運転資金の借入限度額の目安は月商の3倍。決算書がポイント

 

運転資金は、事業の生命線。

事業を経営していれば、運転資金の必要に、迫られる事があると思いますが、そんな時、どうしてますか。

現金・預貯金があれば、それを運転資金に手当てすれば良いのでしょう。

でも、手元に、現金・預貯金が無ければ、金融機関からの借入に頼ざるを得ません。果たして、銀行は運転資金を貸して呉れるのでしょうか。

運転資金を借入するには。

銀行は決算書のどこを見て審査するの。

借入をするには、決算書の内容が重要になって来ます。金融機関は、決算書のどこを見て、審査をするのでしょうか。

決算書には、貸借対照表と損益計算書があります。決算期が3月ならば、貸借対照表には、3月31日時点の計数が表示されます。

決算書は、会社の通信簿。

貸借対照表。

貸借対照表は左に資産の部、右に負債の部と資本が表示され、それぞれの勘定の合計が、イコールで表示されます。

ここで重要なのが、資産勘定に不良債権が、含まれていないかという事です。

長期に亘り、回収が出来ないままの、売掛金が計上されていないか。

有価証券が、株価が下がってしまっても、元の株価のまま、つまり簿価で、計上されていないか等です。

そのようなものを修正すると、債務超過になってしまっていませんか。

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決算書から不良債権は削除。

不良債権が入っていれば、決算書を修正する

銀行では、お客さまからお預かりした、決算書を 詳細に分析します。

科目明細書を、年度毎に対比させ、

資産勘定に、計上されている債権が、正常で、回収に懸念が無いものなのかを検証するのです。

売掛金として計上されているものが、何年にもわたり同じ金額で計上されていれば、

これは、回収が困難な債権として判定され、修正した決算書に作り変えます。

損益計算書。

一方、損益計算書では、経常利益や当期利益がプラスになっている事は、その企業の評価を高くしますが、

決算書の損益計算書は、その年の、1年間の合計の損益であって、今時点の損益ではないのです。

いくら、決算書の内容が優良でも、それは、決算日の数字であって、いま現在の数字ではありません。

企業は生き物ですから、常に変化して行き、良い時もあれば、悪くなる時もあるのです。

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黒字決算でも、資金繰りが悪いと倒産する

黒字倒産。

「黒字倒産」と言う場合があります。いくら、前期が素晴らしい決算書で、申し分のない内容だったとしても、

売上が一時的に減少するとか、売掛金の回収が、一時的に遅延する場合があります。

そんな時に、約束手形の期日が来て、当座預金にお金の準備が出来ないようであれば、倒産してしまう事を言うのです。

その時には、預金があれば、それで手当すれば済みますが、無い場合には、借入金に頼らざるを得ません。

また、安定した経営して行くには、ある程度の金額の資金を、運転資金としてプールしておく事は、重要なことです。

そのためにも、銀行からの借入金は、重要な資金調達手段です。

借入金によって、一時の入出金のズレを、補填する事が出来るので、やはり借入を準備しておく事は、検討に値する事だと思います。

そんな時に預金があれば、それで手当すれば済みますが、無い場合には借入金に頼らざるを得ません。

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運転資金の調達は、なるべく早めにする。

運転資金の調達目安は、概ね、月商の3ヵ月分。

その時、借入可能な、運転資金の調達目安は、概ね、月商の3ヵ月分と、言われています。

運転資金は、多いに越した事はありませんが、それを借入金で賄う場合、銀行は無制限に運転資金を、貸してはくれません。

それは、その企業が、自助努力をすべきと言う、意見もあるからです。

仕入資金、買掛金決済、給与支払い、公共料金など絶対に、遅延する事は許されません。

遅延する事は、対外的に大きく信用を、失墜させてしまいます。

そのためにも、適正な運転資金を利用する事は、大きなメリットが、あると思います。

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平常時の時こそ、借入の対策を考える。

借入金の対応は早めにする。

その時になって、慌てないためにも、早め、早めの対応をすべきです。

順調に行っている時は、各種計数も安定しているので、借入も上手く行く筈です。

決算内容が良い時は、借入のチャンス。

また、良い内容の決算書であれば、銀行はこぞって融資の勧誘に来るはずです。

その場合は、運転資金の借入は、長期で資金調達しておくのが良いでしょう。

その期間は、概ね3年~5年です。このサイクルで借入して、融資残高が減って来たら、

更に新規の融資を受けて、融資残高が減少している分を、返済するようにしておくのが、良いと思います。

取引銀行が複数ある場合は、保証協会付の融資や、信用のプロパー融資を組み合わせて、申込むのが良いと思います。

決算内容が良好であれば、保証協会の保証を付与しなくても、その銀行の、プロパー融資で、対応してくれる事もあるでしょう。

そうなれば、保証料を支払わずに済みますので、更に経費の改善に繋がります。

運転資金を借り入れた事で、余剰金が発生すれば、プールしておけば、その資金は事業を、安定させる事でしょう。

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