ビジネスマンの必読書。
ドラッカーと言えば『マネジメント』が代表的な著書ではないでしょうか。
多くのビジネスマンの必読書と言われ、多くの企業で、彼の経営スタイルが評価されています。
マネジメントとは、組織を、如何に成果を上げさせるための、道具や機能などと、捉えることが出来るようです。
『マネジメント』は、お金儲けでは無い。
そして、組織の中で、その組織を機能させる者こそが「マネージャー」の存在であり、
マネージャーを「組織の成果に責任を持つ者」と、定義されているようです。
より良い社会を築いて行くためのマネジメント。
『マネジメント』と言うと、企業にお金儲けのノウハウを教える、ハウツー本のように思いますが、
実際は「人間が如何に幸せに生きるか」を、ドラッカーは説いているのです。
より良い社会を築いてゆくための、組織づくりを書いたのが『マネジメント』なのです。
『マネジメント』は、お金儲けのための方法ではなく、
人が働く社会が、正しい社会であるための方法が、したためられているのです。
マネジメントの3つの役割。
著書『マネジメント』の中で、マネジメントには、3つの役割があるとしています。
「自らの組織に特有の使命を果たす」「仕事を通じて働く人を生かす」「社会の問題に貢献する」この3つです。
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組織のやるべきことは満足度を上げること
自らの組織に特有の使命を果たす。
1つ目の役割は「自らの組織に特有の使命を果たす」です。その組織がやるべきことを、遂行する事だと言います。
例えば、スーパーマーケットなら、新鮮で良い商品を、低価格で顧客に提供する事で、お客さまから信頼される企業になる筈です。
家電製造会社なら、便利で安心して使える製品を、誰でもが買える価格帯で提供する事で、顧客の満足度が上がる筈です。
このように、その組織がやるべきことを、当たり前のようにやるべきだと言っているのです。
その組織が、本業を真剣に取り組むべきだとしているのです。
強みのある事業に特化する。
ゼネラルエレクトリックのはなし。
ドラッカーが手掛けた企業として良く知られているのが、
ゼネラルエレクトリック(GE)からのコンサルタントを受けた時のことです。
ドラッカーは、「世界で一位か、二位になるつもりの事業だけを残して、その他はやめなさい」と助言したそうです。
その当時のGEは、世界的な企業で、家電から原子力まで、幅広く事業展開していましたが、
あまりに巨大な企業になり過ぎた事で、自社の方向性が分からなくなっていて、業績も悪化の一途を辿っていたのです。
それで、自社の強みのある事業に特化したことで、V字回復をさせた事はあまりにも有名な話です。
徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」 [ 二瓶正之 ]
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日本でも、こんな例があった。
最近の日本の企業でも、上場を果たした事で、大量の資金を、株式市場から調達出来るようになり、
今まで手掛けて来なかった、多種多様な企業を傘下に収めた企業がありました。
この企業も、方向性を見失くなって、買収したほとんどの企業が赤字や業績悪化となってしまい、
買収した企業の整理をしている、報道がなされていましたが、正に、ドラッカーが予想していた通りの事態が起きたのです。
「餅屋は餅屋」本業をしっかり見据えた経営が、必要なことを証明しています。
マネジメントは社会のためにある。
仕事を通じて働く人を生かす。
2つ目の役割は「仕事を通じて働く人を生かす」です。これは、現代社会では、人は何らかの組織に属して収入を得ています。
そして、その組織とは、どのような組織に属しているかでは無く、何処の組織に属しているか、
つまり、何処の会社に勤めているかが重要になっているのです。
人生の大半を過ごし、自分の人生を賭けて働く職場こそ、自己実現を果たせるような、仕組み作りが必要だと説いています。
働く人の得意分野を広げて、責任ある仕事を与え、成果をフィールドバックするような、仕組み作りが必要なのです。
すべての財とサービスが、組織から生み出されているとすれば、
多くの人が働いているその組織を良くすれば、組織の集合体である社会も、いずれ良くなるという考えを持っていたのです。
これこそが、「人が企業の財産である」と言う、基本理念でしょう。
ドラッカーがいま、ビジネスパーソンに伝えたいこと [ 御手洗 昭治 ]
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会社は社会の公器である。
社会の問題に貢献する。
3つ目の役割は「社会の問題に貢献する」です。ドラッカーの有名な言葉に「会社は社会の公器である」とあります。
「会社とは社会から人材や資源を預かり、社会に必要とされるものを提供する、役割を果たすものである」とも言っています 。
仕事の哲学 最高の成果をあげる (ドラッカー名言集) [ ピーター・ファーディナンド・ドラッカー ]
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企業の社会的貢献(CSR)
強みを生かして差別化を図る。
今や多くの企業でCSR(企業の社会的貢献)が盛んに行われています。
それぞれに企業が、自社の強みを生かした社会貢献をする事で、
社会や、地域社会の一員としてのその使命を果たそうとしているのです。
例えば、コンビニは商品の販売以外に、宅配サービスの受付、ATM、コピー、ファックス、トイレと様々なサービスを加えて来ました。
それが結果的に、その地域で無くてはならない、お店になっているのでしょう。
自らをマネジメントするドラッカー流「フィードバック」手帳【電子書籍】[ 井坂康志 ]
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社会が関心を持っているものを基軸にする。
マネジメントは、社会が関心を持っている事を、基軸に据え置かなければならないでしょう。
そのことで企業も社会も繁栄し、特有の使命を果たす事になるのでしょう。
それが、その企業にしかできない、商品やサービスを提供する事に繋がると思うのです。
企業は何を売りたいかでなく、顧客が何を買いたいのかを、考える事になるのだと思います。