イギリスって、どんな国。
イギリスと言えば、何を思い浮かべますか。
フィッシュアンドチップス、ロイヤルファミリー、産業革命、大英博物館、ウィンブルドン、ビートルズ、
セントアンドリュース、紅茶、シェークスピア、ジェントルマン、ピーターラビット、シャーロックホームズ、まだまだあるでしょう。
杉下右京が愛したイギリスロンドン。
和製シャーロックホームズの推理力。
人気ドラマ『相棒』では、和製シャーロックホームズの杉下右京が、若き日に研修を受けていたのが、スコットランドヤードで、
その時の同僚だった、南井十との因縁の対決が、その後も度々ドラマでは登場します。
右京さんはイギリスの影響を根強く受けて、彼の装いはブリティッシュスタイルのトラディショナルなスーツを身に付け、
飲み物と言えば、紅茶が大好きで、その造詣の深さには感心させられてしまいます。
更に、彼はあの特命係の部屋の中に、10客ものティーカツプコレクションを持ち込み、ティーブレイクを愉しんでいる有様です。
そんな杉下右京が愛した、ロイヤルファミリーの国、イギリスの面白さは、何処にあるのでしょうか。
イギリスは、トラディショナルの国。
英国は世界の工場でした。
かつて英国は世界の工場でした。18世紀後半の産業革命で、綿織物工業を中心に、世界初の工業国になった国です。
その発展の恩恵を、甘受していた英国ですが、20世紀後半になると「イギリス病」になってしまいました。
歴史上でも、永遠に、繁栄を続ける国は無いでしょうが、
第2次世界大戦後に、工業製品や輸出の減退や、慢性的なインフレ、国際収支の悪化などから、
ポンドの下落に繋がり、それから長く続く、イギリス病になってしまったと言います。
この背景には、社会制度の充実や、労働組合が力を持ちすぎたこと、企業収益を圧迫した事などの、
複合的な要因が、絡んだ結果だと言われています。
変えない、変わらない、変えようとしない
トラディショナル
私はイギリスの、トラディショナルが好きです。伝統に裏打ちされた生活スタイルで、
長く続けられて来たものは変えないと言う、イギリス人の頑固さに、ちなんだ、こんな言葉を思い出します。
「変えない、変わらない、変えようとしない」だからこそ、伝統は、守られて来たんじゃないでしょうか。
ブリティッシュスタイル。
ブリティッシュスタイルのスーツ。
スーツは、ビジネスマンの基本アイテムですが、スーツの系統は2種類あって、「イギリス系」と「イタリア系」の2種類です。
ブリティッシュスタイルは、固めの生地によく合う、カッチリとしたブリティッシュスタイルで、
重量感のある、堂々としたスタイルです。
一方、イタリアンスタイルは、柔らかで、中性的なエレガントさがあり、自然なソフト感が重視されます。
このようになったのには訳があるようです。
イギリスの気候と、国民性が創り上げたスタイル。
1つ目は「気候の違い」です。イギリスは、年を通して曇りが多く、湿度が高い気候です。
一方、イタリアは、地中海気候で晴天の日が多く、乾燥した気候です。
2つ目は「国民性の違い」です。イギリスは、勤勉で伝統を重んじる、保守的な国民性です。
一方、イタリアは、人生を楽しむ、楽天的な国民性の違いが、スーツにも影響しているようです。
ロイヤルファミリーを敬愛し、英国を愛している、
そんなイギリス人には、ブリティッシュスタイルのスーツが、良く似合うと思います。
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英国人の好物はフィッシュアンドチップス
フィッシュアンドチップス
フィッシュアンドチップスを、たまには、食べて見たいと思うことがます。
作家の開高健さんが、生前イギリスに行くと、まず最初に食べたいものとして、
揚げたての、フィッシュアンドチップスを、紹介していました。
そのフィッシュアンドチップスは、ニュースペーパーに包んで、提供されるのがイギリスらしいと、話していました。
開高さんは、このニュースペーパーは、ディリー・テレグラフや、ガーディアンなどの、クオリティーの高い一般紙ではなく、
やや、低俗な大衆紙やゴシップ紙の、新聞が良いんだと、軽口を叩いていたのを、思い出します。
今ではコンビニでも、レジの脇にたまに置いてあって、つい、手が伸びてしまいます。
フィッシュアンドチップスを、お供に飲むんだったら、やっぱり、Guinness (ギネス)ですかね。
フィッシュアンドチップスのうんちく。
フィッシュアンドチップスは国民食?
