杉下右京は理想の上司?
それはSeason15第3話の「人生のお会計」の冒頭シーンから始まりました。その日の、冠城亘は、何だか変でした。
どう言う風の吹き回しか、「勉強させて欲しい」と、伊丹刑事(川原和久さん)に取り入り、事件捜査の見学をしていたのです。
いつもなら特命係を嫌がる伊丹刑事も、何にも言わずに捜査にあたっていました。
警視庁の上司にしたいランキング。
その訳は、冠城亘たちが選んでいた、上司にしたい人物の第2位に、伊丹刑事が選ばれていたからです。
そして、1位は杉下右京だと言うのです。伊丹刑事は1位にはなれなかったものの、まんざらでもない表情を浮かべていたのです。
事件が一段落して右京さんと冠城亘が『花の里』で、仕事の後の一杯を愉しんでいました。
右京さんはいつもの熱燗、そして、冠城亘はワインの白を飲んでいます。
その時、冠城亘が、「角田課長が気にしてましたよね」と話し、理想の上司ランキングの話が始まりした。
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杉下右京、上司ランキング第1位。
『花の里』の女将、月本幸子(鈴木杏樹さん)が「右京さんは何位だったのですか?」と尋ねると、
冠城亘は人差し指を掲げると、女将の月本幸子は喜びますが、
右京さんは「僕は、そもそも、そうした事に興味がないんです。」と、話しましたが、その表情は、なんだか、うれしそうに見えました。
すると、今度は右京さんが「お酒の飲み方にも順位があるんです」すると、冠城亘が「何ですか」と尋ねると、右京さんは「1位は手酌ですよ。」
その言葉に、女将の月本幸子と冠城亘は、妙に納得したのです。
杉下右京は、本当に理想の上司なのでしょうか。理想の上司の定義はいろいろあるでしょうが、こんなところがその代表例ではないでしょうか。
理想の上司とはこんな人。
(1) 信頼関係が築ける上司。
部下を信用し、信頼する上司です。成功したらそれは部下の力と報告し、失敗したら自分の責任として処理する人。
(2) 尊重して接して呉れる上司。
大人としての自覚を持ち、部下が困っている時には、すかさずフォローしたり、思いやりや気遣いが出来る人。
(3) 人として尊敬できる上司。
仕事が出来ても、感情のままに部下を操ったり、パワハラまがいの事をする人。
(4) 平等に接する上司。
人間関係の中で、馬が合う人は確かにいます。また、この人は苦手だなと思う人がいる事は事実ですが、
本来は、仕事が出来るか否かで評価をするもので、それを自分の好みに合わないからと言う理由で、平等に扱わない人がいるのです。
部下の話を聞いてあげる。その前に、話しやすい環境や人格が必要かもしれません。悩みに付き合って呉れたりするには、コーチングの技術が必要かもしれません。
(6) 有言実行している上司。
口に出した事に責任を持つことが出来る人、部下はそんな背中を見ているのです。
(7) 時には本気になって叱ってくれる上司。
部下の成長のために必要だと思った時には、厳しい事を言って呉れたり、場合によっては叱って呉れる人。
(8) 達成感を共有して呉れる上司。
仕事をする中で達成感は、仕事をやる気にさせて呉れるものです。
頑張った自分を見ていて呉れる人がいて、その人が一緒に共有して呉れれば、更に仕事のやる気が増す事でしょう。
(9) 先頭に立って引っ張って呉れる上司。
積極性のある人は魅力的です。自分がもたもたしている時に、もう、何歩も進んで進むべき道を示して呉れるのです。
理想の上司調査によれば。
「エン転職」でおなじみの、エン・ジャパン株式会社が、7,074人調査した「上司について」の調査結果では、理想の上司に出会った人は70%いるそうです。
その上司のどんな点を尊敬していますか。(複数回答)と言う回答には、
1位。人柄が信頼できる(62%)
2位。リーダーシップがある(49%)
3位。指示がわかりやすい(48%)
4位。決断力がある。仕事に対する責任感がある(47%)
5位。知識・経験が豊富(45%)でした。
杉下右京の、上司としての採点は?
