『麒麟がくる』は、戦国初期の群雄割拠の戦乱の中で、各地の英傑した武将たちが、
天下を狙い、命を懸けて戦い、戦国時代を生きている様を描いています。
このドラマに重厚感を与えているのが、語りと音楽です。 語りは、歌舞伎俳優の市川海老蔵さん。
音楽は映画「キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV」などで知られる、アメリカの作曲家ジョン・グラムさんです。
第31話。逃げろ信長。
信長は語ります。「天下静謐の、勅命を頂いたのじゃ、帝さまから…」朝倉義景を討つため、織田信長は3万の兵を従え、越前を目指します。
この戦いには三河の徳川家康(風間俊介さん)、摂津の池田勝正、大和の松永久秀(吉田鋼太郎さん)など、
名だたる武将が一堂に会し、若狭・国吉城に集結したのです。
信長が発します。「我々はこれより越前へ向かう、朝倉を討つ!」織田方の軍勢は、敦賀を2日間で手に入れたのです。
武将たちが、初戦での祝宴を上げるなか、徳川家康はこの戦いが、
「戦いのない世を造るために戦うことなのだと、禅問答のように時々考える。その時まで、どれだけ、戦いを続けなけらばならぬ」と、戦いのない世を望んでいたのです。
浅井長政の裏切り。
この戦いは、初めこそ、勢いに乗っていた織田軍が優勢でしたが、
織田信長の妹・お市(井本彩花さん)の、嫁ぎ先であると、心を許していた浅井長政から、裏切られる事態になったのです。
左馬助からの文で、浅井長政の動きを知った光秀は驚き、すぐさま信長に報告します。
浅井長政が兵を連れて、小谷城から出たことを聞かされた信長は、すぐには意味が分からず、
「解せぬ、解せぬ」と発していましたが、次第に顔色を変え「何故じゃ、何故、長政が!」「まさか……わしを……?」と呟いたのです。
「わしは、帝に褒められたのだ、当代一の武将だと…」
浅井長政の裏切りで、このまま、この地に留まれば、朝倉・浅井、双方からの、南北の挟み撃ちに合ってしまいます。
いかに、信長軍が大群であろうとも、勝ち目はないために、光秀は撤退を促します。
しかし信長は、帝から、当代一の武将と褒められた自分が、ここで、逃げることなど到底できないと考え、光秀を勢いよく蹴り飛ばします。
「金ケ崎の退き口」
わしは逃げる。
光秀は床に頭を擦り付けて「織田信長は死んではならんのです。お願い申し上げます。」と必死に懇願したのです。
すると信長は「一人で考える。先に戻っておれ」と促し、信長は口惜しさのあまり顔を歪め、真っ赤な目からは涙を流し、大きな唸り声を上げ苦しんだのです。
そして、武将たちの前に出ると、浅井長政が兵を挙げ、織田軍を挟み撃ちにするつもりであることを冷静に伝えると、
「わしは逃げる」と発したのでした。
こうして、織田信長は、撤退戦を強いられます。これが「金ケ崎の退き口」(1570年、元亀元年)と言われているものです。
木下藤吉郎のしんがり。
朝倉攻めからの撤退を、余儀なくされた信長を守ったのは、明智光秀と、木下藤吉郎だったのです。
この撤退戦を任されたのは光秀でした。すると、藤吉郎が自分も織田軍を守る、しんがりを務めさせて呉れと懇願します。
虫を掴み、「羽があるのに、飛ぶことを知らない」と、その虫を、比喩を交えながら、自分の身の上話をする藤吉郎でした。
いかに苦しい中を生き抜き、千人の足軽を預かる身にまでに、成り上がった事を語り、さらに「わしにも羽はある、わしは飛ばぬ虫で終わりたくわない」と土下座し、
しんがりに入れて呉れと懇願し、額に土をつけて鼻水を垂らしながら「藤吉郎、本望である」と発したのでした。
そして光秀と藤吉郎は二手に分かれると、退却する織田軍の、本隊の最後尾を陣取り、襲撃してくる浅井・朝倉軍を討ち払ったのでした。
この戦で、明智光秀と木下藤吉郎が、頭角を現すことになったのです。この2人は信長を守るため、立派に働きをしました。
特に光秀は、本来、幕臣でありながら信長の事実上の家臣として、信長の良き助言者となり、
戦についても進言、ときには信長を慰め励ましていました。
そして、光秀は今までは、戦にならないようにして来たけれど、
「戦のない世を造るために、今は、戦をしなけらばならないのだ」と、思うようになったのでした。
信長に自信を付けた光秀。
京の妙覚寺に光秀が帰還します。すると、信長は誰にも会わず、落ち込んでいたのです。
「帰蝶からの文じゃ、此度の越前攻めは、大きな戦、勝ったのか、負けたのか、早く知らせて呉れと…、なんと書けばいいのだ、負けたと書けばよいのか」
「御所にも、行かねばならぬ、帝にはなんと申せば良いのか」
すると、光秀が語り掛けます。
「信長さま、この十兵衛、此度の戦、負けとは思っていません。信長さまが生きているのなら、次がある。次がある限り、やがて大きな国をも造れる。そうして、そこのは麒麟がくると」
そして「麒麟の声を聞いたような気がする。信長には次があると」と、言ったのです。
信長は「そうか、声を聞いたのか、面白いな十兵衛!」
信長は、無傷で3万の兵を引き連れて帰った。信長が生きて帰った、次があると!
「『麒麟がくる』ネタバレ名言セリフ第31話~逃げろ信長!」への2件のフィードバック
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