ビルの屋上から、飛び降りしようとしている中年女性。それを右京さんが思い留めます。
話を聞いて見ると、夫との離婚で受け取った、500万円の慰謝料の全額を、詐欺にあったそうです。
詐欺師は資産運用だとして、3回に分けて、詐欺をし続けたようでした。
テレフォンカードが気になった右京。
その詐欺師グループを捜査していた、経済事件を扱う捜査二課の係長・尾崎(及川いぞうさん)が、遺体で発見されます。
頸動脈を損傷し、胸のポケットにあった、録音機能付きのボールペンが、焼かれた状態で刺さっていたのです。
現場に向かった右京さんは、冠城亘が発した「テレフォンカード懐かしいですね」に着目し、
尾崎係長の遺留品の、財布の中に在った、テレフォンカードが気になります。
そして、財布の中に在った、昨日買った洗剤のレシート、2,980円にも興味を示すのでした。
捜査二課の同僚の刑事が言うのには、、この犯行は、「尾崎が追っていた詐欺グループの仕業に違いない」と言うのです。
|
不自然な買い物とレシートの謎。
独自の捜査に乗り出した、右京さんと冠城亘は、尾崎係長が死の前日にしていた、不自然な買い物に着目します。
そのレシートを頼りに向かった先で、実演販売をしていた酒井直樹(山本浩司さん)と言う、洗剤の実演販売人から、話を聞いたです。
酒井直樹は、洗剤の汚れ落ちの凄さを強調していて、この洗剤であれば、何でも落とせると、豪語していたのです。
「やはり、口が物を言う商売の人は、流石ですね」それに対して酒井は「あなたのような疑い深い客は論外」とけん制します。
しかし、酒井は口達者な食えない男で、実演販売には「目利き」が必要だと言って、これといった、手掛かりらしきものは得られなかったのですが、
右京さんは、この酒井と言う男が、妙に気になり出します。
50過ぎの男が高価な洗剤を何故買うのか。
それと言うのも、尾崎係長がアメージング・ウォッシュと言う高価な洗剤だけを買うために、
ショッピングセンターの、実演販売のところに行く意味が、何だろうと、疑問を持ったからでした。
「50過ぎの男が、こんな高いものを買うもんでしょうか」
そして、もう一つの疑問が、尾崎係長がショッピングセンターに行く前に、公園で何かを探しているような、映像が残されていましたが、
公衆電話とテレフォンカード。
これを調べて見ると、その公園には、以前、公衆電話が設置されていましたが、事件当時には、撤去されていた事が判明したのでした。
それで、尾崎係長はあると思っていた、公衆電話を、探していた映像ではなかったかと、推理したのです。
公園の公衆電話、そして、尾崎係長の財布に入っていた3枚のテレフォンカード、この関係から、
「単なるお友達に電話をしたんでしょうか」とし、ある推測をする、右京さんだったのです。
捜査一課と捜査二課の確執。
一方、捜査本部では、尾崎係長の追っていた組織は、3年前も同様の手口で、犯行を重ねていたグループだと、当たりをつけていました。
当時、その組織には、尾崎係長の捜査協力者を、殺害した疑いが浮上したものの、証拠不十分で罪に問えなかったと言うのです。
そして、お決まりの、殺人事件は自分たちの管轄だと主張する一課と、一連の事件に因縁があるとする二課が、激しく対立する中で、
右京さんと冠城亘は、酒井と尾崎係長の、意外な繋がりに気付くことになるのです。
夜の「こてまり」に右京さんと冠城亘の姿がありました。
冠城亘のお土産の例の、アメージング・ウォッシュと言う高価な洗剤に、女将の小出茉莉は、
「商品名に偽りなしですね」、汚れが良く落ちると、好評だったのです。
実演販売員の前歴。
特命係が追う実演販売員の男・酒井直樹には前歴があったのです。
彼が刑務所で服役している時に、尾崎係長から手紙を貰っていて、出所後は、尾崎係長の捜査協力者となっていたのでした。
そして、殺害された捜査二課の尾崎係長にも、別の顔があったのです。
3年前の事件を調べる内に、詐欺グループ関係者・兵頭武夫と繋がりが出来て、金銭を貰う事態になっていたのです。
そして、そんな良心の呵責に悩み、自殺したのでした。
尾崎係長が自宅で、自殺したのを発見したのが、係長から面倒を見て貰っていた、酒井直樹だったのです。
彼は、尾崎係長の名誉を守る為に、自殺ではなく、殺害された事にしたかったのでした。
それで、尾崎係長の亡骸を運び出し、自宅を自殺の痕跡がないように念入りに、掃除をし、血痕の痕跡を全て消したのでした。
その結果、尾崎係長の自宅には、尾崎係長の指紋の一つも無かったのです。
自宅に指紋が残されていない事を、当初より右京さんは、不審に思っていたのです。
掃除のプロは『科捜研の女』に酷似する。
血痕の痕跡を全く残さず掃除をするのは、素人には無理です。そこに、掃除のプロの酒井直樹の、出番があったのです。
この話、どこかで見たと思ったら、『科捜研の女』で、やはり掃除のプロの女性講師が登場し、
大根の絞り汁を使って、殺害現場を消してしまう、トリックが出て来ていました。
なので、このトリックは、マリコさんの方が先だったのです。
ミステリーで「掃除のプロ」が登場したら、
血痕の痕跡を、全て消し去る技術があることを、念頭に置いておくと、推理の見方が違って来るようです。
|
掃除のプロは右京さんを怖がっていた。
最後のシーンは、デパートの屋上で、酒井直樹が実演販売をしているところに、右京さんと冠城亘がやって来ます。
右京さんは酒井直樹に言います。
「どうしても隠したいものが一つだけあったのでしょう。遺書ですよ」「書斎には、遺書が残されていた。そうですよね」
「尾崎さんの名誉だけは、守ろうとした」そうですねと。
そこで、酒井直樹は右京さんに、最初に出会った時に、右京さんの「目利き」の凄さを感じていて、
こうなることを、薄々、感じていたと言うのです。
「あなただけは騙せない」と。
「すべてはあなたを守る為だったんですよ」「あなたも目利きなら、尾崎さんのことを、そこまで理解すべきでした」
「相棒Season19 第3話目利き~科捜研の女の掃除の話と酷似?」への33件のフィードバック
コメントは停止中です。