『相棒Season19』拡大スペシャル第19話「暗殺者への招待」
拡大スペシャル第19話は、Season19 第1話「プレゼンス」の続きとなっていました。
ネオジパングの創設者の、IT長者の加西周明 (石丸幹二さん)が、右京さんと冠城亘に呼び出され、レストランにやって来ます。
「俺、逮捕されるの?」と、加西周明が、そのお道化た表情で話したのに対して、
右京さんは「しかるべき者がお迎えに上がると思います。」と、答えたのでした。
第1話「プレゼンス」の最後のシーンで、右京さんが仮想国家の支配者・加西周明に対して、
因縁のけじめを、キッチンとさせると約束していたのです。
Season19 第1話「プレゼンス」
Season19 第1話「プレゼンス」は、白バイ警察官出雲麗音(篠原ゆき子さん)が、銃撃される場面から始まりました。
一命は取り留めたものの、白バイに乗ることは許されず、出雲麗音は、捜査一課への異動を希望し、その願いが叶なうのでした。
その後、出雲麗音を狙撃したと言う男が現れ、
その男が違法に、ビルの外壁を登っている途中で、転落死する事件が起きます。
何故、ビルの登攀歴がない男が、ビルに登ったかを調べて行く中で、ネオジパングと言う、仮想国家の存在が出て来たのでした。
それは、ビルの外壁を登攀できた時には、報奨金を出すと言う事で登ったらしいのです。
更に、出雲麗音の狙撃にも、報奨金が出ていた事が、分かって来ます。
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その首謀者が、ネオジパングの創設者の、IT長者の加西周明 (石丸幹二さん)だったのでした。
しかし、事件の首謀者でありながら、加西周明 は罪をまぬがれたのです 。
この背景には、衣笠副総監(杉本哲太さん)の“ツルの一声”や、更に、上からの“政治的圧力”があったと思われましたが、
うやむやのまま、ビルから転落死した男の恋人である、実行犯である朱音静 (日南響子さん) だけが、逮捕されたのでした。
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犯人が供述を保留した理由。
しかし、当初は加西の関与をほのめかしていた朱音静が、
大手事務所・エンパイヤー・ロー・ガーデンの弁護士・中里都々子と接見した後、
突然態度を翻し、供述の“保留”を申し出たのでした。
「夢見ていたのかもしれない。リアルとバーチャルの区別がつかないかも知れない」と、彼女は言ったのです。
そして、その保留は半月以上も続けており、何を画策しているのかと、出雲麗音は、やきもきして来ます。
そんな中、IT長者の加西周明は、国譲りと称して、ネオジパングの仮想国家を売却してしまったのでした。
静の不可解な動きを耳にした右京さんと、冠城亘が真意を確かめようと動き出した矢先、
加西の口車に乗って転落死した男の母親・蒔子(松永玲子さん)と顔を合わせます。
蒔子は、息子の恋人だった静を娘のように思い、何かと世話を焼いているようでした。
一方、おとがめなしで、自由の身を謳歌している、加西の処遇を巡っては、内閣官房長官の鶴田(相島一之さん)や、
国家公安委員長の、鑓鞍兵衛 (柄本明さん) も、関心を寄せていたのです。
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保留する見返りの現金授受は如何に。
朱音静が何故、供述を翻したのか、それが右京さんには、気に掛かっていたのです。
それはお金なのでしょうが、朱音静は留置所に入っており、現金授受の受取は不可能です。
更に通帳類は、当局が保管している状況で、入金確認が出来る筈もありません。
「確実にお金の受け渡しをしない限り、供述を変えますかねー?ー体どうやって、それを含めて1ヵ月半、何があったのでしょう」
「善人は正直、正直は顔に出ます。あなたが金銭を受け取ったのではないかとー」と右京さんは、転落死した男の母親・蒔子に畳掛けます。
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転落死した男の母親のどんでん返し。
その蒔子が、右京さんを訪ねて来て、「とんでもないことに使ったのです」として、
加西周明を射殺するよう、闇サイトでヒットマンに頼み、前金の1,000万円を支払ったと言うのです。
右京さんたちは、その事実を加西周明に伝えに行きます。「殺し屋があなたを狙っています。キャンセルは効かないようでー」
そして、国家公安委員長の、鑓鞍兵衛と出会った右京さんは、彼からの「お宅の若い衆に言っておいた」と言う物言いから、
口調の伝播があったのではないかと推測し、今回の朱音静の供述の保留は、彼の指示が在ったと推測したのです。
「それは、副総監への忖度だからと言う事でしょうか?」
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『相棒19』最終回SP第20話後編プレゼンス
最終回スペシャル「暗殺者への招待~宣戦布告」
加西を標的とした、殺し屋が雇われたことが分かり、
右京さんと冠城亘は、内閣情報調査室カウンターインテリジェンスセンターの、柾庸子(遠山景織子さん)から「情報の共有」を提案されます。
内調でも“加西不逮捕”の件を調査していたと言うが、右京さんは、更に上の権力者から指示があったのではないかと疑います。
不当に罪を逃れた加西を逮捕したい「特命係」と、加西には“相当の罰を与えたい”と考える内調、
その双方の利害は一致している、と言うのが庸子の言い分でした。
警視庁では、衣笠副総監から、加西を警護するよう命令が出されました。
そして、その警護命令は、国家公安委員長の鑓鞍からの、差し金と思われていたのです。
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悪い奴らは誰だ!
