斎藤道三の「尾張潜入指令」。
『麒麟がくる』は第4回「尾張潜入指令」です。
尾張の織田信秀(織田信長の父)と、駿河の今川義元は対立していて、常に争いが絶えない状態でした。
こんな争いが絶えない中で、更に、尾張と今川の戦があり、
この戦いでは今川勢が優勢となり、尾張の織田信秀は、這う這うの体で、逃げ帰って来たのです。
情報を制する者が、戦いを制する。
美濃のマムシの欲しいもの。
この状況を見ていたのが、美濃のマムシこと、斎藤道三でした。
道三にとっては、宿敵の高橋克典さんが演じる、織田信秀方の情 報は、喉から手が出るほど、手に入れたい内部情報だったのです。
そこで道三は、斎藤道三の正妻、小見の方の治療のために、京から呼び寄せていた、京の名医、望月東庵による、正妻小見の方の治療が一段落した事に目を付け、
望月東庵に尾張に行って貰い、織田信秀の動向を自分に教えろと迫るのでした。
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「望月東庵の首を切れ」と道三が発した。
望月東庵がそれを拒むと、明智光秀に東庵の首を切れと命じたのです。
やむなく、東庵が織田信秀の情報を教えると回答すると、
京から一緒に連れて来た、東庵の助手の駒を人質にしておくことを条件に、東庵を尾張に行かせたのでした。
尾張の織田信秀に面会した東庵は、今川勢との戦いで、左肩に矢を受け、
その影響で織田信秀の体調が優れないことを、明智光秀に伝え、それが、斎藤道三の知るところとなったのでした。
さて、この後、道三はどうするのでしょう。
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戦はどう戦えばよいのか。
究極の戦い方を示した書物。
戦は、両軍が相まみえて、戦うばかりが戦ではありません。戦わずして、勝利を挙げることが出来れば、それに越したことはありません。
それこそが、究極の戦い方なんじゃないでしょうか。そんな戦い方を編纂した書物があります。
それが『孫子』の兵法です。では、その戦い方とは、どんなものなのでしょう。
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2,500年前の『孫子』の兵法。
「百選百勝は、善の善なるものにあらず」
「百選百勝は、善の善なるものにあらず」これは『孫子』に記された言葉で、『孫子』の根幹とも言える言葉です。
『孫子』は、紀元前500年頃の、中国春秋時代の軍事思想家、孫武の作とされる兵法書です。
今から2,500年も前に、既に戦争のための、兵法に関する書物があったんです。
戦わずして勝には、どうすればよいか。
百選百勝の意味は、「百回戦って、百回勝ったとしても、褒められたものではない、最も望むべきものは、戦わずして相手を屈服させることだ」と言うのです。
武力を持って、戦いに挑んでも、結果として、味方にも、多くの被害が出るのであれば、それは、再考する必要があります。
出来る限りの知恵と、情報収集を行って、相手を内部崩壊させてしまえば、戦に勝つことは、容易なのだと説いています。
戦国時代にも、この戦法は生かされ、豊臣秀吉が川の流れを変えて、敵の城を水攻めにし、戦わずして、降伏させた戦い方は有名です。
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『孫子』は、非好戦的で現実主義。
長期戦は戦力も、国力も消耗する。
『孫子』の全般的な考え方の特徴は、非好戦的で、戦争を簡単に起こすことや、長期戦による戦い方をする事による、国力消耗を戒めています。
また、現実主義的な考え方もしていて、緻密な観察眼に基づき、戦争の様々な様相を区分し、それに対応した戦い方を、促しているのです。
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彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。
相手を知り、己を知れ。
「彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず」これは「相手を知り、自分を知れば、負けることはない」となるとしています。
これなどは、現代のビジネスシーンに置き換えれば、自分を知ることで「自分の強み」を見出し、
自分の得意分野で勝負をすることで、その成果を、より大きく、更に早く、生み出すことに、なるのではないでしょうか。
戦国時代の武将たちは、戦の中で生きていて、どんな戦法が、より効果的かを、常に考えていたのでしょう。
そして、情報戦が、より大きな成果を上げる方法である事を、斎藤道三は熟知していて、多方面にその触手を伸ばしていたのでしょう。
それが、美濃のマムシの、斎藤道三たる、所以なのかもしれません。
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「『麒麟がくる』ネタバレあらすじ4話尾張潜入指令と孫子兵法」への1件のフィードバック
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