ロシア.サンクトペテルブルグは18世紀の不思議な街並み。

 

深夜のサンクトペテルブルク。

サンクトペテルブルクに着いたのは、モスクワで国内線に乗り換えて、深夜の0時を既に、回っていました。

ホテルまでのバス移動で驚いたのは、深夜にも関わらず、

サンクトペテルブルクの、深夜の幹線道路が、凄い数の車が、行き交っていたからでした。

自分のあいまいな先入観で、ロシア帝国時代の、落ち着いた雰囲気の街なので、

静かな佇まいの街と、勝手に思い込んでいたことが原因でした。

眠い目を擦りながら、深夜の街並みを見ていると、バスは次第に、サンクトペテルブルクに近づいて行くのでした。

18世紀、19世紀、20世紀の街並みの出現。

18世紀の街並み。

バスは空港から、深夜のサンクトペテルブルクの街並みを進むと、いくつかの運河を超えて行きました。

すると、そこに、18世紀の街並みが、出現したのです。

深夜の漆黒の中で、街灯や、街明かりの光で現れた、石造りの市街地は、正に、ヨーロッパの街並みでした。

街灯や、街明かりの元で、深い歴史を感じつつも、石造りの建物の窓からは、

柔らかな光が、漏れて来ていて、生活感を漂わせていました。

この街は、深夜の幹線道路も激しく車が行き交うと思ったら、

街並みからも、多くの明かりが漏れていて、随分、夜更かしな街なんだなと、思ったものでした。

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石造りの街並みに表情がある。

19世紀の街並み。

すると、また、運河をバスが渡り、そこには19世紀の街並みが出現したのです。

街並みが少し変わり、少し時代が新しくなったように思えました。

石造りの様式が少し変化していて、その時代の差を感じたのです。

20世紀の街並み。

更に、もう一つの運河を渡ると、そのには、20世紀の街並みが出現したのです。

一つの街の中で、運河を挟んで、このように時代を分けた、街並みが残っている事に、驚いたのです。

ガイドさんによると、時代と共に運河が発達し、それに合わせて、街並みが広がって行った結果、

このような街並みが、出来上がったと解説して頂き、納得したのでした。

そして、ヨーロッパの街並みの、懐に深さに驚いたのです。

七人のシメオン ロシアのむかしばなし [ 田中 友子 ]

ロシア帝国時代の首都。

サンクトペテルブルク。

サンクトペテルブルクは、バルト海東部のフィンランド湾の、最東端に面し、

ネヴァ川河口のデルタ地帯にある、ロシア西部の都市てす。

モスクワから600キロ離れていて、1917年までは、ロシア帝国の首都で「レニングラード」と呼ばれていました。

運河網が発達していて、バルト海に於いて、重要な港の役割を果たしていたようです。

エルミタージュ幻想 ≪ニューマスター版≫ [ セルゲイ・ドレイデン ]

エルミタージュ美術館の前哨。

エルミタージュの冬宮。

歴代の皇帝たちが、首都の整備を続け、1754年に王宮として冬宮が完成します。

その冬宮の一角に、エルミタージュ美術館の元となる、展示室が開設されてゆくのでした。

今や、エルミタージュ美術館と言えば、世界三大美術館として、世界屈指の美術館となっていますから、

歴代の皇帝たちが、贅を極めて、美術品を収集していたのでしょう。

サンクトペテルブルクには、エルミタージュ美術館を始めとする多くの観光施設があります。

エルミタージュ美術館 美を守る宮殿 [ ミハイル・ピオトロフスキー館長 ]

18世紀の街並みが、現代に融合している街

現役で使われている18世紀、19世紀の建物。

しかし、私が興味を持ったのは、18世紀、19世紀、20世紀の街並みがそのまま残っていて、

それがいまでも、現役として使われている事でした。

そして、それらの街並みが、現代とも微妙に融合していて、

最新のファッションや、高性能の車にも、見劣りがしない街並みになっていました。

ゴルゴ13(volume 89) モスクワの記憶 (SPコミックスコンパクト) [ さいとう・たかを ]

木造の建造物の日本と、石造りの西欧。

日本の古い建造物。

日本でも、古い建造物は残っています。例えば、世界最古の木造建築として「法隆寺」などが残っています。

西院伽藍は、現存する世界最古の木造建築物群として、

1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。

また、多くの神社仏閣など、古い建造物も、たくさん残っています。

古都、京都の街並み、木曽路や白川郷の風景、大内宿など、街並みが現存している場所もたくさんありますが、

今では、何処も観光産業に、色合いを染めているところが多いようです。

木に学べ 法隆寺・薬師寺の美(小学館文庫) [ 西岡 常一 ]

 

観光目的でなく、日常の生活で使られる街並み。

ところが、サンクトペテルブルクでは、それらの建物が、観光目的では無く、

今でも現役で、事務所や店舗、住居として使われていたのです。

やはり、石の建造物は、長く使いまわしが効くなと、思ったのでした。

そこが、木造建築文化の日本と違うところでしょうか。

でも、日本の木造建造物には儚さや、わび、サビと言った趣が漂っていて、それが、文化なんじゃないかと悟ったのでした。

そして、改めて、日本の建造文化の、奥深さを、再発見をしたような、気分になり、日本って素晴らしいと思ったのでした。

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