相棒Season20元日スペシャル第11話『二人』冠城亘の姉登場
年の瀬の夜、冠城亘の姉から奇妙な依頼がありました。
それは、彼女がボランティアを勤める、教会で起きた出来事でした。記憶喪失の男が教会で保護されますが、
その男は自分の名前以外何も思い出せない状況でしたが、右京さんたちの捜査により、意外過ぎる正体が分かったのです。
年末のレストランでのVIPの個室
年末、甲斐峯秋(石坂浩二さん)の誘いで、高級レストランを訪れた右京さんと冠城亘でしたが、
その店は、「私の会員の店だからね」と、甲斐峯秋から告げられます。
そのいきさつは、行きつけの「こてまり」が、年の瀬で予約が一杯だったからでした。
食事をしていると、「こてまり」の小出茉莉から、右京さんの携帯に電話が入ります。
席を立って話しをすると、それは、お席の用意が出来たと言う知らせでした。
その時、右京さんは、個室の席に入る、与党政調会長の袴田(片岡孝太郎さん)と経済界の重鎮が、会合を開いているところを見掛けます。
個室のテーブルには、3人の席が用意されていたので、もう1人、誰か、参加者がいると思われたのです。
同じ夜、落としたスマホを探していた二人の少年が、大人同士が言い争う姿を目撃します。
そのうちの一人の少年がその光景をスマホで撮影していると、
それに気づいた男に追いかけられ、落としたスマホを持ち去られてしまったのです。
翌日、特命係の部屋で、トランプに興じていたのは、右京さん、冠城亘、サイバーセキュリティ担当の青木、角田課長でした。
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それは、年末年始の当番勤務に当たっていたからでした。そこに、冠城亘の携帯に、ある女性から電話で呼び出しを受けます。
同じく当番だった右京さんに、
「右京さん、折り入って紹介したい人がいます」と言い、連れ出した先は、聖マディス教会でした。
そこにいたのは、冠城亘の姉・由梨(飯島直子さん)でした。
由梨は、冠城亘のことを「わーくん」と呼び、冠城亘のあだ名が分かった瞬間でした。
由梨は、ピアノ教師をしながら、教会でボランティアをしていると言い、
保護した記憶喪失の男性(イッセー尾形さん)の、身元を調べて欲しいと依頼したのです。
男性は頭部にケガをしていて「湊健雄」と名乗ったものの、それ以外は覚えていない様子で、手掛かりはありません。
泥だらけで座り込んでいるところを、通りかかった小学生の早瀬新(西山蓮都さん)と峰岸聡(川口和空さん)が、発見したと言うことでした。
由梨は、「湊健雄(みなとたけお)さんを、おうちに帰してあげたいんです」と懇願しますが、
唯一の手掛かりは、大手鉄道会社の駅売店の「デリバリーハピネス」と言う名前が、記憶に残っているらしいようなのですが、定かではないのです。
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二人の少年が隠していること。
そんな中、右京さんと冠城亘は、湊を最初に見つけた、2人の少年から話を聞きます。
利発な2人は、当時の状況を分かりやすく説明してくれましたが、何かを隠している様子で、不審に思います。
その隠したい事はどうやら、片方の少年が、「木枯らし公園」の雑木林で、スマホをなくしたようなのです。
右京たちは湊の素性も調べ始めますが、
その矢先、早瀬新がある頼みごとを持ちかけた、由梨のボランティア仲間の男が、遺体となって発見されたのです。
湊の身元調査の糸口を求めて、駅売店「デリバリーハピネス」の、本社を訪れた右京さんと冠城亘は、
同社が、非正規雇用の賃金問題で、待遇改善の紛争を抱えていることを知りますが、
会社側からは、湊に関する情報は得られませんでした。
同じ頃、少年のスマホを手にした男が、身分を偽り、2人の少年のすぐそばまで迫っていて、
聖マディス教会や、少年の家の周りをうろつき回っていました。
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記憶喪失の男性のアンバランスな服装
湊が上質なスラックスに、くたびれたスニーカーを履いていたことを聞き、そのアンバランスな服装に疑念を抱きます。
それは、湊健雄が身に着けていた衣服は脱がされ、身分の分かるものも持ち去られて、更に、靴まで脱がされていた証拠です。
また少年たちが、湊と遭遇した夜、早瀬新はスマートフォンを紛失し、峰岸聡とともに公園で捜していたことも分かりましたが、
2人の少年は、それを大人たちに、ひた隠していることを不審に思うのでした。
複雑に絡み合う謎をひもといて行くと、次第に事件を結ぶ黒い糸は、与党政調会長・袴田茂昭議員へと続いていたのです。
はたして黒幕は誰なのか、そして湊は何者なのか、全てを暴くため、右京さんは危険な賭けに出ることになります。
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冠城亘の少年時代の後悔。
今回は「二人」というタイトルが表すように、秘密を共有する親友同士の「早瀬新と峰岸聡」との絆が友情で結ばれて行きます。
更に、二人きりの姉弟である「冠城亘と由梨」の絆、
そして、7年を超えてタッグを組んできた「杉下右京と冠城亘」の絆も、色濃く映し出されていました。
そして、後半の場面で冠城亘が、右京さんに語りかけました。「俺にも新君みたいな友だちがいたんです」
その仲の良い友達が引っ越すことになり、
冠城亘は自分の住所と名前を書き、裏面が白紙のハガキを、その友達に渡そうとしていたのです。
そうすれば、その友達が新しい住所で生活を始めた時に、ハガキを投函して呉れれば、友情が続くと思っていたのでした。
しかし、そのハガキを冠城亘は渡すことが出来ませんでした。そのことを長年後悔していたのでしょう。
「ハガキを出したかったんです。でもあの頃の俺には渡せなかったんです。それをいまでも後悔していて…」
そのハガキは、由梨の住む実家の、冠城亘の部屋に、今でも大切に残こっていたのです。
ラストシーンで、「こてまり」に、甲斐峯秋、右京さん、冠城亘の姿がありました。
右京さんは小出茉莉に、「でも、あの日、こてまりさんが断って呉れなかったら、事件は解決しなかった」と語ります。
そして、視聴者は最初のシーンに、その暗示があったことを、知るのでした。
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