さいとう・たかをゴルゴ13劇画201巻!ギネス世界記録と名言




さいとう・たかを『ゴルゴ13』劇画201巻!ギネス世界記録。

朝日新聞2021年7月9日に、《「ゴルゴ13」時代を描き201巻》が掲載され、長寿劇画作者の偉業が、紹介されていました。

さいとう・たかをさん作の長寿劇画『ゴルゴ13』が、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録に認定されました。

それは、これまでの世界記録だった、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』を超えたからでした。



『ゴルゴ13』シリーズ累計発行部数は3億部




201巻52年9ヵ月の偉業。

『ゴルゴ13』の連載期間は、2021年7月時点で、52年9か月となり、同一作家による連載漫画としては、日本で4番目の長さです。

『ゴルゴ13』は、1969年2月に第1巻「色あせた紋章」が発行された以後、

実際の国際情勢も反映させ、紛争・経済・科学などを織り込んだストーリーとして展開して来ました。

そして、2021年3月時点で、ストーリーは600話超、シリーズ累計発行部数は、3億部を突破しています。

『ゴルゴ13』は昭和43年、まだ子供向けの漫画が主流だった時代に、

編集部から「大人が読むに耐えられる主人公で作品を作って欲しい」と言われて、連載が始まりました。

連載開始時に作者は、最終回のコマ割りまで考えていて、当初は10話で終わるつもりだったそうですが、

ゴルゴが、気がつけば10年経ち20年経ち、50周年の時に、結構長く続けたなと思っていたら、

201巻でギネス世界記録認定と言われ、正直驚いておりますと作者は語ります。

ゴルゴ13 THE PRESIDENT~大統領~ (My First BIG) [ さいとう・たかを ]



「ゴルゴ13」ことデューク東郷




18ヵ国語に精通するスナイパー。

「ゴルゴ13」こと、デューク東郷がビックコミック(小学館)に登場したのは、冷戦期の1969年でした。

ゴルゴ13は、身長182㎝、体重80㎏、英語やアラビア語など18ヵ国語に精通し、寡黙な国籍不明の超A級スナイパーです。

作品のほとんどには狙撃の依頼者がいて、

コードネーム:ゴルゴ13(英称:Golgo 13、略称:G)こと、デューク東郷に、特殊な依頼ルートを経由して接触します。

ゴルゴ13は個人的ルールにそぐう場合にそれを請け負い、ひとたび請け負ったなら、いかなる困難があろうと完遂する。

これが、概ね一話完結の物語として、発表されているのです。

ゴルゴ13(19) (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]



ゴルゴ13のモデルは誰?




映画版主演の高倉健さん。

作者のさいとう・たかをさんによれば、連載当初のゴルゴ13の容姿のモデルは、映画版にも主演した高倉健だそうです。

また、他人が後ろに立つと殴る習性は、さいとうの兄が映画館から出てきた時に「足を踏まれた」と、

後ろの人を殴ったエピソードが元となっているようです。

連載開始当初はゴルゴ自身の台詞を多く記載していましたが、

「あまり喋らせるとボロが出るので」依頼人など、ゴルゴ以外の登場人物に、喋らせることにしたそうで、

ゴルゴの台詞は次第に減っていき(ふきだしは「…………」が多い)、寡黙なキャラクターが定着したようです。

また「東郷」という姓は、中学時代の恩師である、担任の教師から取っているそうです。

「ゴルゴ13」で読み解く! 昭和・平成ニッポン裏歴史 ~日本現代史13のミステリーの真相は?~ [ 小学館 ]


