融資を受けられる?銀行は決算書の何を見て判断をするか。

 

資金繰りは、会社(事業)の生命線。

会社の経営は難しいものです。

それは、会社運営には波があるからです。

どんなに健全に経営している会社や、個人事業者の方でも、

自分で持っている自己資金だけで、会社(事業)の資金繰りを回すのは大変なことです。

 資金繰りが上手く行かなかった場合には、いくら決算上で利益が出ている、優良な会社でも、倒産してしまう場合があるのです。

そうです、資金繰りは、会社(事業)の生命線なのです。

確かに、自己資金だけで会社(事業)を、経営するには限界があります。

銀行からの借入金は、事業を大きくする可能性がある。

その時、大きな力になるのが、金融機関からの借入金です。

更に、事業を大きくしたり、事業に必要な設備を揃える場合にも、他人資本、つまり、金融機関からの借入金を使う事で、

その事業を何倍、何十倍にもする事が、可能になるからです。

決算書を、時系列に見て比較される。

健全な借入金は、事業を大きくする。

ご自分や、自社の資金だけで事業をしても、会社を大きく、成長させるには限界があります。

どんなに優れた製品や、サービスをお持ちの企業でも、売上と支払いの間に、時間差があるのが普通でしょう。

自己資金があれば、その資金で、その間をつなぐ事が出来るでしょうが、

無い場合は、金融機関からの借入で、対処する事になると思います。

また設備投資をする際には、高額な資金が必要となりますから、借入が必要になるでしょう。

設備資金は金額が高額となり、更に償却等があり、借入期間が長くなければ、返済が出来ないでしょうから、

返済財源の検証が求められる筈です。

会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方 [実践編] [ 大手町のランダムウォーカー ]

 

 

銀行の融資審査の、目の付けどころ。

金融機関はどこを見て、融資の可否を決めるのか。

では、金融機関は事業会社のどこを見て、融資の可否を決めるのでしょうか。

色々あると思いますが、その一番の決め手になるのが決算書です。

借入の申込をした際に、3期分以上の決算書と、それに付随する、科目明細の提出を求められる筈です。

決算書は、事業会社の通信簿です。金融機関は、その通信簿を徹底的に調べます。

株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える 決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方 [ はっしゃん ]

 

不良債権の有無を確かめる。

資産勘定に、不良債権がないか調べる。

決算書と科目明細を、金融機関に提出すると、金融機関はこの決算書、科目明細を時系列に分析して、

決算書の中に、不良なものが入っていれば、その分を差し引て決算書を修正します。

赤字でないか。債務超過になっていないか。

そして、その結果、利益が出ている会社なのか、債務超過になっていないか、などを調査するのです。

具体的に、どんなところを見ているかと言うと、赤字になっていないか、

これは経常利益、当期利益などが、赤字になっていないかです。

赤字が何期にも亘って続いているのか、今期だけ赤字になったのかなどです。

更に、債務超過になっていないかも、重要な判断材料です。

何期にも亘って、債務超過が続いていると、会社運営の姿勢も問われますし、

真剣に事業をしているだろうかと、疑がわれ兼ねません。

マンガでわかる 決算書の読み方超入門 [ 羽野 誠一 ]

 

決算書は徹底的に調べられる!

決算書は時系列に調査される。

科目明細を時系列に調査して、売掛金の中に、長期に亘り計上されているものがあれば、

これは回収が困難な債権と判断され、この分が、削除される場合もあります。

資産勘定の中に、回収困難なものが無いかを調べる。

例えば、売掛金の中に、長期に亘って同じ売掛先で、同額の金額が何期にも亘って計上されていれば、

これは資金化するのが、困難な債権では無いかとして、売掛金から除外します。

例えば、ゴルフ場の会員権が、買った時点の簿価で、計上され続けていれば、現在価格に算定し直して、計算するのです。

例えば、短期貸付金の中に、代表者に長期に亘り、貸しているものがあれば、これも回収困難と思われ兼ねません。

この他、資産勘定のなかに、回収が困難と思われるものが、計上されていれば削除されます。

金融機関は貸付した資金が、延滞になったり、回収困難にならないように、決算書を徹底的に調査するのです。

決算書の読み方 最強の教科書 決算情報からファクトを掴む技術 [ 吉田有輝 ]

 

資金繰り表が必要になる時。

決算から、6ヵ月経過した場合には、試算表は必要。

更に、決算時期から、6ヵ月経過していた場合には、その決算書は古いデータとなり、今の経営状況を正確に表しておらず、

その場合には「試算表」の提出を求められます。

試算表と言うのは、毎月の貸借対照表、損益計算書を、数ヵ月先を予想して、作成するもので、

その会社の、数ヵ月先の状況が、把握出来るデータなのです。

それらがクリアーされて始めて、融資が決裁となるんです。

だから、正確な決算書を作成する事は、正しい経営をしていると見なされ、取引に値する会社と、見られる事です。

それは、会社の評価を、良くしてくれる筈です。

資金繰りで、融資を受けようとした時。

一時的に、資金繰りで困った場合、銀行はどのような対応をするのでしょうか。

基本的には、決算書及び、科目明細の提出を求められますが、

その他に、資金繰り表や、在庫明細の提出を、求められる場合があります。

あの企業の儲ける力がゼロからわかる! 決算書の読み方 見るだけノート [ 小宮 一慶 ]

 

資金繰り表で、入出金の予定が分かる。

資金繰りは、会社経営の生命線ですので、基本的には、毎日、毎週、毎月に亘って、資金繰りをやっている筈です。

いつ販売した商品の入金が入るのか。いつ売掛金として受領していた、約束手形が資金化されるのか。

いつ買掛金の支払いを、しなければならないのか。

いつ支払った約束手形や、小切手が、当座勘定から、引き落とされるのか。いつ社員に給料を支払うのか。

このような項目を、時系列化した、資金繰り表を作成して、管理している筈です。

この資金繰り表を見れば、いつ売上代金が、入金するが分かりますので、

それを返済財源として、短期の運転資金の検討をするのです。

だから、銀行は「資金繰り表」の提出を求めるのです。

会社経営には、決算書及び科目明細や、試算表、資金繰り表、在庫明細などは、必要不可欠です。

これらをしっかり作る事が、会社を持続する最良の方法なのです。