経済的自立と早期リタイアを表す、FIRE(ファイア)と言う言葉があります。
これは投資で十分な資産を築いて、悠々自適な生活を送るためにどうすれば良いかを示していて、
自由な生き方を追及する人たちの指針になっています。
FIREの「4%ルール」
FIRE(ファイア)と言う言葉が生まれたアメリカでは、「4%ルール」が、実現の目安とされています。
4%ルールとは、年間の生活費などの25倍の元手を用意し、年率4%で運用すれば、
必要額を毎年取り崩しても、理論的には、資産を目減りさせることなく、生活することができると言う考え方です。
4%ルールでは、例えば年間の生活費が300万円必要ならば、25倍の7,500万円を用意すれば、可能になると言うものなのです。
これは、アメリカのトリニティ大学が、過去の米国市場における運用状況をもとに試算しています。
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「4%ルール」の注意点。
この4%は、アメリカの代表的株価指数のS&P500の成長率7%とし、アメリカのインフレ率3%として計算されています。
インフレ(インフレーションの略語)率とは、物価の上昇を表す指標で、米国の資産運用環境をベースに算出されています。
なので、経済状況が悪化している時は投資元本が減ることや、
生活資金が足りない状況に陥ることも、考えておかなければなりません。
例えば、米国の代表的な株価指数のひとつS&P500は、2020年のコロナショックでは、30%以上下落しましたし、
2008年のリーマンショックでは、50%近く下落した期間もあります。
このような期間に、年間生活費を切り崩すと元本は減りますし、
資産残高の4%を取り崩しても、年間の支出が賄えないこともあるでしょう。
これらは、あくまでも過去のデータからの結果であり、資産が底をつく可能性が、全く無いと言うことではありません。
また、通常運用益に対して約20%の税金が課されますので、
年間300万円の運用益は、実質約240万円となるのですので、その点の考慮も考えておかなければなりません。
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年金でも使える「4%ルール」
この発想を年金受給者が行うことで、年金の不足分を補填すると言う考え方もあります。
厚生年金のモデルケースではで、夫婦二人で221,200円、
これは夫の平均的収入が42.8万円で、40年間の就業し続けた場合で、その間に、妻が専業主婦だった場合です。
これに対して、定年退職後の生活費が25万円だとすると、厚生年金だけでは足りません。
更に今では物価も上がっていますので、生活費が35万円だとすると、退職金を取り崩してゆく生活にならざるを得ないのです。
年金収入の他に年間100万円が必要なら、
2,500万円の元手を確保出来て、上手に運用出来れば、安心した生活が送れると言うものなのです。
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リタイア生活の一つの考え方
年間生活費の25倍の資産形成をし、築いた資産の4%、または運用資産の4%を取り崩して生活することで、
資産を減らすことなくリタイア生活ができると言う、アメリカにおけるライフプランのひとつですので、
日本でそのまま実現できるというわけではありませんが、これをひとつのロールモデル(目標)とすることは可能でしょう。
注意点としては、経済状況によって資産の増減が大きいことと、
会社員であれば、厚生年金が減ること、FIRE後も社会保険料の支払いは続くこと、
また相当な節約生活が必要なこと、そして、税金が考慮されていないこと等が注意点でしょう。
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