船越英一郎ドラマ『家栽の人』あらすじと家裁判事の名言。





船越英一郎『家栽の人』家裁判事。

群馬県前崎市に、前崎家庭裁判所があります。

この裁判所でチョットした騒動が持ち上がっていました。

それは、新任の判事が今日からやって来るからでした。


2021年9月29日放送の続編『家栽の人』はこちらから⇩

船越英一郎2021年『家栽の人』続編第2弾。



ミカンの植木を背負った判事の登場。


出世に興味のない判事。

ドラマでは、前崎家庭裁判所の調査員たちが、気にしていたことがありました。

それは、新任判事としてやって来る、桑田判事の噂ばなしだったのです。

出世にはまったく興味が無いと言う、変わり者の噂の桑田義雄(船越英一郎さん)の話で、調査員たちは朝から、持ちきりでした。

そうこうしている中、桑田判事が、大きな植木を籠にいれて、それを背負って、家庭裁判所に現れました。

その植木は、高さが2m以上あるのでしょうか、青々としたミカンの木で、いくつかのミカンの実を付けていました。

更に、桑田判事は両手にも、草木を持って当庁して来たのです。

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切られる植木を助けた判事。



植木を愛する男の行動。

なぜ、そんな恰好で桑田判事が裁判所に現れたと言うと、出勤途中でチョットした、ハプニングに出くわしたからなのです。

それは、住宅街で奥さんが、駐車場にするので、庭のミカンの木を、植木屋さんに切って貰うよう依頼していたからです。

植木職人さんとの会話で「もったいない」と、聞こえて来たからだったのです。

それで、切られる筈だったミカンの木を、背負って当庁したのでした。

それには、司法修習生の樋口日向子(足立梨花さん)や、調査員たちもびっくりする有様でした。

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調停に首を突っ込む桑田判事。






中途半端に首を突っ込むのは止めて欲しい。

更に調査員たちを驚かしたのは、桑田判事から、すべての調停に、立ち会わせて欲しいと言う要望でした。

そして、彼は、すべての調停資料に、既に目を通しているようなのです。

しかし、そんな桑田判事の行動に対して、調査員たちは、中途半端に、首を突っ込んでくるのは止めて貰いたい。

少しは、調査員を信用して貰いたいと嘆くのでした。

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花束を持った桑田判事。




ローズマリーの香り。

ある休日の駅前に、花束を持った、桑田判事の姿がありました。

その姿を見かけたのが、司法修習生の樋口日向子(足立梨花さん)でした。

彼女は、桑田判事の行動に、興味を持ち始めていて、桑田判事の後をつける事にしたのです。

桑田判事が向かった先は、墓地で、花を捧げていたのは「西田家」のお墓だったのです。

そこで、司法修習生の樋口日向子は、見つかってしまいます。

その時、桑田判事が「ローズマリーの香りですね。駅前にあったローズマリーですね。」と言って、駅前からつけて来たことが、バレてしまったのでした。

そして、そこに眠る人は、桑田判事と同期で、同じ時期に司法修習をした人だったのですが、

仕事に疲れ自ら命を絶ったと明かされたのでした。

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「資産家殺人事件」発生。




自首して来た19歳の少年。

ある時、地元の名士で資産家の、佐々木建造(西岡德馬さん)が殺害される「資産家殺人事件」が発生したのです。

その事件の加害者として、19歳の少年・立花晃(望月歩さん)が自首し、前崎家庭裁判所に送致されて来るのでした。

立花晃は1年ほど前に、暴行事件で審理が行われたことがありましたが、当時の調査官だった戸張調査官(山中崇さん)は、

彼の本質を信じ「更生の意思あり」として、不処分の決定が、出ていた少年だったのです。

そのため、期待を裏切られた思いの戸張調査官は、今回こそは厳しく調査すると意気込みますが、

前崎家庭裁判所の、池上所長(角野卓造さん)が、今回の事案では、岡本調査官(佐藤仁美さん)を指名したため、家庭裁判所に不協和音が生まれはじめたのです。

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加害者少年の証言に疑問を抱く判事。




「枇杷の木を折った。」

立花晃は、遊ぶ金欲しさに、資産家の佐々木建造の家に押し入り、もみ合った末に殺害したことを認め、

検出された指紋も、彼のものと一致していましたが、

桑田判事は、侵入の際、佐々木家の庭にあったビワの木の枝を折ったという、彼の証言に違和感を覚え、疑問を抱くのでした。

そして、審理の中で、桑田判事が少年に尋ねます。

「枇杷の木を折ったと言うが、何で、枇杷の木だってわかったのですか」これに対して少年は「枇杷の花が咲いていたから」と答えたのでした。

少年は枇杷の花を知っていたのです。

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桑田判事、現場検証で確証を掴む。

桑田判事が現場検証をしたいと言い出す。

現場に出向いた桑田判事は、割れたガラス戸の、庭の周辺を何やら探しています。

そして「あった!」として、庭に割れたガラスが、飛び散っていた事実を発見したのです。

侵入者が庭からガラス戸を割って、侵入したとしたら、割れたガラスは室内に飛び散る筈です。

それが、庭にも多く飛び散っているということは、不自然だと指摘したのです。

また、枇杷の木に脚立を立て掛け、枇杷の折れた幹を見ていたのです。

その時、通り掛かった植木職人に、枇杷の剪定時期を聞き、なにやら、納得したような、表情を見せたのでした。

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桑田判事の疑問「折れた枇杷の枝」。

 

