~第8章~
グランメゾンへの道。
かつて、パリの「エスコフィユ」で、2つ星を獲得していた、木村拓哉さんが演じる尾花夏樹と、
鈴木京香さんが演じる早見倫子が、東京に戻り3つ星レストランを目指すストーリーが続いています。
主人公の尾花夏樹は、自分の腕と舌のセンスに絶対的な自信を持っていて、料理のためなら、どんな犠牲もいとわない人物です。
グランメゾンへの挑戦。
『グランメゾン東京』の創業メンバー。
一方、早見倫子は、料理を食べると、その料理の素材から調理方法まで分かってしまう、絶対味覚の持ち主で、『グランメゾン東京』のオーナーシェフとなって行きます。
そんな二人に、かつてのメンバーだった、ギャルソン役の沢村一樹さんが演じる、京野陸太郎と、
人気WEB料理研究家の、相沢瓶人役の及川光博さんが加わり、レストランの物語が展開して行きます。
尾花夏樹の言葉。
料理に妥協を許さない、木村拓哉さんが演じる尾花夏樹が、こんなことを言っています。
「料理を作るのに、何時間掛けたと言った事は関係ない。お客さまが、美味しいと思って、味わって頂くことがすべてだ。」
この言葉に、仕事に対する、本質があると思います。
テレビの画面では、料理の手際の良さ、食材の色彩の鮮やかさでも、視聴者を魅了する仕掛けが出て来ます。
『グランメゾン東京』が目指しているのは、フランス料理での、ミシュラン3つ星レストランです。
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コース料理は「晴れの日」のご馳走。
コース料理を食べる機会は、普通の家庭で暮らしていては、そうあるものではありません。
コース料理を頂く機会は、結婚式の披露宴の宴席か、お客さまから招待を受けた、祝宴の場合ぐらいではないでしょうか。
つまり、「晴れの日」のご馳走なのです。そんなフランス料理のルーツは、どこから来ているのでしょうか。
メディチ家の、カトリーヌの影響。
フランス料理の始まりは。
フランス料理の概形は、14世紀になるようです。それが16世紀になると、イタリア料理から、影響を受けるようになるのです。
16世紀にイタリアから、フランス国王に嫁いだメディチ家の、カトリーヌとその専属料理人たちによって、
高度な調理法や、洗練されたテーブルマナーが伝えられ、フランスが、宮廷料理に発展して行ったようです。
17世紀後半になると、宮廷料理のモデルとなる、オートキュイジーヌ(至高料理)が誕生し、ワインとチーズ文化が相まって、伝統的なフランス料理が、文化として作り出されたのです。
このオートキュイジーヌ(至高料理)によって、料理に芸術性と、美食性が高まったと言います。
そして、この頃に、ナイフとフォークを用いた、食事作法が一般的になったようです。
フランス革命で、料理人が街に出た。
18世紀末に、フランス革命が勃発すると、宮廷で職を失った料理人たちが、各地に流出し、
各地の街角でレストランを開き出したのです。こうして、フランス料理が、各地に広まって行きました。
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温かい料理の提供が、コース料理のルーツ
コース料理の提供の仕方。
フランス料理と言えば、1皿づつ食事が提供されるコース料理が典型的ですが、このスタイルは、
19世紀ごろロシアで確立されたもので、ロシアの料理人が寒いロシアの気候で、料理が冷めないようにと、
1皿づつ、テーブルに運ぶようになったことが、きっかけで、そのスタイルが、フランスに伝わったとされています。
こうして、伝統を持ったフランス料理として、各地に普及して行ったのでした。
ユネスコの無形文化遺産。
2010年にフレンチガストロノミー(フランスの美食学)は、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
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レストラン、ビストロ、グランメゾン。
レストランのスタイル。
フランス料理レストランのスタイルは、こんな風に分けられるようです。
◆レストラン メニューブックから注文し、専門の訓練を受けたウェイター、ウェイトレスが応待し、事実上、コース料理だけの店。
◆ビストロ いわゆる大衆食堂で、メニューは黒板にチョークで書かれることが多く、給仕たちも、カジュアルに対応し、庶民的な料理や、郷土料理が多い。
