『星の王子さまミュージアム』。
これは、数年前に箱根に行った時の話です。
小田急ロマンスカーの終点、箱根湯本駅から、箱根登山鉄道で45分、
強羅駅でバスに乗り換えて18分、箱根町仙石原にあるのが「星の王子さまミュージアム」です。
ロマンスカーの中で、少しビールを飲み過ぎたようで、登山鉄道に乗車中は、寝っぱなしの状態でした。
それなので、折角、「箱根駅伝」の踏切を、見て置きたいと思ったのですが、残念な結果になってしまいました。
『星の王子さまミュージアム』の世界観。
TBSが運営していた。
「星の王子さまミュージアム」は、サン・テグジュペリ生誕100周年を祝して、
記念事業の一環として「星の王子さま」の世界観をテーマにして作られています。
そして、ここのミュージアムの運営は、TBSが行っているようなのです。
開園は1999年6月なので、今年で、丁度、開園20年周年になります。
星の王子さまは薔薇と喧嘩して飛び出した
ペーパーバックの『星の王子さま』。
初めて『星の王子さま』を読んだのは、英語の授業で、参考図書として、この本が取り上げられたからでした。
英語版の薄い本でしたが、辞書と「にらめっこ」でページをめくった覚えがあります。
その物語は、飛行士の「ぼく」がサハラ砂漠で遭難した際に、小惑星「B612」に、一人で暮らしていた王子が、
薔薇とのいさかいが原因で、その星を飛び出して、星から星へと旅をして、
地球にやって来た、思い出を語る物語です。
憧れの操縦士となったサン・テグジュペリ
そんな思い出を持って出かけたミュージアムには、
サン・テグジュペリの写真や手紙、愛用品などが資料として展示され、彼の生涯が紹介されていました。
作家、飛行家のサン・テグジュペリ。
サン・テグジュペリは、フランスの作家で、飛行家でもありました。
彼の代表作『星の王子さま』は。1943年にニューヨークで出版されました。
その後、『星の王子さま』は、300以上の国や地域の言語に翻訳され、
発行部数は2億冊を超えると言われる、ロングセラーになっているのです。
陸軍飛行連隊のパイロット。
サン・テグジュペリの生い立ち。
作者の、アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリは、1900年6月29日にフランスのリヨンで生まれ、
幼少期より飛行士に憧れて、兵役に志願し、陸軍飛行連隊に入隊し、軍用機操縦士として活躍し、
退役後も民間飛行士として活躍しました。
軍隊に属しながら26歳で作家デビューして、その体験をもとに、『南方郵便機』1929年刊行、
『夜間飛行』1931年刊行、『人間の大地』1939年刊行、などを出版したのです。
1939年第二次世界大戦に召集され、ドイツ軍のフランス侵攻を受け、アメリカへ亡命し、
ニューヨークで『星の王子さま』を執筆し、1943年に出版されたのです。
王子さまとキツネの会話の中の言葉。
『星の王子さま』の中で、サン・テグジュペリがこんな名言を、王子さまとキツネの会話の中で、キツネに言わせています。
「大切なものは、目に見えないからね。」
この言葉は、『星の王子さま』の作品の中でも、象徴的な言葉だと思います。
人は目に見えるものを大事にしますが、本当に大切で大事なものは、目に見えない心の中や、気持ちの中にあって、
人を思いやる気持ちや、助け合う心、人への感謝の思いなど、目には見えませんが、
大切にしなければならないものが、たくさんあるのです。
「君がバラのために使った時間が長ければ、長いほど、バラは君にとって、大切な存在になるんだ。」
どれだけ相手を思いやる気持ちがあるのか、そんなことを言われているような言葉です。
あなたの大切な人のために、どれだけ時間を使えますかと、問いかけているんです。
戦争に翻弄されたサン・テグジュペリ。
戦場で消えた、サン・テグジュペリ。
その後、自ら志願して。北アフリカ戦線に赴き、偵察部隊に着任するも、
1944年7月31日、地中海コルシカ島から、偵察飛行に飛び立ち、そのまま消息を絶ったのでした。
ミュージアムには、サン・テグジュペリの操縦士姿の写真があって、
兵役に従軍し、飛行士として、命と向き合う仕事をする、サン・テグジュペリと、
『星の王子さま』と言う、メルヘンを執筆している、サン・テグジュペリが、奇妙に遭遇していました。
それと同時に、今から74年前に第二次世界大戦が行われていて、
ヨーロッパや日本が戦場となり、多くの犠牲者がいたことと、現在の平和のありがたさを、思い知ったのです。
ミュージアムは、エントランスを入ると、
ヨーロピアンガーデンに、サン・モーリス・ド・レマンス城に、今も残る教会が再現されていました。
ローズガーデンに花々が咲きほこり、クリスマスローズの花園には『星の王子さま』の彫像が建っていました。
軍事パイロットと『星の王子さま』
戦争に命を懸けた人生。
『星の王子さま』と言う事で、メルヘン感覚で出掛けて見ましたが、
その作者の背景には、第二次世界大戦と言う、悲惨な戦争がありました。
そして、サン・テグジュペリの人生に、「戦い」と言う、命を懸けた人生があったことに再認識したのです。
その日は、その後、芦ノ湖に行き、芦ノ湖の見える湖畔のホテルに泊まりました。
そこの露天風呂から、立ち上がる湯気の向こうに、夕暮れに染まる芦ノ湖を、静かに渡る船がおぼろげに見えて、
たまには、箱根も、いいものだと思ったのでした。
「【人生の名言】サン=テグジュペリ『星の王子さま』の言葉。」への4件のフィードバック
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