加害者として自首して来た、19歳の少年・立花晃(望月歩さん)の母親、立花君江さんは、病室にいて、意識が無い状態でした。

桑田判事には疑問がありました。少年が証言した「枇杷の木に摑まった時に折れた」と言うことでしたが、

その枇杷の折れた跡は、同じ枝にあった2月の剪定よりも、以前のキズのように見えたからです。

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加害者少年の生い立ち。

少年の母親の実家は花屋さんでした。少年の父親はバイク事故で死亡し、その後、実家の花屋さんは潰れてしまいました。

そんな傷心を背負って、少年と母親と妹の3人は、母親の故郷に戻って来たのです。

しかし、生活は苦しく、このままでは生活が出来なくなると思った母親は、少年と妹を施設に入れる決断をし、辛い別れをしていたのです。

そんな背景を持つ少年は、相変わらず「自分が遣ったんだ」と繰り返すばかりです。

それに対し、桑田判事は「それが君の本心だとは思いません」と、言ったのです。

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暴風雨に耐えられなかったミカンの木。




倒れそうな時は手助けが必要。

ある日の夕方から翌朝に掛けて、暴風と大雨に見舞われました。

桑田判事は家庭裁判所の、庭に植えたミカンの木が心配になり、暴風の中、植栽が倒れないように、補強を施しましたが、暴風には勝てず倒れてしまったのです。

雨の上がった、朝の庭に佇む桑田判事に、一人の少女が声を掛けます。

「泣いているの?」その少女は、加害者少年の妹の、立花ももこでした。

桑田判事は「手助けが必要なんですよ」それに対して妹は「お兄ちゃんは犯人じゃありません。お兄ちゃんを助けて!」と言ったです。

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桑田判事は少年の心に種を蒔けるのか。

心を閉ざす少年に、優しさの種を蒔く人。

審判廷では審議が続いていました。

事件があった日、お母さんに何かが起きていたのです。「君は誰かをかばっているんじゃないのですか?」

その時、事務方がメモを持って来て、桑田判事に見せました。「すぐに病院に行きなさい」、

それは、母親の病状が逼迫した知らせでした。しかし、少年は病院には駆け付けませんでした。

桑田判事は、少年犯罪に対して、こう思っていました。

事件の解明ではありません。心を知ること、自覚させることで、救われるんです。」と。

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母親の残した日記。


母親の立花春江さんは、日記を付けていました。

桑田判事は、母親の日記を少年に読み聞かせます。

そこには、身体がきつい事や、やっと見つけた配達の仕事の事、更には、頼ってしまった佐々木建造(西岡德馬さん)との事、

そして、母と息子の問題は修復出来なかった事などです。

加害者少年は、母親が資産家の佐々木建造(西岡德馬さん)と付き合う事で、

仲間から、からかわれたり、馬鹿にされていました。それが1年程前の、暴行事件に繋がっていたのでした。

それは、佐々木建造に対しての復讐の念があったのか、母親に対する当て付けだったのか。

そして、少年は本心を発しました。「妹を助けたかった。妹にもっといい世界を見せてあげたかった。」

母親の日記には、息子が見舞いに来て呉れた。枇杷の花を持って来た。あの子は花が好きだったと、綴られていたのです。

桑田判事は「君はお母さんに本当の事を話したんですね。話してください。本当の事を」と、詰め寄りました。

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母親の日記が事件を解く鍵。

母親が綴った日記と手紙。

母親が残した日記が、事件の鍵を解くことになります。

少年は、事件当日の夜、母親から電話を受けました。

そこで、すぐ母親の元に駆け付けると、佐々木宅には、母親によって殺害された、佐々木建造が横たわっていたのです。

母親は、以前に少年が佐々木家へ侵入しようとした時、防犯カメラに写されてしまい、

その時の少年の写真を、渡して欲しいと頼みますが、佐々木建造に断られ、止む無く殺害してしまったのでした。

そして、少年は、急変した母親を背負って、病院へ走ります。

「君は走りながら、何を考えていましたか」

「お母さんを助けたいと思っていました」「翌日、施設の妹を連れ出して、東京行きの電車に乗せました」

「その後、お母さんの罪を被るために、自首したんですね。ありがとう。」「最後に、お母さんからの手紙を読みます。

「りっぱな男になってね。…お母さんより」

「お母さんは、俺たちを育てるために精一杯、頑張ってくれました。お母さんは、俺たちのために、俺たちのために…」

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少年への処分。

それは、罪ではなくチャンスを与える期間。

少年へ処分が言い渡されました。短期間の処遇(約6ヵ月)だったのです。

この結果に家裁の調査員たちは、適切だったのではないかと考えました。

その期間は、罪ではなくチャンスを与える期間になると思ったからでした。

そして、裁判所の人たちは、庭だけじゃなくて、家裁も随分、変わったんじゃないかと感じていたのです。

桑田判事が、司法修習生の樋口日向子(足立梨花さん)に、語り掛けます。

「タンポポを知っていますね」「綿毛は風に乗りますが、運が悪い綿毛は、コンクリートの上に落ちます。

でも、その割れ目から芽をだすんですよ。タンポポは、なかなか生命力の強い植物なんです。」

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