【お金の教科書】住宅ローンが延滞した。どうなってしまう?

 

住宅ローンが延滞したら。

住宅ローンの返済が滞ってしまう原因はいろいろあると思います。

会社を辞めてしまった。会社が倒産して失業してしまった。

病気になってしまった。事業に失敗してしまったなど、いろいろ、あると思います。要は、返済財源が無くなってしまったのです。

延滞になったら、どうなるのと思いますか。

銀行からの督促。

返済日に返済が出来ていない場合には、銀行から入金のお願いを、電話や書面で知らされる事になるでしょう。

これが、3ヵ月以上延滞してしまうと返済の督促電話や、書面が送られて来ます。

そのままにしていたら、どうなってしまうのでしょう。

銀行からの内容証明の送付。

内容証明郵便が、送られてくる。

すると、内容証明郵便で「本状到着後10日以内に、延滞している3ヵ月分の返済をしてください。

万一返済が行われない場合には、期限の利益を喪失しますので、残金〇〇万円と、遅延している延滞損害金を、

一括で返済してください。」と、言うような書面が届きます。

ローン契約者と銀行の間には、融資を受けるに際して「銀行取引約定書」と言う契約が結ばれて、融資が行われます。

この約定書の中で、30年の住宅ローンであれば、その30年間は一括返済を求めないとする、期限の利益が与えられています。

例えば、3,000万円の30年ローンを組んだ場合、毎月の返済日に、決められた返済額を返済している限りは、

ローン契約者に、期限の利益が与えられているので、それ以上の返済を、要求されることはありません。

住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本 [ 千日太郎 ]

 

 

期限の利益の喪失。

期限の利益喪失とは。

しかし、3ヵ月以上の延滞や、ローン契約者が倒産などをした場合には、

この期限の利益が無くなり、一括返済を、迫られる事になります。

このまま放置を続けた場合は、どうなるでしょう。

住宅ローンは銀行が融資を行いますが、この融資の保証人は、保証会社の保証が付いて、融資を受けているはずです。

3ヵ月以上延滞。

3ヵ月以上延滞して、ローン契約者が、返済する様子が無い場合には、銀行は保証会社に対して「代位弁済」の請求を行います。

これによって、銀行は保証会社から、融資残高金額の、代位弁済を受け、この資金で住宅ローンを完済します。

すると、住宅ローンの債権は保証会社に移り、今度は保証会社が、取り立てを行う事になります。

返済の交渉が不調に終われば、保証会社は不動産の、競売申請を行うかもしれません。

競売が始まると、裁判所が物件の査定し、競売最低価格が出て、その価格に沿って、入札が行われます。

競売で落札されてしまうと、落札金によって、住宅ローンを返済しますが、

それでも、住宅ローンの全額が、返済出来ない場合は、残金の返済を請求されます。

これに応じなければ、預金の差し押さえ、給与の差し押さえなどもあるでしょう。

元銀行員と借換え専門のコンサルタントが書いた住宅ローン借換えの教科書 [ 平山健介 ]

 

住宅ローンが延滞しても一人で悩まないで

住宅ローンが延滞したらすること。

では、どうすればよかったんでしょう。

Aさんは悩んでいました。勤務先の会社からリストラに遭い、退職せざるを得なくなったのです。

会社都合の退職であり、一定期間の失業保険は給付されますが、直ぐに求人活動を、始めなければと思っていました。

気掛かりなのは住宅ローンです。

上手く再就職出来たとしても、今までと同じ給与と、言う訳にはいかないと思っていたからです。

銀行に話して相談する。

悪い情報は早く伝える。

直ぐに銀行に行って、返済が難しくなる可能性が、有ることを伝えました。

銀行の担当者から、今後の家計の収支予想と、希望している再就職先の、給与額を聞かれました。

担当者から、再就職で、仕事が落ち着くまでは、

元金を据え置きをして、毎月利息だけを、支払うようにしてはどうかと提案されました。

住宅ローンの強化書 [ 田中 伸 ]

 

元金据え置き。

それには、保証会社の承諾が必要との事で、保証会社へ1年間の「元金据え置き」を申請し、10日後にその申請が許可されました。

1年間期限を延長したので、その分の保証料は、取られましたが、なんとか、利息分の返済は続けられました。

5ヵ月後、Aさんは前の仕事と、同じような職種の会社に、就職出来ましたが、

給与面では前の会社の、8割程度に、なってしまいました。

銀行の担当者を訪ね、現状を話しました。すると担当者から、1年間の元金据え置きが出来ているので、

今後7ヵ月間は、利息だけ返済して、その後、期限を少し延ばしては、どうかと提案されました。

住宅ローンの期限延長。

11ヵ月後、再度、銀行の担当者を訪ね、現状を報告し、改めて、住宅ローンの、期限延長を申請しました。

給与が前勤務先の8割になってしまったので、

今後も、無理なく返済してゆくには、返済比率25%以内に、抑えた生活をしたいので、協力して欲しいとお願いしたのです。

2週間後、銀行から回答がありました。借入期間を3年延長すると伝えられました。

その時担当者から「正直にお話し頂いたので、良い結果になりました。」と言われたのでした。

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