『麒麟がくる』最終回。本能寺の変~信長曰く、是非もなし。




『麒麟がくる』最終回。本能寺の変。

天正10年5月。宿敵・武田家を滅ぼした戦勝祝いとして、徳川家康を安土城に招いての祝勝会で、用意された祝賀の膳に対して、

信長は「膳が違うぞ!饗応役を解く、下がれ!」と、光秀に叫んだのでした。



光秀と信長に決定的な溝が。



将軍を殺せ!

その後、別室で対面した光秀に、信長は「家康を試しただけ」と弁解し、まったく悪びれた様子がなく、更に信長は、光秀に対して、

「備後の鞆にいる、足利義昭を殺せ、将軍を殺せ」「それがそなたの役目だ」と、恐ろしい命を下し、さらなる打撃を与えるのでした。

そして、これまで、ずっと戦を続けてきた信長は、

「将軍を討てば戦が終わる。2人で茶でも飲んで暮らさないか」などと持ちかけて来ますが、

光秀はこの下知をきっぱりと断ったのでした。

その後、信長から下された命を、受け入れられない光秀は苦しみます。「儂にはそれは出来ん」「私には将軍を討てませぬ」

帝も悩んでいました。

「相手が力を貸して欲しいと願い出た時、お上はどちらを選びますか」と、尋ねられた際に、

「ただ、見守るだけじゃ。見守るだけじゃ」と、心境を吐露したのです。

丹波の愛宕山で、光秀は「殿は変わられた。戦のたびに変わられた。」と、嘆きます。

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信長が本能寺に宿営する。




天正10年5月29日。

信長は本能寺に、僅かの部下たちと入ったのです。

その時、光秀は苦渋の決断として「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す」

「世を平らかにしてゆく。それは我が役目と思った」と謀反を決起したのです。

そして、光秀は部下たちに、こう述べたのです。

「誰でもよい。間違っていると思う者は、儂の首を刎(は)ねよ」

菊丸に出会った光秀は「この戦は、所詮おのれ一人の戦と思っている。」「その後に家康と一緒に天下を治めたい。もし、儂がこの戦に敗れても…」

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夜間に光秀の軍勢が動き出す。




天正10年6月1日。

夜。光秀の軍勢は、亀山城を出発したのです。

備中。秀吉の陣で、光秀の不穏な知らせを受けた秀吉は、

「明智さまが、上様をやれば面白い。さっさと片付けて、帰り支度じゃ! 明智さまが、天下を回して呉れる」と、準備を始めます。

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早朝の本能寺の変。



天正10年6月2日。

早暁。光秀の軍勢は、信長の寝込みを襲うように、本能寺を取り巻きます。

光秀が叫びます。「かかれ!」「オッー」

外の物音に目覚めた信長は、外を眺め驚きます。その時、無数の矢が降りかかり、その1本が左肩に突き刺さったのです。

「何処の軍勢か? 十兵衛か! そなたか。そうかハハハ! 十兵衛かハハハハハ! であれば是非もなし」と、

不敵な笑い声をあげる信長でしたが、その眼には、うっすらと涙が溜まっていました。

すると信長は、蘭丸(板垣瑞生さん)に、

「儂はここで死ぬ。火をつけよ。儂の首は誰にも渡さぬ。火をつけよ」と命じたのでした。

そして、本能寺から、火の手が上がったのでした。

燃え上がる本能寺を見つめる、光秀の目にも一粒の涙が流れます。

そして「もうよかろう。引き上げよう」と言うと、本能寺を後にしたのです。

その時、そこに伊呂波太夫がやって来ました。

「明智さま、明智さま、こうなると思っていましたよ。明智さまなら、美しい都を取り戻して呉れると」

「駒殿に伝えて呉れ。必ず、麒麟がくる世にして見せる。麒麟を必ず呼んでみせる」

この日、明智十兵衛は天下を取ったのです。

しかし、有力な武将たちは、一斉に沈黙を貫き、光秀につく者はなかったのでした。

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明智光秀の三日天下が終わる。

天正10年6月13日。

秀吉によって、光秀の天下は終わったのでした。

本能寺の変から3年後。




天正13年。

「本能寺の変」から3年後。

秀吉が治める世で、帝は「世が平らかになるのは、いつの世であろう」と発します。

備後の鞆に、足利義昭(滝藤賢一さん)を訪ねた駒(門脇麦さん)が、義昭にある噂について話します。

「十兵衛が生き延びていると言う噂があると言うのはまことか? また会おうぞ」

町なかでは、大勢の人たちが往来していました。そこで駒は、光秀を見かけたのでした。「十兵衛さま。… 十兵衛さま。…」

しかし、人混みにかき消されたように、光秀の姿は消えていたのでした。

完。

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