応竜とともに、「四霊」と総称されている事から、幼少から秀でた才を示す子供を、麒麟児と称するようです。
『礼記』とは、周から漢(紀元前200年頃)にかけて、儒学者がまとめた、礼に関する書物を編纂したもののようです。
一説によると、牡(オス)を麒、雌(メス)を麟と言うそうです。
牝には角が無く、牡の持つ角は、ヨーロッパのユニコーンに於ける角と同様なようです。
五色で彩られた身体を持つ麒麟は、武器であるその角は、先端が肉で覆われているため、相手を傷つけることがないとされています。
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麒麟は、平和な治世に現れる瑞獣。
乱世を終わらせる人物が、麒麟を連れて来る。
そして、麒麟は聖天子の治世に限って、出現する端獣とされていました。
麒麟は平和な世に現れるとされており、昔から人々は福を求めて、麒麟を崇めて来たのです。
こうして、戦乱の世を終わらせる人物が、麒麟が連れて来ると言われていて、麒麟が来ると言うことは、平和な世になる意味だったのです。
春秋戦国時代の、戦乱の時に、孔子は麒麟を見たと言っていたそうです。
さて、大河ドラマ『麒麟がくる』では、誰が麒麟を連れてくるのでしょうか。
織田信長でしょうか。明智光秀なのでしょうか。はたまた豊臣秀吉なのか。
それとも、私たちに予想しがたい人物がいるのでしょうか。謎は深まって行きます。
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光秀は帰蝶への、尾張行きの説得に悩む。
美濃の国の行く末をどう考える。
光秀は悩んでいます。帰蝶にどう伝えたら良いのかと。
すると、光秀の母、牧(石川さゆりさん)は、美濃の国の行く末を、考えることが一番大事と、諭すのでした。
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1540年代英傑が出現する前の時代。
国が最優先される社会。
この物語は、1540年代、まだ、多くの英傑たちが「英傑以前」だった頃の物語です。
これから、信長、秀吉、家康などの英傑が、世に出てくる時代です。
その頃の社会は、国や、家族が重要視され、個人の意見や意思は、組織を守るためを名目に、我慢せざるを得ない社会です。
帰蝶が織田信長へ嫁ぐことで、美濃の危機が、一時的ではあるにして回避出来るとしたら、
この時代の中で、帰蝶には、意見を言える立場にあったのでしょうか。
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美濃には海がない、尾張には海がある。
美濃が一歩も二歩も海に近づいた。
こんな思いを持って、光秀は帰蝶と対面します。
「尾張は海が美しいところ、美濃には海がない。行ってみるべし、行かれると良いと」光秀が話しました。
すると、帰蝶は「申したな!」と発し。「(明智光秀)十兵衛が申すのじゃ、是非もなかろう」と覚悟を決めたのでした。
それは、美濃の国が、一歩も二歩も、海に近づいた瞬間だったのです。
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美濃の守護、土岐頼芸への反論。
尾張には諸国の物産がある。
美濃の国の守護、土岐頼芸から、帰蝶を尾張に行かせることを攻められた光秀は、「尾張の熱田に行かれたことはあるのでしょうか」と問い、
尾張には諸国の物産があって、それで、尾張は豊かになっていると反論したのです。
それに対して守護の土岐頼芸は、何も言わずに退出してしまうのでした。そこに、土岐頼芸の苦悩が表れていました。
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帰蝶と駒の思いに応えられない光秀。
光秀が帰蝶への思いを吐露した。
後半の、逗留していた駒が京に帰るシーンで、
駒は光秀に思いを抱きながら、帰蝶もまた、光秀に思いを寄せていることをおもんばかって、 もうここで見送りは結構ですと、光秀に告げます。
本当は、帰蝶さんをこうやって見送りたかったのではなかったのでしょう。手放したくなかったのではないかと迫られると。
「そうやも知れぬ」と自分の思いを吐露したのでした。
光秀は、帰蝶と駒の二人の女性に、思いを寄せられていることを知りながら、その思いに応えられずにいたのでした。
そして、最後のシーンで、今川義元(片岡愛之助さん)が
「織田と戦じゃ」と発したのでした。さて、織田はどう動くのでしょう。
「『麒麟がくる』ネタバレあらすじ8話政略結婚に葛藤する帰蝶」への2件のフィードバック
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