心に残る有名なミステリー小説の名言・一文・決めセリフ。




心に残る有名なミステリー小説の名言・一文・決めセリフ。

ミステリー小説はお好きですか? ワクワクドキドキするミステリー小説の中に、心に残る名言や、決めセリフがあります。

レイモンド・チャンドラーの作り出したフィリップ・マーロウ。

アガサ・クリスティのエルキュール・ポアロ。そして、永遠の名探偵シャーロック・ホームズ等々です。

そんな彼らの言葉を探してみませんか。ミステリーには名言が良く似合います。


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レイモンド・チャンドラー


アメリカハードボイルドの雄。

レイモンド・チャンドラーは、アメリカの探偵小説家です。

彼はハードボイルドの探偵小説を、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公にして執筆しています。

レイモンド・チャンドラーは、1888年にイリノイ州のシカゴ生まれ、幼少期に両親とネブラスカ州ブラッツマスで過ごします。

土木技師の父親はアルコール中毒でもあり、チャンドラーが7歳の時に、家族を捨てて去ってしまいます。

1900年、チャンドラー12歳、母親はロンドンに移り住み、彼はパブリックスクールで、古典教育を受けました。

1907年、チャンドラー19歳、公務員試験を受けるためにイギリスに帰化。試験に合格し、イギリス海軍本部に就職します。

しかし、折角勤めた海軍を1年で退官し、新聞記者、フリーライターとなり、文芸雑誌に寄稿し始めます。

そして、第二次世界大戦後に小説を書き始めたのです。

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫) [ レーモンド・チャンドラー ]



処女作長編『大いなる眠り』


1939年、処女作長編『大いなる眠り』を発表し、探偵フィリップ・マーロウの登場となりました。

2作目の『さらば愛しき女よ』は、映画化もされました。

そして名作の誉れ高い『長いお別れ』、この3作品が、レイモンド・チャンドラーの代表作ではないでしょうか。

『大いなる眠り』では、スターンウッド将軍の娘が脅迫されている事件の依頼を受けて、脅迫状の差出人の家を訪ねると、

2発の銃声を聞いたマーロウが、部屋に飛び込むと、

そこには、秘密の写真撮影をしている現場で、男の死体と裸身の将軍の娘を目にしたのです。… …。

大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) [ レーモンド・チャンドラー ]


フィリップ・マーロウの名言。


レイモンド・チャンドラー『プレイバック』


“If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.” (「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」)



1958年刊の『プレイバック』は、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第7作にして、

チャンドラーの遺作となったミステリーです。

フィリップ・マーロウは依頼を受け、ユニオン駅で特急から降りた女を尾行します。

彼女は駅で男と話した後、サンディエゴへ行きホテルに宿泊しました。

それを追ってホテルに泊まったマーロウの部屋に女が現れ、彼女の部屋のベランダに、駅で話していた男の死体があると言う。

しかし、マーロウが部屋を訪ねてみると、男の死体は消えていました。

この小説には、「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」

と言うハードボイルドの代名詞とも言う台詞があります。

この台詞は、日本ではとても有名ですが、現在でも日本以外では、この台詞はそれほど有名ではないらしいのです。

プレイバック (ハヤカワ・ミステリ文庫) [ レイモンド・チャンドラー ]


レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』


 “To say Good bye is to die a little.” (「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」)


【抽出】

相棒SEASON5 名探偵登場!右京とチャンドラーのマーロウ



ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』


妻と喧嘩し、ただ一人町をさまよっていた男は、奇妙な帽子をかぶった女に出会います。

彼は気晴らしに、その女を誘ってレストランで食事をし、カジノ座へ行き酒を飲んで別れました。

そして家に帰ってみると、喧嘩をして家に残してきた妻が、彼のネクタイで絞殺されていたのです。

刻々と死刑執行の日が迫る中、彼のアリバイを証明すべく、”幻の女”を探します。

しかし女は一向に現れず、更に一緒にいる姿を見ている筈の人々までもが、女を見ていないと証言するのです。

一体何が起きているのか? なぜ、女は姿を現さないのか?

