渋沢栄一がお札で登場。
紙幣が刷新されるようです。政府は数年後を目途に、お札の肖像画を刷新する、準備に入ったと報道されています。
一万円札は、渋沢栄一、五千円札は、津田梅子、千円札は、北里柴三郎になるようです。
新しい、日本のお札の顔ぶれですが、一方で、電子マネーの登場で、お金のキャッシュレス化も、進んで来ています。
日本資本主義の父と、呼ばれた男。
日本資本主義の父。
満を持しての、渋沢栄一の出番となったように見えます。
渋沢栄一と言えば、日本の資本主義の父と、呼ばれる人物です。
日本の経済発展に、大変尽力をした人で、第一国立銀行 (現、みずほ銀行)を開業させ、頭取にもなりました。
また、日本女子大学校 (現、日本女子大学)の開校を行い、校長にもなりました。
彼は500余りの、会社の設立を手掛け、600以上の、慈善事業を、手掛けたと言います。
関わった、主な会社は、国立第一銀行 (現、みずほ銀行)、抄紙会社 (現、王子製紙)、
大阪紡績 (現、東洋紡績)、東京海上保険会社 (現、東京海上日動)、東京瓦斯 (現、東京ガス)などです。
この他に、東京株式取引所、東京手形交換所の、設立にも関わったようです。
パリ万博に行き経済の重要性に目覚める。
渋沢栄一の生い立ち。
彼は1840年、武蔵国(現在の埼玉県深谷市)の、豪商の長男として生まれ、25歳で一橋慶喜に仕え、
28歳でパリ万国博覧会として、フランスに渡り、30歳で大隅重信に説得され、明治新政府に仕えました。
34歳で、国立第一銀行を開業させ、62歳の時に、日本女子大学校を開校させました。
そして、77歳で実業界を引退し、92歳で永眠しました。
こうしてみると、凄い勢いで、事業を実現させて、日本の近代化を牽引しています。
彼は公益のために、仕事をしなければならないとして、
自分と他者の利益を、調和させる考え方として「道徳経済合一致」を掲げていました。
『論語と算盤』
大谷翔平選手も読んだ、『論語と算盤』。
1916年に出版した『論語と算盤』は、彼が各地で講演した内容を、一冊に纏めたもので、道徳と経済を調和を説いています。
日本ハムファイターズ時代の、大谷翔平選手が、この本を読んで、目標設定シートを書いた事で、更に再読されています。
『論語』は孔子の言行録で、人はどう生きるべきか、どう振る舞うべきかを説いています。
渋沢栄一は、こんな言葉を残しています。
「不誠実な行為で得た利益は、決して永続するものではない。」
「自分を磨くと言うことは、自分の心を耕し、成長させることだ、理想の人物や、立派な人間に近づけるよう、少しづつ努力する事を意味している。」
ドラッガーは、かく語り。
経営の神様、ドラッガーは、彼の著書『マネジメント』の日本語版の序文で「企業の社会的責任」の先駆者と銘記し、渋沢栄一を称賛しています。
「経営の『社会的責任』について論じた歴史上人物の中で、かの偉大な、明治を築いた人物に一人である、
渋沢栄一の右のでるものを知らない」と記載しています。
渋沢栄一のお札の刷新で経済効果は。
2024年上期に紙幣が刷新され、渋沢栄一が新一万円札の顔になるニュースが流れた日、
東京証券取引所では、紙幣関連銘柄に買い注文が殺到しました。
その中でも、紙幣識別機製造の日本金銭機械と、現金処理機大手のグローリーは、
一時、値幅制限いっぱいのストップ高になりました。
お札の刷新は、1兆6千億円の経済効果。
お札刷新の経済効果は。
株式相場は、このニュースに敏感に反応しました。さすがに、渋沢栄一は、日本資本主義の父の証しです。
彼が、東京株式取引所の設立に、関わった事を考えれば、感慨も、ひとしおです。
また、紙幣刷新による経済効果は、1兆6千億円になる、試算も出て来ました。
渋沢栄一の名言。
そんな渋沢栄一の名言があります。
「論語とソロバンと言うかけ離れたものを、一つにすると言う事が最も重要なのだ。」
☆1916年に出版された渋沢栄一の著書『論語と算盤』は、各地を講演した内容を、一冊に編纂したもので、
孔子の言行、「人は如何に生きるか」の道徳と経済を調和する事が、重要だと説いています。
