相棒Season20第9話『生まれ変わった男』殺された記憶の謎




相棒Season20第9話『生まれ変わった男』“殺された記憶”の謎

特命係の右京さんと冠城亘は、20年前に都内スーパーヤガミで起きた刺殺事件の押収品を返却するため、被害者の妻を訪ねます。

それは被害者家族からの、押収品還付請求を受けてのことで、20年の歳月が流れていました。

犯人はまだ捕まっておらず、被害者の妻は最近まで、チラシを配って情報を集めていたと言いますが、そこでは懸賞金目当てのデマばかりだそうです。

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被害者の生まれ変わりの青年


その最中、「自分は被害者の生まれ変わりだ」と主張する、見知らぬ若い男が現れたと言います。

吉岡翼(今井悠貴さん)と名乗るその男は、

聖洋大学陸上競技部の学生で、小学生の頃から陸上競技の成績が良くて、将来を期待されていました。

吉岡翼は被害者が搬送され、死亡したその日、2001年11月3日に、同じ府中総合病院で生まれたと言うのです。

更に、“殺されたときの記憶”も残っていると言うのでした。

これに興味を持った右京さんは、独自の検証を始めます。

吉岡翼を連れて現場を訪れ、当時の捜査資料と、彼の証言を照らし合わせたのです。

すると、犯人と被害者しか知らない筈の情報を、吉岡翼が記憶していることが判明し、

吉岡翼が被害者の生まれ変わりという主張が、にわかに信憑性を帯びて来たのです。

犯行時間は午前9:00~9:25の間だったようですが、犯人の犯行動機も今だ不明でした。

そして、犯行現場にカードゲームが落されていたのです。

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殺された記憶を持つ青年


吉岡翼の話しによると、「子供の頃から同じ夢を何度も見ているし、前世の記憶だったんです」とし、

犯行現場を見た彼は「夢で見ていた駐車場だ」と言ったのです。

そして、最近の陸上競技成績は「ずっとスランプで、タイムが伸びないんです」と、その悩みを打ち明けました。

スーパーの社長によると、事件のあった日は、空調設備の点検を依頼した日でした。

そして男の声で「太陽って叫んでいたのが聞こえた」と証言したのです。

右京さんと冠城亘は、吉岡翼の父親に会うため訪問しました、

当時の参考人調書によると、その日のスーパーに吉岡翼の父親が来ていて、店内を走り回っていたと言う事を、父親に告げると、

それはその日、妻に陣痛が起き、オムツを買うためにスーパーに立ち寄って、病院に駆けつけた為と話したのです。

その様子を聞いていた吉岡翼は、「嘘だ! 何か隠しているんだろう」と発しました。

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お正月のバースデーケーキ


吉岡翼の家では、翼が5才になるまでの写真は処分されたようで、何度も引っ越しを繰り返し、親戚付き合いもしていなかったのです。

右京さんは、吉岡翼の家に飾ってある、1枚の家族写真に眼が留まります。「お正月にホームケーキとは珍しい」

それは、家族3人で撮った写真で、鏡餅を飾った部屋でバースデーケーキを前に写した写真だったのです。

そんな中、吉岡翼が突然ナイフで腹を刺されたのです。

それは電工ナイフでした。病室を尋ねた右京さんに対して、

吉岡翼は「あの人を追い詰めたのは僕なんです」と、当時の被害者の妻をかばっていたのでした。

事件を調べている右京さんは、吉岡翼の父親が、スーパーでオムツを買ったというオムツは、Lサイズのオムツだったのです。

と言うことは、事件が起きた時、父親が買ったオムツは、新生児のためのものでは無かったことになります。

彼は既には生まれていたのではないか? 父親が「太陽」と叫んでいたのは、子供の名前を呼んでいたのではないか?

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前夫のDV被害から逃れた母親


吉岡翼の母親は父親と結婚する前に、別の男と結婚していましたが、

その男のDV被害の恐怖から逃れていましたが、母親の胎内には新しい命が宿っていたのです。

そしてその男との離婚後、吉岡翼の父親と結婚しましたが、

生まれて来た「太陽」君を、前夫の戸籍に入れるのを嫌がり、無戸籍の状態で育てていたのですが、

その後、再婚相手との間に次男が生まれましたが、

その子が幼いころに病死したため、無戸籍のままだった「太陽」君を、翼として育てて来たのだったのでした。

だから、吉岡翼は子供の頃、他の同年齢の子供より、体力や筋肉が発達していたので、陸上競技で良い成績を出せたのでした。

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殺害に使われたアーミーナイフ


右京さんは、スーパー「ヤガミ」の社長が殺害現場では「グリップの赤いナイフが刺さっていた」と言う証言に注目しました。

それはアーミーナイフでしたが、現場に残されていたのは電工ナイフだったからです。

事件の当日、スーパー「ヤガミ」の社長の息子は高校生で、

偶然見かけた「太陽」君を気に入りと話しをして、カードゲームを与えていました。

そして、自慢のアーミーナイフを見せている所を、被害者が見つけて、

ナイフを手にしていたことから、子供の危害が及ぶと勘違いした被害者が注意し、

警察に通報すると言われたことから、持っていたアーミーナイフで殺害してしまったのでした。

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贖罪の機会を与えるべきだ


その後、殺害現場に来た社長は、被害者の身体にアーミーナイフが刺さっているのを見て、

息子が遣ったと直感し、ナイフを取り換えたのだったのです。

親なら誰だって子供を守ると抗弁した社長に対し右京さんは、「親ならもう少し早く息子さんを楽にしてあげるべきでした」として、

息子に殺害した贖罪を与えるべきだと伝えたのです。

吉岡翼は「お二人が僕の話を聞いてくれたお陰です」と言うと、

右京さんは「翼君の誕生日は1月1日ではないでしょうか」と話して、お正月のケーキの謎が解けたのです。

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