国際情勢を反映させ、紛争・経済にも。




初期の頃は東西冷戦のテーマが多い。

記念すべき第1話は、イギリス諜報部が、元ナチス親衛隊長の暗殺を、ゴルゴに依頼した「ビック・セイフ作戦」です。

初期の頃は、東西の諜報員の、人質交換を題材にした「色させた紋章」(1969年)や、

CIAが旧ソ連の軍人の暗殺を依頼する「テレパス」(1982年)など、東西冷戦対立にまつわるエピソードも目立ちました。

そして、1989年に東西冷戦が終結すると、「ゴルゴの仕事が無くなるのでは」と言われたこともあったようです。

しかし、ゴルゴは消えませんでした。

例えば「日・米コメ戦争 虎の尾を踏んだ男たち」(1991年)、「ゼロ・エミッション 排ガスゼロ」(1997年)、

鳥インフルエンザを取り上げた「世界的大流行」(2006年)などが、題材としてストーリー性を持たせたのです。

このような経済摩擦や科学、環境問題など時代に即応したテーマが魅力となって、読者を引きつけて来たのです。

ゴルゴ13(48) (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]



さいとう・たかをさんの生い立ち。




実家の理髪店で働き挿絵画家を目指す。

さいとう・たかをさんは、1936年5人兄弟の末っ子として和歌山県に生まれます。そして、中学卒業後、実家の理髪店で働き始めます。

将来の夢は挿絵画家でしたが、手塚治虫『新宝島』の影響を受け、貸本漫画家として1955年にデビューします。

1956年に、漫画に専念するため理髪店を辞めると、母親は激怒し、漫画を嫌うようになったと言います。

1958年に上京し、東京の国分寺に居を構えます。

1959年、劇画制作集団「劇画工房」を結成し、多数の貸本劇画短編集を出版しますが、

ギャラ配分などで揉めたため1960年に解散し、同年に「さいとう・プロダクション」を設立したのです。

貸本業界崩壊後、一般漫画誌に進出し、少年誌に冒険漫画やアクション漫画、ミステリー漫画などを掲載、

1968年に「ビッグコミック」に連載した『ゴルゴ13』は、52年以上となる長寿劇画となったのです。

ゴルゴ13(35) (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]



海外安全対策マニュアルにも貢献。




外務省からも依頼された。

ゴルゴの活躍は作品だけに留まらず、

外務省は中堅・中小企業向けの、海外安全対策マニュアル内の指南役として、ゴルゴを採用しています。

このため。企業の海外駐在員の中には、勉強のために、ゴルゴを読んでいる人も多いと言います。

最近では、サイバー攻撃を取り上げた「オクトパスの疑似餌」(2013年)のような作品も描かれています。

ゴルゴ13(41) (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]



周年の話題作から。

 1巻「色あせた紋章」

1969年2月作品 東側諜報員と西側諜報員の人質交換を描く。

ゴルゴ13(1)【電子書籍】[ さいとう・たかを ]

50巻「スリーパー・エージェント」

1980年11月作品 ポーランドに潜入しているCIA諜報員が登場。

ゴルゴ13(50)【電子書籍】[ さいとう・たかを ]

100巻「黄金の男」

1992年2月作品 ゴルゴがコロンビアの麻薬組織のボスを狙撃。

ゴルゴ13(100)【電子書籍】[ さいとう・たかを ]

 

150巻「宴の終焉」

2003年1月作品 CIAが政府のスキャンダルの証拠の処分を依頼。

ゴルゴ13(150) (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]


200巻「亡者と死臭の大地」

2014年1月作品 中国が「中央アフリカーナ国」の農業利権を狙う。

ゴルゴ13(200巻) 亡者と死臭の大地 (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]

201巻「最終通貨の攻防」

2014年11月作品 仮想通貨がテーマ。「オマハ大統領」「ハイデン副大統領」も登場。

ゴルゴ13(201巻) 最終通貨の攻防 (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]



ゴルゴ13の名言。




数々の名言をゴルゴ13が語っています。


『10%の才能と20%の努力 そして30%の臆病さ。残る40%は 運だろう・・・な』


『俺は本能的に 後ろに立つ者を排除する』


『俺がウサギのように臆病のせいでこうして生きている』


『利き腕を人に預けるほど俺は自信家じゃないだから握手という習慣も俺にはない』


『けっこうだ  俺はどこででも眠れる』


『 おまえ プロの掟を知っているな?プロは二重に仕事を引き受けないことだ』


『誇りは気高いが過剰になれば傲慢だ』


ゴルゴ13 165 (SPコミックス) [ さいとう・たかを ]





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