ウィリアム・アイリッシュの『幻の女』は、1942年に発刊されました。

約80年前に刊行されたサスペンスですが、全く色褪せてないく臨場感で、読者を魅了します。

いったい何が起こっているのか、分からないまま始まり、途中新たな展開がなくなった時に、絶望感が襲いかかり、

そして、死刑執行に向かって加速する終盤、更に最後のどんでん返しが待っています。

幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) [ ウイリアム・アイリッシュ ]

 

『幻の女』の名言。

ウィリアム・アイリッシュの『幻の女』


“The night was young and so was he. But the night was sweet and he was sour.” 

(「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」)


「ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉をさがしはじめる。」



アガサ・クリスティ。




エルキュール・ポ

アガサ・クリスティの名言には、こんな言葉があります。


「人生の悲劇は、人は変わらないということです」


「人生で本当に重要な瞬間は、手遅れになるまでわからない」


アガサ・クリスティの作り出した、エルキュール・ポアロは19世紀中頃に生まれた、設定になっています。

ベルギー南部のフランス語圏の出身で、ベルギーのブリュッセルで警察官として働き、署長になった後退官します。

エルキュール・ポアロは、第一次世界大戦中に、ドイツ軍の侵略により、イギリスに亡命し、

イギリスの富豪夫人の援助を受けて、エセックス州の小さな村にある、スタイルズ荘の傍の、コテージで生活を始めるのでした。

そこで以前ベルギーで知り合いだった友人の、アーサー・ヘイスティング大尉と再会し、

『スタイルズ荘の怪事件』を解決するのです。

その後は、ヘイスティング大尉と同居し、探偵として活躍し、数多くの難事件を、解決するのでした。

だから、『スタイルズ荘の怪事件』は、ポアロとヘイスティングにとっては、

出会いと共に、最初の難事件解決の、スタートとなる事件だったのです。

エルキュール・ポアロは、身長163㎝の小男で、ピンと跳ねた大きな口髭を蓄え、「灰色の脳細胞」の持ち主です。

そして、事件が解決に近づくとあの言葉を発します。


「私の小さな脳細胞が動き始めた」


『スタイルズ荘の怪事件』『ABC殺人事件』や『ナイルに死す』など多くの名作がありますが、

人気の高いのは『オリエント急行殺人事件』かもしれません。

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]



『ABC殺人事件』


『ABC殺人事件』(The ABC Murders)では、エルキュール・ポアロの元に届いた、1通の挑戦状から物語が始まります。

その挑戦状に、記されていた予告通りに、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺され、

その現場には不気味な『ABC鉄道案内』が、残されていたのです。

それに続き、第2、第3の挑戦状が届き、Bの地で、Bの頭文字の娘が、

Cの地で、Cの頭文字の紳士が、殺されて行き、連続殺人事件が起きるのでした。

こうした、謎めいたストーリーの展開で読者は、アガサ・クリスティーの世界に、魅了されることになるでしょう。

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]



エルキュール・ポアロの名言。




『スタイルズ荘の怪事件』


「想像力を働かせすぎるんですよ。想像力はよき下僕だが、主人には不向きだ。もっとも単純な説明が、いつでもたいてい当たっているんです」


「わたしにもわからない。いいですか、わが友、どうしてもわからない。わたしが──エルキュール・ポアロがですよ!」


『オリエント急行殺人事件』


「わたしは専門家がやるような方法は使わない主義なのです。わたしが求めているのは心理的なもので、指紋や煙草の灰ではないのです」


「トリックですよ。そのトリックを見破るのがわたしたちの仕事なのです」


「偽物に気づく者がいるとすれば、それは本物だけですよ」


「そうそう、答えにはひとつずつ近づいていかなければなりません。「あせらずあせらず」が大事です」


「一度に一歩ずつ、それでなくてはいけないのです」

オリエント急行殺人事件(1) (角川文庫) [ アガサ・クリスティ ]


