『麒麟がくる』第43話。闇に光る樹~大樹を斧で切り倒す夢。




『麒麟がくる』第43話。闇に光る樹。

天正7年。夏。明智光秀は、ついに丹波平定に成功します。

敗戦の武将たちを前に、平穏的に城を明け渡して呉れた事と引き換えに、命までは取らないと話し、

その旨を信長に伝えるとして、敗戦の武士を信長の元に送ったのでした。

しかし、近江の安土城で、信長と対面した光秀の元へ、森蘭丸が運んで来たのは、敗戦の武将たちの、塩漬けされた、首だったのです。

丹波平定で、有頂天の信長は「今宵は天守で宴じゃ」と発します。

それを見ていた秀吉は「近頃の上様は、何やら焦っておられる」


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帝を換えたがる織田信長。



我が殿の大きな誤り。

信長はこの丹波平定の功績に、大いに喜び「従五位上」という官位を授けて貰えるよう、朝廷に願い出るのでした。

東宮(加藤清史郎さん)を、帝にしようとする気持ちは依然として変わらず、

二条に作った住まいに、東宮を移し、新たな朝廷を造ろうと、企んでいたのです。

御所替えの奉行を、申し付けられた光秀と細川藤孝(眞島秀和さん)は、この行き過ぎた行動に疑問を呈して、

「これは、我が殿の大きな誤り、止めるぞ… 何かが変わった」と、光秀は発します。

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闇に光る樹を切り倒す光秀の夢。




大樹を斧で切り倒す夢。

このところ、光秀は毎日のように同じ夢を見続けているのです。

「同じような夢を見ている。月まで届く大きな樹を切る夢。その木に登って月に行こうとしているのが、どうやら、それは信長さまのような気がしてならない。

昔の話で、月に登った者は二度と戻らぬと、夢の中で分かっていて、その樹を切り続けている。このまま同じ夢を見続ければ、儂は信長様を……嫌な夢じゃ」と呟くのでした。

その夢は、大きな樹を登って、月を目指す信長を阻止するため、斧で樹を切り倒すというものでした。

光秀は夢の中の自分が、信長が命を落とすと知りつつ、樹を切り倒そうとしていることに、恐ろしくなっていたのです。

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帰蝶が放った信長への対処法。




光秀が求めた帰蝶の考え。

光秀は目の治療のために、京を訪れていた帰蝶に会いに行きます。その席には、今井宗久が居て、茶を点てていました。

「目の病とお聞きしましたが」

光秀は、斎藤道三の娘ゆえ、性格も考え方も父親とよく似た帰蝶を頼り、今の傍若無人な信長に対しての、意見を求めようとしていたのです。

「道三様なら、どうなさいましょう」と、問う光秀に対して、帰蝶は思いつめた表情で、

「父に成り代わって答えよう。」と、発しました。

その時、居合わせた今井宗久は、その帰蝶の答えを、

「聞きたくもあり、聞きたくもなし。私はあちらの部屋で、耳をふさいでおりますから」と退室したのです。

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帰蝶の出した答え。




これが父上の答えである。

そして、帰蝶は「毒を盛る。信長様に」と答えたのでした。「父上なら、十兵衛の道が開けるのなら…」

新たな世を作るために、共にやってきた信長に毒を盛るのは、光秀にとっては、己に毒を盛ることに等しい事でした。

しかし、今の信長を造ったのは、道三と光秀なのだから、

自らが責任をもって始末をするしかない、それが道三の考えだと、帰蝶は説いたのです。

「違うか、これが父上の答えである、違うか。」

帰蝶は目に涙をため、「私は、そう答える父が大嫌いじゃ」と嘆くのであった。

それに対して光秀も、「私も大嫌いでございました」と答えたのです。

そして、立ち上がった帰蝶は、夕暮れの庭を眺め「日暮れになると、見るのが定かでなくなる」と、ため息交じりに呟いたのでした。

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家康が甲斐の武田を打ち破る。




天正10年、信長軍と家康軍は、甲斐の武田勝頼を討ち取り、甲斐は滅んだのでした。

家康に光秀は戦について、「駿河を治めるには、どのようなことをしたらよいか。どうすれば国が落ち着くか教えを願いたいのですが」と尋ねます。

それに対して光秀は、「戦は他国の領地を奪うことから始まります。己の国が豊かであれば、他国に目を向けない」と言ったのです。

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家康の戦勝祝いで信長が仕掛けた罠。




光秀と信長に決定的な溝が生まれる。

信長は、家康を招いて戦勝祝いをする計画を立てていましたが、それを家康側に伝えたのが、信長の側近の森蘭丸でした。

森蘭丸は信長に、家康が饗応役に、光秀を指名していることを報告します。

家康は宴で、毒を盛られることを恐れていたのでした。戦勝祝いの日、近江の安土城を家康が訪れます。

光秀は信長に申し付けられた毛利攻めを断り、饗応役として留まっていましたが、これが信長の機嫌を損ねることになり、

いざ宴が始まると、信長が急に「膳が違うぞ」「品数が足りん」と言いだし、光秀は理不尽な叱責を受けるのでした。

家康が、これで十分と言っても、これでは面目が立たないと言う信長の元から、

慌てて膳を下げようとする光秀でしたが、慌ててしまい、お椀の中身をぶちまけてしまい、信長の怒りは頂点に達します。

そして、光秀の首に扇子をあて、「十兵衛、下がれ!」と足蹴(あしげ)にする信長だったのです。

そして、森蘭丸の「上様に粗相をなさったな。無礼であろう」との一言が、光秀の心に火に油を注ぎ、

光秀は蘭丸の体を払い、般若のような形相で、信長をにらみつけたのです。

そして、光秀は、心の中の光る樹に向って、斧を振りかざすのでした。

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