村上春樹さんの短編小説が原作!映画ドライブ・マイ・カー




村上春樹さんの短編小説が原作、映画「ドライブ・マイ・カー」

濱口竜介監督の映画「ドライブ・マイ・カー」は、2021年の第74回、カンヌ国際映画祭の、コンペティション部門に出品され、

脚本賞のほか、国際映画批評家連盟賞など、4冠を達成する快挙を果たし、

2022年のアカデミー賞、4部門にノミネートされ、国際長編映画賞を受賞しました。

村上春樹作品ランキング

村上春樹さん原作ドライブ・マイ・カー

この映画の原作は、村上春樹さんの短編集『女のいない男たち』(2014年)収録の中の、「ドライブ・マイ・カー」が原作です。

この短編集は、緊密に組み立てられており、それぞれの作品同士が、響きあう短編小説集になっていて、

「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」「女のいない男たち」の6編は、

それぞれが、はっきりとしたストーリー・ラインを持ちながら、その描写は、人間の微細な機微に触れています。

映画では、「ドライブ・マイ・カー」に、

「木野」と「シェエラザード」のエピソードも交えて、監督の濱口竜介さんと、大江崇さん允が脚本を書いています。

この作品は、妻を突然失い、喪失感を抱えながら生きる、主人公の西島秀俊さんが、

ある女性との出会いをきっかけに、新たな一歩を踏み出します。

歌手で女優としても活動する、三浦透子さんが、寡黙な専属ドライバーのヒロインを演じ、

主人公の妻役の、霧島れいかさんや、岡田将生さんらが共演しています。

女のいない男たち (文春文庫) [ 村上 春樹 ]



ドライブ・マイ・カー」あらすじ

脚本家である妻の音(霧島れいかさん)と、幸せな日々を過ごしていた、舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊さん)でしたが、

妻はある秘密を残したまま、突然この世から消えます。

2年後、家福悠介はある演劇祭で、演出を担当することになり、愛車のサーブで、広島に向かうことになります。

家福悠介は、台詞の練習をするために、舞台に出演する時は、車を運転して、仕事場まで行っていましたが、

接触事故を起こし、運転免許停止となってしまいます。

更に、目の検査で緑内障の徴候が見つかり、事務所からも運転を止められるのでした。

そのため、自動車修理工場の経営者である大場が、運転手として、若い女性を推薦して呉れます。

そこで出会った、寡黙な専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子さん)と、時間を共有するうちに、

家福悠介は、それまで目を向けようとしなかった、あることに気づかされるのです。

【映画パンフレット】 『ドライブ・マイ・カー』 出演:西島秀俊.三浦透子.岡田将生



短編集『女のいない男たち』

この映画の原作となった「ドライブ・マイ・カー」は、

『女のいない男たち』と題して、文藝春秋で連作された、短編小説の1作目です。

後に、同作を含む6編を収録した短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫刊)として発売されました。

この小説集は、バラク・オバマ元米大統領が「2019年のお気に入りの本」に、挙げたことでも話題になりました。

映画化に際しては、「ドライブ・マイ・カー」とともに、

同短編集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも反映されていて、

「シェエラザード」からは、音と名づけられた、家福悠介の妻の人物像を、立体的にするために、

そして「木野」からは「ドライブ・マイ・カー」(原作)で、家福悠介が向かう“その先”を指し示していると、濱口監督は感じとったようです。

同2作のモチーフを使用するため、

濱口監督は手紙で、村上春樹さんに打診を行い、原作者から、問題なく許可が、下りているそうです。

ドライブ・マイ・カー グッズ 西島秀俊 映画ポスター フレーム別 おしゃれ 大きい アート インテリア デザイン /イタリア版 大判サイズ 片面 オリジナルポスター



愛車「サーブ900」の存在感


家福悠介の愛車として登場する「サーブ900」は、主要登場人物のひとりと、言ってもいい存在です。

スウェーデンの航空機メーカー「SAAB(サーブ」が、1937年に設立した、自動車部門のブランドで、

当時は航空機のフォルムを応用した、独創的なデザインや機能が、話題となりました。

日本では1980年代に、輸入されて人気を博しましたが、2017年にブランドが消滅し、約70年の歴史に、幕を下ろしています。

原作小説での設定は、黄色の「サーブ900コンバーチブル」ですが、

映画では、風景の映える赤い車体の「サーブ900ターボ」の、サンルーフが使用されています。

女のいない男たち (文春文庫) [ 村上 春樹 ]



ビートルズの「ドライブ・マイ・カー」



この作品のタイトル「ドライブ・マイ・カー」は、

ザ・ビートルズ 6枚目のスタジオアルバム「Rubber Soul」(1965年) に収録されている曲です。

村上作品には、ビートルズの曲名のタイトルが、よく使われてます。

村上春樹さんの代表作『ノルウェイの森』もそうでしたし、この作品でも存在感があります。

ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [ 西島秀俊 ]



「ドライブ・マイ・カー」歌詞の意味と和訳


ビートルズの「ドライブ・マイ・カー」では、

歌詞には、映画スターを夢見る女性と、彼女から「運転手にしてあげる」と、言われた男のやりとりが描かれていて、

二人の軽快なノリは、聴いている側もポジティヴになる曲です。

Written By Lennon-McCartney (Paul McCartney)


Asked a girl what she wanted to be
She said baby, “Can’t you see
I wanna be famous, a star on the screen
But you can do something in between”

あの娘に聞いたんだ「君は何になりたいの?」
彼女はこう答えた「わかるでしょ?
私は有名になって、映画スターになるの
でも、あなたにもできることがあるわ」

Baby you can drive my car
Yes I’m gonna be a star
Baby you can drive my car
And maybe I love you

「あなた、私の車を運転しなさいよ
そうよ、私はスターになるわ
あなたは車を運転するの
そしたら、あなたの事好きになるかも」


【輸入盤】Rubber Soul (Ltd) [ Beatles ]

【おすすめ】

三浦しをん『舟を編む』小説・映画のあらすじと名言