ところで「ポアロ」なのか「ポワロ」なのか迷います。

日本では “Poirot” について「ポアロ」と「ポワロ」の二つの表記が存在しますが、

フランス語でoiは「ォワ」という感じに発音するため、後者のほうが原音に近いようです。

以前は「ポワロ」と表記することが多かったが、

「ポアロ」表記をしている早川書房が翻訳独占契約を結んだため、「ポアロ」という表記が世間に広まったそうです。

名探偵ポワロ [完全版] 全巻DVD-SET [ デヴィッド・スーシェ ]

 

【抽出】

アガサクリスティーの『スタイルズ荘の怪事件』でポワロ登場



ナン・ドイル。


シャーロックホームズ

コナン・ドイルの代表作『緋色の研究』(A.Study in Scarlet)では、

シャーロック・ホームズが下宿している家へ、伝記作家ジョン・H・ワトソン医師が、共同生活者としてやって来ます。

シャーロック・ホームズの容姿は『緋色の研究』で、詳細に描かれています。

体格は痩身で、身長は、少なくとも6フィート(約183センチメートル)以上と長身らしく、鷲鼻で角張ったあごが特徴です。

ベーカー街221Bの部屋の中には、科学実験装置が置かれ、ロッキングチェアに腰掛け、

ゆっくりとパイプ煙草を燻らし、2階の小窓から、霧にむせぶロンドンの街並みを、眺めるホームズがいるのです。

作者のコナン・ドイル自身は、ホームズが、とがった鼻のインディアンの様な、風貌を想像していたようです。

そして『緋色の研究』有名な場面が現れます。

シャーロック・ホームズは、始めて出会ったワトソンに対して、

アフガニスタンに従軍し、戦場で左肩に重傷を負い、イギリスに送還された軍医でしょうと、言い当てた推理を披露するのです。

更に、見知らぬ男の前歴も言い当てしまいます。

そんなホームズの観察力、推理力に驚かされるようにして、読者を推理小説の世界へ誘うのでした。

緋色の研究 (角川文庫) [ コナン・ドイル ]


シャーロック・ホームズの名言。

『緋色の研究』


「手品師はいったん種明かしをしてしまったら、もう感心されないし、尊敬もされなくなる」


「ぼくの捜査方法にしてもおなじだ。きみにあんまり手のうちを明かしすぎると、なんだ、所詮はおまえもただの凡人じゃないか、ってな結論を出されかねないからね」


『四人の署名』


「ぼくはけっして名利はもとめない。ぼくの名が新聞紙上を飾ることもない。ただ純粋にその仕事そのもの、ぼくの独特の能力を発揮できる舞台を見いだす喜び、それだけがぼくにとってのこのうえない報酬なのだから」


「ぼくはけっして当て推量はしない。当て推量なんて、とんでもない悪習だよ。論理的な能力を損なうだけのものさ」

四人の署名 (創元推理文庫) [ アーサー・コナン・ドイル ]


『シャーロック・ホームズの冒険』

「ボヘミアの醜聞」


「そりゃそうだろうさ。きみはたしかに見てはいる。だが観察はしない。見るのと観察するのとでは、大ちがいなんだ」


「花婿の正体」


「見えなかったんじゃなくて、気づかなかったんだよ、ワトスン。どこを見るべきかを知らないから、大事なところをみんな見落としてしまう」


「くちびるのねじれた男」


「ねえ、ワトスン、きみは沈黙というすばらしい資質に恵まれているね。だからこそきみは、かけがえのない旅の道連れなんだ」


『バスカヴィル家の犬』


「肝心なのは、なにがあったかを知ることじゃなく、それを証明することなんだ」

バスカヴィル家の犬 (角川文庫) [ コナン・ドイル ]

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【抽出】

シャーロックホームズの『緋色の研究』の探偵事務所は、ベーカー街221B。


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