鶴田翁助官房長官か、国家公安委員長の鑓鞍 か?
その鑓鞍の口癖が「甲斐さんところの若い衆」で、この若い衆が、右京さんと、冠城亘を指していたのでした。
そして、内調からの“情報共有の打診”は、内閣官房長官の鶴田翁助の、命令によるものでした。
加西の気まぐれで殺されかけた出雲麗音は、国家公安委員長の鑓鞍 が、
衣笠副総監に、加西の警護を要請した件も含めて、美彌子(仲間由紀恵さん)に、泣きながら不満をぶつけていました。
同じ頃、出雲麗音銃撃事件は、単独犯で、加西は関係ないと供述を翻した静 (日南響子さん) が、
加西からの金銭授受に、彼女の恋人だった母親の蒔子(松永玲子さん)を利用している疑惑が浮上して来ます。
しかし、当の蒔子は、黙秘の構えを見せていました。
そんな中、内調を動かしているのは、官房長官の鶴田翁助(相島一之さん)と睨んだ右京と亘は、鶴田翁助から事情を聞きに行きます。
すると、加西は政界に深く食い込んでいて、特に、国家公安委員長の鑓鞍とは、昵懇(じっこん)の関係にあると話したのです。
衣笠副総監に、加西の逮捕状の執行停止を働きかけたのは、国家公安委員長の鑓鞍――それが事実なのであれば、無視できる状況ではないと右京は捉えます。
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金銭の授受はどう行われたのか。
その頃、朱音静は、加西と仮想国家「ネオ・ジパング」が、事件に関係しているという供述を翻させ、1ヵ月半もの間、供述の“保留”を、し続けていました。
その間に何があったのか、その期間を使って、金銭の授受があったのではないかと疑惑を持つのでした。
静に支払われた金と、殺し屋に加西殺害を依頼した際の、報酬について調べていた、捜査一課の伊丹憲一、芹沢慶二は、ようやく通帳の在り処にたどり着きます。
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総額6億円の現金授受。
郵便を使った手形割引。
そして、その総額が6億円で、1回2,000万円を手形にして、毎日のように普通郵便で郵送し、
それを受け取った蒔子が、手形割引で現金化していたのでした。
この時、右京さんが危惧したのは、割引手形が本当に決済されるのか、万一不渡りになった場合には、蒔子が買い戻さなけらばならい事でした。
そして、手形が配達された封筒には、あて先は記載されていても、差出人の記載はありませんでした。
そんな事で、蒔子の預金通帳には、毎回2,000万円前後の異なる金額が入金されていたのです。
これは、その都度、手形割引の、期限や金利が違っていた結果ではないかと、推察する右京さんだったのです。
そして、何よりも蒔子が、どうやって留置所の中にいる、実行犯である朱音静と、
看守の目をすり抜けて、金銭授受の方法を共有したのかと言うことだったのです。
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暗号が書かれた1通の手紙。
学のない間違いだらけの手紙。
そこで、大手事務所・エンパイヤー・ロー・ガーデンの弁護士・中里都々子が、持っていた、1通の手紙が鍵だと思ったのです。
それは、中里都々子弁護士が、「学が無い」と言う手紙の文面には、多くの間違いがあって、その間違い箇所を、×で訂正していたのでした。
そのことを弁護士が、執拗に指摘していた事から、×の部分を読み解くと、暗号化された文章が、分かる仕組みになっていたのでした。
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殺し屋は女の出張料理人。
買収金の支払われ方、そして殺し屋依頼の経緯が徐々に明らかになっていく中で、
加西と彼を警護するボディーガードたちが、一酸化炭素中毒で、死亡してしまったのです。
食事中のような状況で、人数分の七輪がテーブルの上に置かれ、お餅を焼いている時に、一酸化炭素中毒になり死亡したようでした。
そこで浮上してきたのが、出張料理人の女の存在でした。この女は、別の回で出て来ていました。
確か、泥棒集団の元締めだったような気がします。殺し屋と言えばヒットマンを想像しますが、
中年の女性料理人が殺し屋とは、加西も思わなかったのでしょう。とんだどんでん返しの殺し屋でした。
右京さんは思っていました。「素人がネットを徘徊したところで、そう簡単に殺し屋を雇えませんよ」
「ネットの相手はあなたですよね。加西が逮捕されたら、何を話すか分からないからですよ」と、内閣情報調査室カウンターインテリジェンスセンターの柾庸子に言ったのです。
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我々は喧嘩を売りに来ている。
あなたの悪事を暴いて見せます。
そして、内閣官房長官の鶴田翁助に最後に面会した、右京さんと冠城亘は「我々は、喧嘩を売りに来ているもんで」と冠城亘が発します。
右京さんも「我々は、必ずあなたの悪事を暴いて見せます」
二人と別れた後、内閣官房長官の鶴田翁助が呟きます。「消し去りたいよね。あの二人。警視庁からじゃないよ… …」
何とも不気味な言葉で、Season19の最終回が終わりました。しかし、この言葉はSeaso20の始まりの言葉でもあったのです。
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