読みだしたら止まらなかった『竜馬がゆく』。
私が『竜馬がゆく』を読んだのは、サラリーマンになり立ての頃でした。
全8巻ある文庫本の、第1巻を買う時に、果たして、8巻まで読めるだろうかと、悩んだ記憶があります。
でも、読みだしたら、そんな懸念が払拭され、物語の世界に入り込んで行って、一気に読み終えたのです。
どのぐらいの時間が掛かって、読み終えたか覚えていませんが、その後は、読み返す事はありません。
司馬遼太郎が描く坂本龍馬の世界。
司馬遼太郎の絶妙な表現力。
よく、覚えているのは、竜馬がお酒を飲む件(くだり)が、たびたび出て来るんです。
司馬遼太郎の絶妙な表現力で、竜馬が、実においしそうに、お酒を飲むのです。
当時、帰宅途中の電車の中で読んでいて、あまりにおいしそうに飲む描写なので、
電車から降りると、駅前の焼き鳥やに、駆け込んだ記憶があります。
いまだに、一人でお酒を飲みに行く習慣がないので、
あの時は、完全に司馬遼太郎の世界に、入り込んでいたんだろうと思います。
学生時代に友人の一人が、土佐料理店でバイトをしていて、良く仲間たちと、そのお店に行くことがありました。
土佐のご当地料理と旨い酒「司牡丹」。
「皿鉢料理」と「司牡丹」。
土佐料理と言えば「皿鉢料理」です。カツオのタタキや寿司を、有田焼や九谷焼の大皿に乗せ、
その周りを「組み物」と言われる、揚げ物や煮物などを盛りつけたもので、
土佐では元々、家庭での宴会や、法事でふるまわれていたようです。
皿鉢料理が出て来ると、その豪華さに驚いたものでした。
今、思い返すと、貧乏学生が、良くそんなところへ、何回も行けたものだと思います。
そしてお酒です。仲間の一人が、良く言っていました。「土佐と来れば司牡丹でしょう!」
その時、龍馬の話をしたか否か、記憶がありませんが、
歴史好きな男がいたので、たぶん龍馬を肴に、酌み交わしていたんだろうと思います。
今でもたまに、司牡丹を、飲んで見たいと思う事があります。
誰と飲みたいだろうか考えていた時、こんなサイトを見つけました。
坂本龍馬と織田信長。
お酒を一緒に飲みたい歴史上の人物 。
2010年にリリースされた、アサヒビールの「お酒を一緒に飲みたい歴史上の人物 」の調査で、
人気No1は、坂本龍馬でその数値は21.6%、2位の織田信長が9.7%なので、ぶっちぎりの一番だそうです。
やはり、坂本龍馬とは、天下国家を論じながら、司牡丹を飲むのが良いのでしょうか。
織田信長とは、天下統一を論じながら、安土城の天守閣で、南蛮由来のワインでしょうか。
坂本龍馬は、幕末のスーパーマン。
坂本龍馬は、土佐脱藩の志士で、黒船来航に衝撃を受け、勝海舟に師事し、
軍艦を手に入れようと奔走、薩長同盟に尽力し、日本の近代化を見据えていました。
幕末の時代、交通手段は徒歩か馬、船ぐらいでしょう。そんな中で、龍馬は東奔西走しています。
すごい行動力です。更に交渉力が凄すぎます。
現在のサラリーマンはここまでやっているんでしょうか。私にはとても無理です。
正に幕末のスーパーマンです。並みの、行動力、判断力、交渉力では無いんです。
日本人の好きな歴史上の人物は。
日本人の好きな歴史上の時代は、戦国時代と幕末だと言われています。
戦国時代は、多くの武将が群雄割拠し、国盗り合戦に奔走しました。
幕末は、黒船来航に代表されるような、外国からの脅威に、如何に対処するかで、奔走しました。
坂本龍馬と織田信長。
坂本龍馬と織田信長は人気が高い。。
「歴史上好きな人物調査」で、坂本龍馬と織田信長は、常に上位を二分しています。
正に、戦国時代と幕末を代表する英雄なんです。
私たちは司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に、あまりにも影響を受けていて、小説の世界と歴史上の龍馬を、混同しているんでしょうか。
司馬遼太郎が執筆するためにしたこと。
司馬遼太郎の竜馬像。
司馬遼太郎は『竜馬がゆく』の執筆にあたり、神田神保町の古本屋街に行ったそうです。
そこで、複数の古書店から、ワゴン車1台分、
当時の価格で1,400万円もの古書、古文書を購入して、『竜馬がゆく』の執筆にあたったそうです。
竜馬の名言。
『竜馬がゆく』のなかで、司馬遼太郎は竜馬に、こう言わせています。
「男子はすべからく、酒間で独り醒めている必要がある。しかし、同時に、大勢と一緒に酔態を呈しているべきだ、でなければ、この世で大事業は成せぬ」
酒間とは、酒宴、酒のうたげ、宴席と言う意味でしょう。
たぶんこれを現在の会社で考えると
「責任ある者は宴席では、冷静に状況を見ている必要があるが、
部下や仲間たちと、楽しく酒を飲んで、胸襟を開ぐらい出来ないようでは、
社員は付いてこないし、会社は発展しないよ」と言っているのでは、ないでしょうか。
飲みにケーション。
若者が酒離れの現代でも、親しくなる一つの方法が「飲みにケーション」です。
夜の居酒屋が、多くのサラリーマンたちの、ストレス発散の場になっている事は、間違えないでしょう。
状況を見据えて、胸襟を開いて、天下国家を論じて、龍馬は、司牡丹を、飲んでいたのでしょうか。
やはり、龍馬には酒が良く似合います。
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「司馬遼太郎『竜馬がゆく』坂本龍馬が旨そうに酒を飲む小説。」への5件のフィードバック
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