世界で最も売れた本のランキングで、2021年は、1位『聖書』:推定50~60億部以上。2位『毛主席語録』:推定9億部以上。
3位『コーラン』:推定8億部と、聖典や名言集が上位の中、
世界で最も売れた本の第4位はミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』(販売部数:推定5~6億部)なんだそうです。
“世界で最も「売れた小説」”
『ドン・キホーテ』と言うと、日本では殆どの人が、著名な量販店を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、世界的にはセルバンテスの『ドン・キホーテ』は、高い認知性を保っているようです。
ミゲル・デ・セルバンテスの『ドン・キホーテ』は、
自分が騎士であると言う、誇大妄想に取り付かれた、ドン・キホーテと従者サンチョ・パンサが、
旅先で巻き起こす滑稽な悲喜劇を、風刺を気を利かせた冒険譚仕立てに描かれて、
“世界で最も「売れた小説」”として、近代文学の先駆的な小説と高く評価されています。
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『ドン・キホーテ』ラ・マンチャの男
『ドン・キホーテ』は、1605年に発表された、スペインのラ・マンチャ地方を舞台にした小説です。
しかし、どれだけの人が、この『ドン・キホーテ』の内容を知っているでしょか。
小説の題名は知っていても、実際にどんな小説で、何が凄いのかと言うことになると意外と知られていません。
物語の中に登場するドン・キホーテが、風車に突撃すると言うエピソードは、あまりに有名で知ってはいるものの、
その出来事の理由は何かと問われてみると、答えに窮する事でしょう。
『ドン・キホーテ』は、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテス(1547-1616)によって書かれた長編小説の大作です。
その装丁には、挿絵が入っている事で、ドン・キホーテの中味が想像出来て、物語に入り込みやすくなっているのです。
ドン・キホーテ☆(全6冊)☆ (岩波文庫) [ セルバンテス ]
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ミハイル・バリシニコフの「ドン・キホーテ」 [ アメリカン・バレエ・シアター ]
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騎士道物語が大好きな主人公
当時のヨーロッパで流行していた、騎士道物語が大好きな、下級貴族の主人公は、
村の司祭と床屋を相手に、騎士道物語の話ばかりしていました。
それは騎士道物語に描かれた世界は、かつて実在し、
それを当時16~17世紀の時代に復活させ、理想の世界を実現させると言うものでした。
騎士道物語にのめり込み、昼夜を問わず夢中で本を読み続けた、主人公の騎士道熱は、
本を買うために、田畑を売り払うほどになり、あげくの果てに正気を失い、
妄想に陥った主人公が、 自らを伝説の騎士と思い込み、「ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ」と名乗って、
痩せこけたロバのロシナンテにまたがり、従者サンチョ・パンサを引きつれ、遍歴の旅に出るのです。
更に、騎士道物語には愛を捧げる「想い姫」が必要なので、
近くの村に住む田舎娘アルドンサを、ドゥルシネーア姫ということにしました。
そして、騎士道物語に倣って、最初に出会った騎士に叙任して貰おうと考えながら、
ドン・キホーテは、世直しの旅へと出発するのでした。
ドン・キホーテ 前篇1 (岩波文庫 赤721-1) [ セルバンテス,M. de ]
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バーナード・ショーの皮肉な名言
そんな、『ドン・キホーテ』を、アイルランド、ダブリン出身の劇作家で、
ノーベル文学賞受賞者のバーナード・ショーは、こんな名言で皮肉っています。
「ドンキホーテは読書によって紳士になった。そして読んだ内容を信じたために狂人となった。」 (バーナードショー)
皮肉屋のバーナード・ショーらしい見事な言い回しです。
そして、ラマンチャの男は、行く先々で持ち前の妄想と狂人じみた行動で、様々な冒険を繰り広げていくのです。
ドン・キホーテ 前篇2 (岩波文庫 赤721-2) [ セルバンテス,M. de ]
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16世紀の騎士道物語。
騎士道物語とは、16世紀にスペインで大流行した、小説群のことを指します。
主人公は遍歴の騎士と言う「旅の騎士」で、彼らは囚われの姫や、虐げられた人々を救うために、
