杉下右京の好きな物。
警視庁特命係の、杉下右京の好きなものは、チェス、クラッシック音楽、そして、紅茶でしょうか。
特命係の部屋を、見渡して見ると、杉下右京のデスクの左側には、ガラスのチェス盤が置かれていて、すぐ、手の届くところにあります。
デスクの右側の窓際に、プレーヤ付きのオーディオセットと、ヘッドフォンが置かれていて、時間が空いた時に、クラッシックを聴いているようです。
その時、聴く曲が、右京さんの好きな、エルガーの『威風堂々』と『愛のあいさつ』だったら嬉しいのですが。
奥深い紅茶の世界。
杉下右京の紅茶の博識。
そして、デスクの後ろには、お気に入りの紅茶のセットが置かれています。
ティーポットを高い位置から、ティーカップに注ぐシーンは、あまりにも有名です。でも、あのような淹れ方には、賛否両論があるようです。
右京さんは紅茶に対しての見識が高く、茶葉の銘柄にも、こだわりがあるように思われます。
この「ティー」嗜好の影響は、何処から来ているのでしょう。
たぶん、イギリスのロンドン警視庁に赴任していた時に、イギリス文化の象徴である「ティー」の素養と文化を身に着け、その魅力に、はまったのではないでしょうか。
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伝統に裏打ちされた英国紅茶の深さ。
イギリスの紅茶の凄さ。
世界の茶の生産量の70%が紅茶だと言います。
イギリスには、リプトン、ブルックボンド、トワイニング、ウェッジウッド、フォーナム&イソンがあり、これらの会社は、すべてイギリスの紅茶メーカーです。
イギリス人1人当たりの、年間、紅茶消費量は2.6キロ、これを基に試算すると、
1日に5~6杯の紅茶を、イギリス人は飲む計算になります。これは、日本人の2.5倍相当です。
会社や学校では10時と、15時にティータイムを設けているところもあると言います。
さすが、イギリスの紅茶文化を象徴する伝統です。
紅茶の面白さは、産地、収穫シーズン、ブレンド割合によって、全く違うおいしさを、楽しめる飲み物だと言います。
杉下右京の紅茶のシーン。
『相棒』に登場した、紅茶のシーン。
紅茶に関しては、ドラマの中で何回か登場していますが、その中でも、
シーズン12の第13話『右京さんのお友達』
シーズン12の第13話『右京さんのお友達』では、紅茶が鍵となりて、事件が進みます。
右京さんの馴染みの紅茶店で、紅茶に詳しい毒島役の尾美としのりさんと、知り合います。そして、毒島から自宅アパートでの「お茶会」に招待されるのでした。
毒島は、杉下右京を和製シャーロックホームズ、相棒の甲斐亨をワトソン君と揶揄しています。
右京さんが毒島と知り合った紅茶店は、紅茶通なら、知らない人がいないと言う、実在のお店で、東京六本木にある『デンメアティーハウス』と言う、お店らしいのです。
【関連】
相棒Season12。第13話『右京さんのお友達』紅茶のお茶会。
シーズン13の第10話『ストレイシープ』
また、シーズン13の、第10話、元旦スペシャル『ストレイシープ』は、石田ひかりさんが演じる、西田悟巳が、不思議な魅力を持った女性として登場します。
彼女との出会いは、この紅茶専門店だったのです。にも関わらず、彼女は紅茶に詳しく無かったのです。
杉下右京は、そんな彼女に、いろいろ紅茶について語り聞かせていました。そんな時、彼女はいつも、幸せそうに微笑んでいました。
特に「ダージリン」と「アールグレイ」のブレンドについては、とても嬉しそうにしていていた、そんな、在りし日の彼女の回想を、杉下右京はするのでした。
組み合わせの良いブレンドティー。
「ダージリン」と「アールグレイ」のブレンド。
この「ダージリン」と「アールグレイ」のブレンドについては、「バルテュス」と言う名が付けられています。
これは、フランスの高名な画家、バルテュスが愛したブレンドだったようです。
バルテュス。
バルテュス(1908~2001)は、ピカソも高く評価していた画家で、ピカソは「20世紀最後の巨匠」と絶賛しています。
しかし、その画風は、異次元の世界での、少女のあどけなさと、エロティシズムを追求した作品で、称賛と誤解が入り混じった画家だったようです。
また、彼の奥さんは日本人だったのです。
ヒマラヤ山麓のダージリン。
ダージリン。
「ダージリン」は、インドのダージリン地方で収穫される茶葉で、「紅茶のシャンパン」と呼ばれ、世界3大茶葉の一つです。