◆オーベルジュ レストランと宿泊施設がセットになっている、宿泊設備付のレストラン。
◆グランメゾン 格式の高い超高級フランス料理店。ウェイティングバーが併設されていて、専門のパティシエがいて、ドレスコードがキチンと定められているなど、基準があるようです。
こうして見てみると、グランメゾンは、かなりハードルが高いレストランのようです。
フランス料理とワイン。
フランス料理の相棒ワイン。
フランス料理には、ワインが欠かせません。フランスの気候・風土は、ワイン用のブドウ栽培に適しているようです。
コース料理に良く合い、料理の種類によって赤ワイン、白ワインが提供される、こんな、お酒は他にはありません。
そして料理に良く合うワインのコーディネーターとして、ソムリエと言う職業が生まれ、ワインの専門家になっていきます。
フランスの3大ワイン産地と言えば、ボルドー、ブルゴーニュ、アルザスでしょう。
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世界一高価なワイン。
ブルゴーニュ地方の、ロマネ・コンティ。
その中で、ワインの王様と言われているのは、ロマネ・コンティでしょう。
フランス ブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村で伝説的なワインとして作られています。
ブルゴーニュ地方は、パリから南東に位置する地域です。
そこで葡萄の生産から、ワインの製造までを一手に行う、ドメーヌ・ドーラ・ロマネ・コンティ(DRC)社が、
年間6,000本しか、作られないワイン。
独自の葡萄畑、その総面積1.8ha(これは東京ドーム3.8個分相当に当たるようです)で、年間6,000本のワインを、作っているようです。
ここの葡萄畑は、南東の日当たりの良い傾斜地で、ピノ・ノアール種の葡萄から、世界一高価なワインが生まれるのです。
こうして、フランス料理には、ワインが不可欠な飲み物として、食文化を発展させて来たのです。
コース料理を楽しもう。
コース料理の順番は。
①アペリティフ(食前酒)から始まります。食欲増進や、出席者の会話を弾ませる狙いがあるようです。
②アミューズ(小前菜)これは、和食の突き出しのようなもので「ひとつのお楽しみ」の意味があるようです。
③オードブル~テリーヌやパテ、マリネ、サラダ類。
④ポタージュ(スープ)コンソメ仕立てが定番です。
⑤ソルベ/グラニテ(口直し用の氷菓)シャーベット類。
⑥ヴィヤンド(肉料理)
⑦フロマージュ(チーズ)食後のお楽しみと言われていて、この料金はコースには含まれないようです。
⑧デセール(デザート)リラックスと消化促進のため。
⑨カフェ(コーヒー)で、コース料理が終わります。
やはり、宮廷料理に由来しているだけあって、かなりの時間が掛かる食事ですね。
尾花夏樹がやるべき仕事とは。
『グランメゾン東京』で、やるべきこと。
これを、尾花夏樹たちは、『グランメゾン東京』でやり遂げようとしています。
おいしい料理の提供は当たり前ですが、その他に、気の利いた店づくり、気配りの取れた接客をギャルソンが行い、ワインの知識も、フランス文化の研鑽も必要でしょう。
競争相手の『gaku』には、既に洒落た店づくりが出来ており、シェフやスタッフも充実していて、何よりも、高価で貴重な食材を、手に入れる資金力があります。
こうした相手に、戦いを挑んで行かなければなりません。そして、その勝敗を決めるのは、お客さまです。
グランメゾンへの道。
「グランメゾンへの道」で必要なもの。
「料理を作るのに、何時間掛けたと言った事は関係ない。お客さまが、美味しいと思って、味わって頂くことがすべてだ。」
この言葉に、是が非でも、3つ星を取りたいと格闘する、尾花夏樹のグランメゾンへの道への、執念が見えます。
尾花夏樹は、『gaku』との戦いよりも、その先にあるサミット(頂上)を目指して、仕事をしているのかもしれません。
誰もが経験出来るものではないサミットの頂点から、フランス料理や、食文化、自分の歩んで来た人生を、眺めたいのかもしれません。
その頂が、険しいければ、険しいほど、昇る必然があるのかもしれません。
「『グランメゾン東京』ネタバレ尾花夏樹フランス料理への道 」への1件のフィードバック
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