さて、これらのデータに右京さんを当てはめると、どうなるでしょう。
杉下右京は、頭脳明晰で、切れの良さが身上です。時々見せるお茶目な側面も魅力の一つです。
彼は、東京大学法学部を首席で卒業しました。成績は相当優秀だったようです。
大学在学中に、イギリス留学を経験していて、右京さんのイギリスへの思い入れは、学生の頃から芽生えていたようです。
国家公務員Ⅰ種試験に合格し、大学卒業後に警視庁に入庁しました。いわゆるキャリア組です。
国家公務員Ⅰ種試験合格者は、採用時点で警部補となり、研修などを経て、自動的に警部へ昇進します。
普通であれば、キャリア組は、ちょっと現場を経験したら、その後は、出世街道を進むだけです。
しかし、右京さんは、入庁以来、警部と言う階級に留まっており、極めて特殊な存在らしいのです。
彼はいつも冷静沈着で、鋭い観察力、卓越まれな博識が、周囲を驚愕させ、圧倒的な推理力が持ち味です。
杉下右京は、どんな悪も見逃さない主義で、
「小さな事が気になるのは、僕の悪い癖!」
と言いながら、鑑識課などから様々な手掛かりを集めて、推理を発展させて事件解決を図って行きます。
その背景にあるのが、勧善懲悪と言う姿勢を貫いているからなのです。彼が時々叫ぶ
「いい加減にしなさい!」
この言葉は、最後の場面で犯人が判明し、犯人に証拠を突きつけますが、
それでも犯行を認めず、自分のせいでは無いなどと、言い逃れを繰り返す時に、
右京さんは顔を震わせながら、大きな声で怒りをぶつけるのです。
「残念ながら、この世に、人間の命より価値のあるものはありませんよ。」
右京さんが、命の大切さを教えて呉れる素晴しい言葉です。
右京さんが、顔を震わせながら、生命の価値を言い聞かせる姿が、印象的な言葉です。
そして、右京さんは罪を犯した者は、罰を受けなければならないと言う、勧善懲悪が警察官の根本理念だとしているのです。
それが、行き過ぎた時、組織に対して改善や是正を求めた結果が、特命係への異動だったのです。
彼は東大法学部卒のキャリア組ですが、上の命令に従わず、嫌われた結果が、島流しのような特命係のポジションだったのです。
特命係は「警視庁の陸の孤島」「人材の墓場」などと揶揄されています。
相棒たちは右京さんをどう見ているのか。
しかし、彼の部下となった相棒たちは、杉下右京をどんな上司として見ていたのでしょう。
学歴では、東京大学法学部を首席で卒業したキャリア組、本来なら出世街道まっしぐらな人物です。
しかし、真実の追求のためには、組織に逆らう持ち主で、そのため窓際に追いやられてしまっているのです。
この辺が部下として、どう対処したらよいか思案どころかもしれません。
しかし「信頼関係」については、どんな難事件を解決しても、彼は自分の手柄にすること無く、伊丹刑事へ手柄を渡してしまいます。
「尊重して接して呉れる」では、相棒のフォローもしています。
「尊敬」については、あれだけの頭脳明晰、観察力の高さ、事件解決力、判断力などどれを取っても、
彼にかなう者などいないので、それは尊敬の対象でしょう。
その他の項目を取っても、ほぼ上位に来ることでしょう。
上司にしたいランキング1位の杉下右京に、階級昇進のチャンスは来るのでしょうか。
組織と反目する上司に部下はどう思う。
こんな上司が組織に向かい合っている姿を見たら、部下たちは、かっこいい!と思う反面、
こんな事していて、この人大丈夫かなと思う筈です。右京さんと一緒に行動したいけれど、組織の上層部はどんな風に見ているのか気になるし、
一緒にいる事で、自分の将来がどうなってしまうのか、自分も出世出来なくなってしまうのかと、戸惑う筈です。
だから、身内同士では、理想の上司は右京さんと言っても、
オフィシャルな発言の場になると、チョット微妙な感じになってしまうかもしれません。
『相棒』登場人物の階級。
覚えるのが難しい階級制度。
警視庁と警察庁では多少、係名で違いはあるようですが、階級はこのようになっています。
巡査⇒巡査部長⇒警部補⇒警部⇒警視⇒警視正⇒警視長⇒警視監
《巡査》
冠城亘で、法務省のキャリア官僚、2015年春人事交流の名目で警視庁総務部付に出向。
《巡査部長》
亀山薫、甲斐亨、伊丹憲一、芹沢慶二、米沢守。
《警部補》
神戸尊、三浦信輔、陣川公平。
《警部》
杉下右京(特命係長)。
《警視》
角田六郎。
《警視正》
中園照生、大河内春樹。
《警視長》
内村完爾。
《警視監》
小野田公顕、甲斐峯秋。
『相棒』に登場する上司たち。
警視庁では、他の上司たちは、どんなポジション何でしょうか。
捜査1課の伊丹刑事は巡査部長。
口は悪いですが、右京さんの知識・博識・推理力を認めながら、多少うっとうしいと感じ「警部殿!」と、呼んでいます。
多少難はありますが、熱血漢で、理想の上司では、上位に来るかもしれません。
角田課長。組織犯罪対策5課・課長・警視。
「暇か!」と、言いながら特命係の部屋にやって来ては、パンダのマグカップへ、コーヒーを貰いにやって来ます。
人情味ある人物ですが、皆がみんな、角田課長が上司なら良いとは感じないかもしれません。
でも、世間話が好きで、相談に乗って呉れそうです。
「特命係に捜査権はない」が口癖で、上層部からの指示なのでしょうが、「もう、これ以上の捜査はするな、首を突っ込むな!」と言って右京さんたちの捜査を止めさせる言動があるのです。
こんな事を言う上司には、支持も集まらないでしょう。
中園参事官。刑事部参事官・警視正。
内村刑事部長の腰巾着で日和見主義。これでは部下からの支持は得られないかもしれません。
そして、内村刑事部長とワンセットで必ず登場します。
こうして見ると、『相棒』に登場する上司たちは、チョット個性的な上司が多いので、部下たちも大変なことがうかがえます。
そして。角田課長の上司ランキングは、何位だったのでしょう。角田課長でなくても気になります。
杉下右京の腕時計が気になります。
杉下右京はブリティッシュスタイルの、ダークスーツにサスペンダー、
腕に輝くのは、アメリカの歴史と共に歩んで来たブランド・ハミルトンの腕時計です。
1910年~1930年代に栄えたアールデコを取り入れた、クラシカルで趣深いモデル・ボストン(H13431553)。
センターセコンドではなく、スモールセコンドと言うクラッシックスタイルの腕時計で、さりげなくオシャレを演出していて、
何故か!気になって仕方がありません。
HAMILTON ハミルトン H13431553 ボルトン BOULTON メンズ 腕時計 【長期保証3年付】
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「『相棒Season15』杉下右京過去の経歴では理想の上司なの?」への4件のフィードバック
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