恐ろしい巨人や魔法使いと勇敢に戦い、平和をもたらすと言うものです。
ドン・キホーテが読んでいた騎士道物語とは、まさにこのような本でした。
『ドン・キホーテ』では、騎士の勇者の剣で、聳え立つ塔のような大きな巨人を真っ二つに断ち切ったり、
魔法使いの力で、一瞬に遥か彼方に移動したりと、不思議な出来事が起こります。
ドン・キホーテ 前篇3 (岩波文庫 赤721-3) [ セルバンテス,M. de ]
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世界的有名な「風車のシーン」
「ドン・キホーテは風車を巨人と間違えて突撃した」これはよく言われるエピソードです。
二人は道を進むうちに野原に並ぶ風車を発見します。
それをドン・キホーテは巨人だと思いこみ「やつらを皆殺しにして財宝を頂こう」と持ち掛けます。
ドン・キホーテの眼には、巨人として見えていたのです。
風車に突撃したドン・キホーテは、風車の羽に突き刺した槍ごと吹っ飛ばされ、宙を舞い、地面に叩きつけられてしまいます。
それを見た従者のサンチョ・パンサに「やれやれ、なんてこった!」と呆れられた後もドン・キホーテはこう言い返します。
「魔法使いが巨人退治の手柄を奪うために、魔法で巨人を風車に変えてしまった」と言い張ります。
ドン・キホーテは、確かにあれは巨人であったのだが、魔法使いの仕業で、今は風車になってしまったと弁解しているのです。
ドン・キホーテ 後篇1 (岩波文庫 赤721-4) [ セルバンテス,M. de ]
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村に帰ったドン・キホーテ
幾多の旅をしたドン・キホーテでしたが、怪我をしたため素直に故郷へと帰りました。
帰郷すると家政婦と姪は、騎士道物語に文句を言いながらドン・キホーテを迎えます。
司祭は家政婦と姪にドン・キホーテを村から出さないよう言いつけますが、
二人はドン・キホーテが再び世直しの旅に出ていく、嫌な予感が拭えないのでした。
故郷で静養していたドン・キホーテは、村の学士カラスコから、ドン・キホーテの物語が出版されていることを聞かされます。
人々がドン・キホーテの愉快な物語を期待していることを知り、
ドン・キホーテとサンチョは再び旅に出ることになり、旅は続くのでした。
ドン・キホーテ 後篇2 (岩波文庫 赤721-5) [ セルバンテス,M. de ]
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旅の最後の結末。
旅の最後に、村へと帰ってきたドン・キホーテは、決闘で負けて、1年間村で暮らさなければならない事を打ち明けます。
そして、これから何をしようかと話しているところで、気分が悪くなったため寝ることにします。
旅の疲れが出たのか失意からか、ドン・キホーテは病に倒れてしまいます。
一週間後になんとか持ち直して目覚めると、なんとドン・キホーテは正気に戻っていたのです。
『ドン・キホーテ』は上下巻合わせて6冊で、1冊あたり400ページを超える大作です。
その中でも、1冊目にこそ『ドン・キホーテ』の面白さのエッセンスが凝縮されていますし、
更に有名な風車の冒険にも出て来るので、1冊目はおすすめの作品です。
ドン・キホーテ 後篇3 (岩波文庫 赤721-6) [ セルバンテス,M. de ]
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セルバンテスの名言。
事実は真実の敵なり。
正直は最善の策である。
富を失う者は多くを失い、友人を失う者はさらに多くを失う。しかし、勇気を失う者はすべてを失うことになる。
生命のあるかぎり、希望はあるものだ。
君の友人を教えなさい。そうすれば、君がどういう人間か言ってみせよう。
真の勇気というものは、
極端な臆病と向こうみずの中間にいる。
子供というものは両親の分身ですぞ。
したがって、よい子であろうと悪い子であろうと、
われらに生命を与えてくれる魂を愛するように、
愛さねばなりません。
人生は一枚の銀貨のようなものだ。それをどう使おうと勝手だが、使えるのはたった一度きりである。
女の忠告なんぞ取るに足らねえ、
だけどそれに耳を貸さないやつは、
ひどい阿呆だと思うんですよ。
幸運はそれが失われるまで知られない。
ミハイル・バリシニコフの「ドン・キホーテ」 [ アメリカン・バレエ・シアター ]
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「セルバンテスの名作『ドン・キホーテ』あらすじと名言。」への5件のフィードバック
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