ダージリン地方と言うのは、インド北東部にある、ヒマラヤ山脈の標高2,000mを超える高地で、急峰から谷底に至る斜面で、茶葉が栽培されています。
そのような地形から、寒暖差が激しく、それが要因で、霧が発生し独特の風味を、作り出しているようなのです。
収穫時期は年3回で、それぞれの季節で、特徴的で魅力ある茶葉が取れるようです。
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ファーストフラッシュ。
「ファーストフラッシュ」は、3月~4月に掛けて摘み取る1番茶。柔らかな新芽、緑色の茶葉、緑茶のような風味があります。
セカンドフラッシュ。
「セカンドフラッシュ」は、6月~7月に摘み取られる夏摘み。しっかりとした茶葉で、味。コク、香りのバランスが良いようです。
オータムナル。
「オータムナル」は、10月~11月の秋摘み茶で、収穫量は少なく、厚みのある葉で、芳醇な味わいと、深い甘みとコクが特徴です。
グレイ伯爵に由来する、アールグレイ。
アールグレイ。
一方、「アールグレイ」は、Earl(アール)伯爵、Grey(グレイ)名前の意味で、由来は、イギリスの元首相「グレイ伯爵」に、因んでいます。
この人は、1830年代に首相を務めた人で、第2代グレイ伯爵「チャールズ・グレイ」のことです。
アールグレイは、古くから愛されている定番のフレーバーティーで、ベルガモットの香りを付けた、伝統ある紅茶です。
ベルガモットの香り。
ベルガモットは、ミカン科の植物です。
ベルガモットは欧州では、日常的に使われる香料で、主な生産地は、イタリアや、アフリカのコートジボワールなのです。
また、アールグレイは、紅茶の種類では無く、ピーチティーや、アッピルティーのような、フレーバーティーの一種なのです。
アールグレイは、アイスティーで良く使用されるようですし、ミルクティーにしても、おいしく頂けるようです。
このような2種類の、「ダージリン」と「アールグレイ」を、ブレンドしたものが「バルテュス」になるようです。
杉下右京は、警視庁特命係の部屋で、お気に入りの茶葉を、ティーポットに入れて、ゆっくりと茶葉が開いてゆく時間を慈しみ、
そして、自慢のティーカップコレクションの中から、ティーカップとソーサを選び、あの、お決まりのポーズでお茶を注ぐ、そんな珠玉の時間を楽しんでいるのです。
【関連】
右京さんの好きなティーカップ。
高価なティーカップ。
ティーカップのことを調べて見ると、シーズン10では、大倉陶園の「スイートメモリー」The Okuraカップ&ソーサ― 44,000円(税込み)、
同じく大倉陶園の「ブルーインペリアル」カップ&ソーサ― 38,500円(税込み)が、さり気なく出ていたようです。
シーズン12の第13話では、ポットとカップは、ドイツのローゼンタール窯の製品と、大倉陶園の「クイーンズフルーツ」が、使われているようです。
その他、Noritakeの「ヘミングウェイ」「ハナリンス」「ロイヤルオーチャード」などのティーカップが、使われているようなのです。
この「ロイヤルオーチャード」は、万平ホテルで飲める、ジョン・レノンも愛した ミルクティーで、使用されているもののようです。
さすが、右京さんです。高価なティーカップ&ソーサ―を、警視庁特命係の部屋に、10客も密かに、持っているのですから。
これで、私の長年の未解決事案が解決されました。しかし、一客4万円ものティーカップを、普段使いで、使う事は、私には出来ません。
杉下右京の腕時計が気になります。
杉下右京はブリティッシュスタイルの、ダークスーツにサスペンダー、
腕に輝くのは、アメリカの歴史と共に歩んで来たブランド・ハミルトンの腕時計です。
1910年~1930年代に栄えたアールデコを取り入れた、クラシカルで趣深いモデル・ボストン(H13431553)。
センターセコンドではなく、スモールセコンドと言うクラッシックスタイルの腕時計で、さりげなくオシャレを演出していて、
何故か!気になって仕方がありません。
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「ドラマ『相棒』杉下右京の紅茶の博識。」への5件のフィードバック
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