『マネジメント』
ドラッカーの『マネジメント』は、今も多くに人に読まれいる経済書だと思いますが、
マネジメントと言うと、企業のための、金儲けのハウツー本だと、思われるかもしれません。
しかし、そこには「人間が幸せに生きてゆくため、幸せになるためには何が必要なのか」が、描かれているように思えるんです。
産業革命で、仕事のやり方が変わった。
イギリス産業革命。
産業革命は、鉄製品を中心とする工業製品を作り出し、
蒸気機関車、鉄道の発展に繋がって行き、イギリスは「世界の工場」と呼ばれるようになりました。
産業革命により、商品が大量に流通するようになり、
紅茶、砂糖、たばこ、綿織物などの商品が、大量に届くようになったのでした。
職人から労働者へ。
大量生産、大量消費時代の幕開け。
更に、大量生産、大量消費という構図が、出来上がって行きました。
それにより物の価格は下がり、多くの大衆が、安価で良いものが買える時代に、入って行ったのでした。
産業革命以前は、例えば、靴職人が自分で靴を作って、自分でその靴を売っていました。
それが、産業革命により、より安価で効率よく、靴を大量に売るためには、
それぞれの分野が分業して、生産、流通をするようになったのです。
靴のデザイナーが、形を考え、革職人が革をなめし、型紙に併せて切断し、靴の形に加工して製品いなります。
すると、流通形態も、運送業者がいて、卸売り業者が介在し、小売店の店頭に、靴が並ぶわけです。
産業革命によって、人が工場で働くようになった事で、就業時間が定着し、遅刻というペナルティが、発生したと言われています。
それまでの農村の仕事は、自然を相手にした仕事だったので、就業時間厳守の概念が、無かったからだと言います。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (新潮文庫) [ 岩崎 夏海 ]
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どこの会社に勤ている人なのか。
どこの組織に属しているがが重要な社会。
そんな、分業化された、現在の社会では、ほとんどの人が、何らかの組織に、属して働いています。
そうなって来ると、人々の関心事は、その人が、何の仕事をしているのではなく。
どこの組織に属しているかが、重要視される社会になったのです。
ドラッカーがいま、ビジネスパーソンに伝えたいこと [ 御手洗 昭治 ]
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組織が良くなれば、社会も良くなる。
日常の大半を過ごす組織が良くなると人は幸せになる。
そこで、ドラッカーは、社会の構成要素である組織に、目を付けたのです。
すべての財とサービスが組織で生み出され、その組織の中で、人々が働いているのであれば、その組織をより良いものにして行けば、組織の集合体である社会も、良くなるのではないかと。
私たちは、日常の大半を組織の中で過ごしています。
だから、その組織の中で、どう過ごしているかによって、幸福感が違って来るのだと思います。
その典型が「ブラック企業」と呼ばれる組織です。
企業の生産性を上げるためには、社員の犠牲もいとわないと言う、オーナーや上司の身勝手な振舞です。
こんな環境に身を置く社員たちが、財とサービスをより良く生み出す事が、出来るでしょうか。
だから、組織の運営の仕方が、人を幸せにも、不幸にもするのです。
その組織の運営の仕方、つまりマネジメントに、注目したと言って良いでしょう。
マネジメントの3つの役割。
そのマネジメントですが、ドラッカーは3つの役割があると説いています。
「自らの組織に特有の使命を果たす」「仕事を通じて働く人たちを生かす」「社会の問題に貢献する」
自らの組織に特有の使命を果たす。
1つ目の役割は「自らの組織に特有の使命を果たす」です。その組織がやるべきことを、遂行する事だと言います。
例えば、スーパーマーケットなら、新鮮で良い商品を、低価格で顧客に提供する事で、お客さまから、信頼される企業になる筈です。
家電製造会社なら、便利で安心して使える製品を、誰でもが買える価格帯で提供する事で、顧客の満足度が上がる筈です。
このように、その組織がやるべきことを、当たり前のように、やるべきだと言っているのです。
その組織が、本業を真剣に取り組むべきだとしているのです。
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仕事を通じて働く人を生かす。
2つ目の役割は「仕事を通じて働く人を生かす」です。これは、現代社会では、人は何らかの組織に属して収入を得ています。
そして、その組織とは、どのような組織に属しているかでは無く、何処の組織に属しているか、
つまり、何処の会社に勤めているかが、重要になっているのです。
人生の大半を過ごし、自分の人生を賭けて働く職場こそ、自己実現を果たせるような、仕組み作りが必要だと説いています。
働く人の得意分野を広げて、責任ある仕事を与え、成果をフィールドバックするような、仕組み作りが必要なのです。
すべての財とサービスが、組織から生み出されているとすれば、多くの人が働いている、
その組織を良くすれば、組織の集合体である社会も、いずれ良くなるという、考えを持っていたのです。
これこそが、「人が企業の財産である」と言う、基本理念でしょう。 社会の問題に貢献する。
ドラッカーの名言。会社は社会の公器
社会の問題に貢献する。
3つ目の役割は「社会の問題に貢献する」です。ドラッカーの有名な言葉に「会社は社会の公器である」とあります。
「会社とは社会から人材や資源を預かり、社会に必要とされるものを提供する、役割を果たすものである」
とも言っています 。
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「ピーター・ドラッカー『マネジメント』人を幸せにする経営 」への2件のフィードバック
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