フィッシュアンドチップスは、イギリスの「国民食」と言われいていて、日本の寿司や天ぷらに近いようです。
この料理は、ユダヤ人の食文化に由来しているそうです。
元々、フィッシュアンドチップスと、その店から漂う独特の匂いは、ヴィクトリア朝期に、ユダヤ人差別の象徴だったようです。
これを食べていたのが、キプロスやイタリアからの移民の労働者たちで、
イギリスの上層、中層からは、軽蔑の目を向けられたいたそうなんです。
しかし、それでも、フィッシュアンドチップスは、根強くイギリスの食生活の中で、
絶えることなく食され、国民食になっていったそうです。
英国で憧れることは。
私の英国での憧れは。
私の憧れは、格式あるバーで、シングルモルトの、スコッチウイスキーを傾けること、
セントアンドリュースで、ヒッコリーのクラブを振ること、
5月のイングリッシュガーデンのテラスで、スコーンと一緒に、アフタヌーンティーを飲むこと、
ピーターラビットの湖水地方で、フットパスを歩くこと、
シャーロックホームズの下宿先ベーカー街221Bで、シャーロキアンぶること、
そして、アビロードの、横断歩道を渡ることです。
イギリスが誇る劇作家、シェイクスピア。
シェークスピア
シェークスピアは様々な人々や、国々に影響を与えています。
『ロミオとジュリエット』はミュージカル『ウエストサイド物語』に影響を与え、
『リア王』は黒澤明が『乱』で、舞台を戦国時代に換えて、物語を展開しています。
『リア王』の中での名言「最悪だと言えるうちは、最悪ではない」は有名なセリフです。
『お気に召すまま』の人はみな役者。
「この世は舞台、人はみな役者」
「この世は舞台、人はみな役者」という、言葉があります。これは、シェイクスピアの、『お気に召すまま』の一節に出てくる言葉です。
シェークスピアの『お気に召すまま』には、人生を達観するような、ウィットに富んだ警句がたくさん登場します。その中でも、
「全世界は一つの舞台だ。そして、すべての人間は男も女も役者にすぎない。めいめい出があり、引っ込みがある。しかも、一人が一生に沢山の役を務め、その全幕は七つの時代から成る。」
このセリフは、『お気に召すまま』の中でも、最もよく知られたセリフで、
日本では「この世は舞台、人はみな役者」と言う、簡略版の名言の方が、よく知られているかもしれません。
そして、この名言は、2幕第7場に登場する、ジェイクィズの言葉です。
『お気に召すまま』のあらすじ。
As You Like It。
『お気に召すまま』(As You Like It)は、イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの喜劇で、
『から騒ぎ』や『十二夜』と同様に、シェイクスピアの円熟期である、1599年頃に書かれた喜劇です。
舞台はフランスのアルデンヌの森、
あるいは、シェイクスピアの故郷の、エイボンの田園をモチーフとした、アーデンの森と言われています。
窮屈な宮廷生活とは対照的に、主人公が逃げ込む森の中での、生活が自由で、解放的なものとして描かれ、
一目惚れなどの、恋愛感情を織り交ぜながら、最終的に4組のカップルが誕生します。
この物語の最大のテーマは「愛」です。
そして、不当に地位を奪った者が改心し、奪われた者は、相手を許して和解する、そんな大団円で終わる物語なのです。
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The Compleat Angler 釣魚大全。
「The Compleat Angler」(釣魚大全)
釣りバカな私としては、イギリスで、触れない訳にはいかない人物と、本があります。
それは、アイザック・ウォルトンの著書『釣魚大全』です。
この本は、釣り好きであれば、読んだ方も多いかもしれません。特に川釣りが趣味の方には、魅力ある本です。
今から360年前に書かれたこの本は、300年以上のロングセラーを続けていて、
多くの大戦があるたびに、人々が拠り所にするようで、売れ続けていた本のようで、
『聖書』と共にロングセラーを続けていると言います。
『The Compleat Angler』(釣魚大全)は、1653年に初版が発行されました。
この本は、釣りの楽しみの、実践的な読み物であると共に、
故事伝承や、随筆の要素が詰まった読み物です。 アイザック・ウォルトン はこの本を、60歳の時に執筆したようです。
静謐な田園生活と釣りを探求した物語。
アイザック・ウォルトン。
アイザック・ウォルトン(1593~1683)は、イギリスの随筆家で、伝説作家です。
スタッフォードで生れて、ロンドンで金物店を営み、成功したと言います。
しかし、妻や6人の子供たちに先立たれ、苦難の人生を送ったようで、90歳で没しています。
静かな田園生活の中で、主人公の釣り人と、猟人などとの会話を、対話形式で物語が構成されており、
釣りや、田園、自然を描いています。
この本の発行当時は、ピューリタン革命の頃で、
そんな状況の中で、牧歌的な世界を、静けさを背景に、上質な散文で仕上げているのです。
この、『The Compleat Angler』には副題があって、「瞑想する人のためのリクエーション」と言います。
釣りをする行為が、瞑想と融合すると、言うことなのでしょうか。凡人には、釣りは釣れないと、落ち込むものです。
「静かなることを学べ」
「Study to be quiet」
そして、この本の一文に、「Study to be quiet」(静かなることを学べ)と言う言葉が入っています。
人生の中で、煩わしい出来事や、雑事は、いつの時代でも、どんな環境でも、ある事でしょう。
そんな中でも、自分を失わずにいることは、大切な事だと思います。
だから、彼は言っているんでしょう、「Study to be quiet」と。
「Study to be quiet」は、「努めて静かであれ」「穏やかであることを学べ」「泰然自若と生きよ」などと、訳されるようですが、
どれが一番しっくりするでしょうか。やはり、原文のままが、一番しっくり来るようです。
きっと、読書家の右京さんなら『釣魚大全』は、読んでいる筈ですね!
「和製ホームズ杉下右京が愛する紳士淑女の国イギリスの伝統 」への8件のフィードバック
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