「真の富とは、道徳に基づくものでなければ、決して永くは続かない。」
「長所を発揮するように努力すれば、短所は自然に消滅する。」
☆自分の強みを生かして、自分を発揮出来れば、自分に自信が持てるようになります。
自分の長所を生かす事は、成功への一番の近道です。
「社会のために尽くす者には、天もまた恵みを与えてくれる。」
☆彼は、公益のためになる仕事を、しなければならないと説いています。
「数字算出の確固たる見通しと、裏付けのない事業は必ず失敗する。」
☆物事を進めるためには、キチンとした計数に基づく計画を、しっかり立てる事が重要で、
そうした調査も検討もしないで、物事を進めようとすれば失敗する。
「夢なき者は理想なし。理想なき者は信念なし。信念なき者は計画なし。計画なき者は実行なし。実行なき者は成果なし。成果なき者は幸福なし。ゆえに幸福を求むる者は、夢なかるべからず。」
☆幸福への輪廻です。
「入るを計りて、出(いず)るを節す。」
☆収入を計算して、それに見合った支出を心掛ける、財政の心構えの言葉。「身の丈に合った」生活を心掛ける事でしょう。
渋沢栄一がお札の刷新で技術の伝承に貢献
今回の紙幣の刷新は、20年振りとなるようで、その理由は、偽造防止と言う事らしいんですが、もう一つ理由があるようです。
それは、紙幣の刷新を、適度なタイミングでやって置かないと、新紙幣をつくる技術の継承が、出来なくなってしまうと言う訳です。
紙幣の刷新は、技術者の伝承でもある。
仕事の伝承。
確かに、20年に一度の仕事では、紙幣作成に従事する人が、定年までに、2回携われるか否かです。
偽造防止のために、精度の高い技術を取り入れて、作る紙幣ですので、技術の継承は欠かせない問題です。
農家の方に聞いた話ですが、米農家と言えば、お米作りの専門家と受け取られるが、
会社勤務を経験した後、親の代を継承して農業に携わった場合、
40歳~70歳まで米作りをしたとしても、たった30回しか、米作りを経験出来ないと言っていました。
だから、仕事の継承は、それだけ難しいと言う事のようです。
お札の顔になる条件とは。
「紙幣の顔」。
今回の「紙幣の顔」は明治以降で、写真が残っている文化人が、条件だったようです。
政治色の強い人や、軍人は排除し、昭和以降に活躍した人は、まだ評価がしにくいと言うことから、除外されたようです。
つまり、ノーベル賞受賞者の、湯川秀樹や川端康成は、昭和の偉人であり、時期尚早と、言う事になったようです。
紙幣の刷新で銀行のATMはどうなる。
紙幣刷新と経済動向。
紙幣刷新による経済効果が、1兆6千億円になる予想が出て来て、特需の期待もあるようですが、
キャッシュレス化が進んでいる現代で、過去の刷新時のような、経済効果があるかは、不透明のようです。
全国に245,000台あると言われている、銀行のATM(現金自動預け払い機)では、
機械の取り換えや、改修作業をしなければならなくなるようです。
銀行はゼロ金利、マイナス金利の影響で、収益環境が悪化しており、ATMを減らす方向に動いています。
また、ATMを銀行間で、共通化する動きがあるようなので、紙幣関連企業に特需が再来するかは、定かではないようです。
「スイカ」「パスモ」「ペイ」
キャッシュレス化の時代。
世の中の流れは、キャッシュレス化に、向かっている事は、確かなことです。
「スイカ」や「パスモ」の普及で、私たちはキャッシュレスの便利さを認識しました。また、最近「ペイ」も登場しました。
カード決済であればポイントが貯まるし、そもそも、カード利用の場合は、現金よりも値引き率が、良い機会に度々遭遇します。
現金を扱う現場にとっては、現金は、負担とリスクが、大きいのです。
渋沢栄一はこんな事を言っています。「丁度良い塩梅で富を築いてゆく」中庸な考え方です。
現金も良いし、キャッシュレスも良いでしょう。要は、頃合いが、大事だと言っているようです。
「【お金の名言】渋沢栄一が、新一万円札の顔になる。」への2件のフィードバック
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