『麒麟がくる』第37話~信長公と蘭奢待。東大寺の銘木の謎。




『麒麟がくる』第37話。信長公と蘭奢待。

元亀4年3月。将軍・足利義昭は、信長に対して、討伐の兵を挙げました。

その背景には、信長が渡した「十七カ条の異見書」のせいで、義昭の怒りは、頂点に達していたのです。

『麒麟がくる』まとめ記事一覧

義昭、武田信玄を頼みの綱に。


「儂は、信玄と共に戦う」

足利義昭は、大名を集めて兵を挙げるのでした。なかでも、頼みの綱とされていたのが、武田信玄(石橋凌さん)で、

「儂は、信玄と共に戦う」と、意気込みを見せていましたが、武田信玄は、どういう訳か、京に向かう途中で、急に兵を引き返してしまったのでした。

さらには朝倉・浅井も姿を見せず、その結果、窮地に立たされた義昭は、

木下藤吉郎(佐々木蔵之介さん)らにより、宇治にて、捕らわれの身と、なってしまったのでした。

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三淵藤英、細川藤孝兄弟の運命。




「時の流れを見るのも肝要」

義昭と信長の対立により、袂を分かつことになるのが、三淵藤英(谷原章介さん)と細川藤孝(眞島秀和さん)の兄弟でした。

実の兄弟でありながら、2人の姓が異なるのは、弟の藤孝が、別の家に、養子に出されたためでした。

かつては力を合わせ、足利将軍家再興に取り組んでいましたが、いつしか藤孝は、将軍を見捨てて、信長の家臣に転身していたのです。

その事実を、三淵が知ったのは、敗戦の後のことでした。

明智光秀と共に、信長側に座った藤孝の姿に、三淵藤英は、

「いつから裏切り者になり果てた!」と怒りをあらわにしたのでした。

それに対して藤孝は「時の流れを見るのも肝要」と述べたのでした。

そして、三淵藤英は「十兵衛、儂は負け、そなたは勝った。義昭さまのお命を、助けていただけるのか…」

それに対して光秀は「勝っても、負けても、紙一重」と放ったのでした。

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信長の元号改正。




新元号「天正」。

信長は元号改正を考えていて「天正、どうだ、よし決めた」

光秀は「公方さまを、どうなさるお積りですか」信長「家来を何人か付けて何処かへ…」

「信玄に何かあった?」「信玄が死んだと言う噂がございます」

それは、光秀が菊丸(岡村隆史さん)からの伝言で、信玄が陣中で病死していたと言う知らせを、受けていたからでした。

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越前の朝倉家滅び、室町幕府の崩壊。




240年栄えた室町幕府の終焉。

天正元年8月。信長は朝倉、浅井と対峙し、その後、織田軍は勢いを増し、一乗谷へ火を掛けたのでした。

追い詰められた朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)は、朝倉景鏡(手塚とおるさん)の裏切りに合い自害するのです。

こうして、約百年続いた、越前の名門朝倉家は、滅びることになります。

更に、信長は、同年の内に小谷城の浅井家を攻め落とし滅亡させたのです。

こうして、240年続いた室町幕府はついに幕を閉じたのでした。

そして、松永久秀に対して、信長は「土産は城じゃ、多聞山城を明け渡せ」と放ち、

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東大寺、正倉院の蘭奢待。




天下人としての権威付けの意味合い。

「蘭奢待(らんじゃたい)だ、存じておるか。あの、天下の銘木、伽羅の銘木」

「大きな事を成し遂げた者しか見ることが出来ないと言う…」

「いまの儂は、蘭奢待(らんじゃたい)を、見ることが出来ると思うか。ならば、一度、見て見たい」

「東大寺は元より、帝のお許しを得なければ成りませぬ。見たい光景があると言うことでございましょう」

「誠にそうであるか。」「公方さまを退け、さて、これからどうしようと言うのでしょう。頂はないのです」

今井宗久「人の値打ちは、目には見えません。見る景色が変われば、人もまた変わる」と述べたのです。

蘭奢待とは、東大寺正倉院に納められている香木のことで、様々な薬効を有するとも、いわれていますが、

何よりも重要なのは、これが、天下人としての権威付けの意味合いを、持つと言う事なのです。

京。内裏。

「いま、信長には勢いがある。褒美をやっても良いとは思うが、蘭奢待(らんじゃたい)を、所望と言って参った。いかがであろうか」と、三条西実澄に語ったのです。

それに対して、三条西実澄は「110年然るべき者が、然るべき手順を踏んでなるものを、お上は、それを良しと思いめしや」

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切り出された香木の二片。


東大寺。正倉院。

そして、ついに蘭奢待が、110年振りに運び出されたのでした。

「これが三代将軍が、六代将軍が、八代将軍が、切り取りし跡にございます」「その次が、儂か!」

切り出された蘭奢待の2片を眺めながら、信長は「一つは帝に差し上げる。帝も喜ぶと思うぞ」

しかし帝は、届いた蘭奢待をこっそりと、信長と対立関係の毛利輝元に送ろうとしていたのです。

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