東京から新幹線で1時間ほどの地方都市に、前崎家庭裁判所があります。
ここへ新任判事としてやって来たのが、出世にはまったく興味が無いと言う、変わり者の噂の高い、桑田義雄(船越英一郎さん)だったのです。
2021年9月29日放送の続編『家栽の人』はこちらから⇩
ミカンの木を背負った桑田判事。
桑田は着任当日、大きな植木を背負って、家庭裁判所に現れました。
その植木は、高さが2m以上あるのでしょうか、青々としたミカンの木で、いくつかのオレンジ色の実を付けていました。
更に、桑田判事は両手にも、袋に入れた草木を持って、当庁してきたのです。
それには、司法修習生の樋口日向子(足立梨花さん)や、調査員たちもびっくりし、裁判所の雰囲気も変わり始めて来たのです。
「資産家殺人事件」発生。
そんなある時、地元の名士で資産家の、佐々木建造(西岡德馬さん)が殺害される「資産家殺人事件」が発生したのです。
その事件の加害者として、19歳の少年・立花晃(望月歩さん)が自首し、前崎家庭裁判所に送致されて来るのでした。
立花晃は1年ほど前に、暴行事件で、審理が行われたことがありましたが、
当時の調査官だった戸張調査官(山中崇さん)は、彼の本質を信じ「更生の意思あり」として、不処分の決定が、出ていた少年だったのです。
少年の証言は真実なのか。
期待を裏切られた思いの戸張調査官は、今回こそは厳しく調査すると意気込みますが、
前崎家庭裁判所の、池上所長(角野卓造さん)が、岡本調査官(佐藤仁美さん)を指名したため、家庭裁判所に不協和音が生まれ始めたのです。
立花晃は、遊ぶ金欲しさに、資産家の佐々木建造の家に押し入り、もみ合った末に殺害したことを認めましたが、
桑田判事は、侵入の際、佐々木家の庭にあったビワの木の枝を折ったという、少年の証言に違和感を覚え、疑問を抱くのでした。
桑田判事は、この事件を通して、少年の心に「やさしさと言う種」を植えられるのでしょうか。
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このドラマの原作は小学館の『ビックコミックオリジナル』として、1987年~1996年までの、9年間に渡って掲載され、
その後、全9巻の単行本として刊行されました。マンガ(コミック)の作者は(原作者は毛利甚八さん。画は魚戸おさむさん)です。
連載終了から20年以上経ちますが、人間の本質を描いた名作として、今でも語り継がれている名作で、
この作品は法曹界でもファンが多くいると言われています。
テレビ朝日船越英一郎の『家栽の人』
主人公の桑田義雄(船越英一郎さん)は、人間を愛し、植物を慈しむ、変わり者の家庭裁判所の判事で、
植物が大好きで、愛する草花を少しでも多く、植えたいと思っているような人なのです。
自分でも植物を育てるかたわら、ありとあらゆる草花に精通し、
職場の裁判所の敷地でも植物を育て、昼休みも寸暇を惜しんで、草花の世話をするような人なのです。
また、近所の庭にある、植物までも記憶して、手製の植物マップまで作ってしまう「植物オタク」のような人物なのです。
原作では、基本的には、一話で完結と言うスタイルで構成されていて、それぞれの話には、植物の名前が付いています。
そして、その植物が話の中で、重要な役割を占めているのです。
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家庭裁判所の事案。
家庭裁判所で扱う事案は、相続紛争、離婚調停、少年犯罪などが大半を占めるようですが、原作では、主に少年事件が取り上げられています。
家庭裁判所では、その罪に対して、必要により審判を行い、犯した罪に見合う、処置が決められるのです。
そこには、更生も考慮されますが、主体はあくまでも処置と言うスタンスです。
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桑田判事の判断基準とスタンス。
しかし、桑田判事の判断基準は、あくまでも更生が主体であり、「どうしたら少年を立ち直らせる事が出来るのか」の目線で、物事が考えられているのです。
裁判官の立場から、少年を更生させるために、自分に何が出来るのかを、追求しているのです。
家庭裁判所の判事は、月に200~300の事案を抱え、場合によっては500に及ぶこともあるそうです。
そうした限られた時間の中で、裁判や審判に臨まなければならず、個々の事案の見落としや、
事件に至った少年たちの背景や、心の内情を見抜くことは、とても時間的余裕が無いことでしょう。
しかし、桑田判事は、その事件の背景や、少年の心理にこそ、その事案の本質が秘められていると確信し、仕事に取り組んでいるのです。
このどらまは、「人は如何に生きるべきか」を問う、ヒューマンドラマなのです。
家栽の人【TBSオンデマンド】 家栽の人スペシャル【動画配信】
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「船越英一郎ドラマ『家栽の人』植木を背負う家裁判事の言葉」への2件のフィードバック
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