『麒麟がくる』タイトルの意味は?セリフ名言から麒麟を考察

 

大河ドラマ『麒麟がくる』。

NHKの看板番組と言えば大河ドラマでしょう。

NHK総合の日曜日、午後8時と言えば、大河ドラマと言うイメージが、多くの日本人の中にあると思います。

大河ドラマを観終わると、日曜日が終わった、また明日からの、月曜日から頑張ろうと思うのは、私だけでしょうか。

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信長の腹心、明智光秀のドラマが始まる

戦国時代と幕末が人気がある。

大河ドラマの人気の時代は、戦国時代と幕末で間違いないでしょう。

多くの魅力ある武将たちが群雄割拠し、国盗り物語をした戦国時代と、

もう一つは幕末で、徳川時代の終焉が迫る中で、新しい日本の行く末を探し出す男たちが、奔走した時代ではないでしょうか。

時代の変革期には、面白い人生ドラマが待っています。

2020年の大河ドラマは、織田信長の家臣として仕え、「本能寺の変」で、主君殺しの悪役となった、明智光秀が、主人公です。

第1回の放映では、19.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)の、高い視聴率をあげました。

一部には、時代背景としては、衣装の色彩が鮮やか過ぎた、との意見があったようですが、良い滑り出しをしたようです。

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平和の象徴だと言う伝説上の動物、麒麟。

麒麟とは、いったい何物でしょうか!

さて、『麒麟がくる』の麒麟ですが、麒麟とは一体、何なのでしょう。

麒麟は伝説上の動物(qilinチーリン)で、

中国神話に現れる伝説上の霊獣で、獣類の長とされ、鳥類の長である鳳凰と、比べられる存在です。

日本と朝鮮では、この想像上の動物を、実在の動物であるキリンと、呼んでいるようです。

麒麟の形態は、形は鹿に似ていて背丈は5m、顔は龍に似ていて、

牛の尾と、馬の蹄を持ち、1角の角を持ち、背中の毛は5色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗があるとされています。

性質は、普段は極めて穏かで優しく、足元の虫や植物さえも、踏むことを恐れるほどに、殺生を嫌う性質です。

神聖な幻の動物と考えられ、1,000年生きると言われています。

麒麟を傷つけたり、死骸に出くわすことは、不吉な事だと言われているのです。

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紀元前200年の『礼記』に記された麒麟。

平和な世に現れる「麒麟」と言う端獣。

『礼記』によれば、麒麟は、王が仁のある政治を行なう時に現れる神聖な生き物「端獣」とされ、

鳳凰、霊亀、応竜とともに、「四霊」と総称されている事から、幼少から秀でた才を示す子供を、麒麟児と称するようです。

『礼記』とは、周から漢(紀元前200年頃)にかけて、儒学者がまとめた、礼に関する書物を編纂したもののようです。

一説によると、牡(オス)を麒、雌(メス)を麟と言うそうです。

牝には角が無く、牡の持つ角は、ヨーロッパのユニコーンに於ける角と同様なもののようです。

五色で彩られた身体を持つ麒麟は、武器であるその角は、先端が肉で覆われているため、相手を傷つけることがないとされています。

そして、麒麟は聖天子の治世に限って出現する端獣とされ、

麒麟は平和な世に現れると言われており、昔から人々は福を求めて、麒麟を崇めて来たのです。

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誰が平和の使者、麒麟を連れて来るのか。

戦乱を終わらせる人物が、麒麟を連れてくる。

こうして、戦乱の世を終わらせる人物が、麒麟が連れて来ると言われていて、

麒麟が来ると言うことは、平和な世になる意味だったのです。

春秋戦国時代の、戦乱の時に、孔子は麒麟を見たと言っていたそうです。

さて、大河ドラマ『麒麟がくる』では、誰が麒麟を連れてくるのでしょうか。

織田信長でしょうか。明智光秀なのでしょうか。あるいは豊臣秀吉なのか。

それとも、私たちが予想しがたい人物がいるのでしょうか。謎は深まります。


◆物語の中で、麒麟が出て来るのシーンあります。

『麒麟がくる』のドラマの中で、麒麟が来ることを熱望するシーンが出て来ました。

その中で、主なものを抽出して見ました。誰が、麒麟がくる事を望んでいるのでしょうか。

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明智光秀『四書五経』を読んで麒麟を思う

明智光秀は『四書五経』をわずか2年で読破。

頭脳優秀な、明智光秀が学んでいたのは『四書五経』と言われるもので、『大学』『論語』『中庸』『孟子』の四書と

『詩経』『書経』『礼記』『易経』『春秋』の五経で、儒教の基本書と言われているものです。

この『四書五経』を、明智光秀はわずか2年で読破したそうで、かなりの秀才だった事が窺われます。

そんな中で、明智光秀は「美濃をどのようにか、変えていかなければならない。」「麒麟のくる国へ、そうだ、麒麟のくる国へしなければならない」発するのでした。

美濃の国では、領民が平和に暮らせる、そんな国を望んでいました。

当時の美濃は尾張と対立し、尾張は駿河と対立し、

その駿河は三河と同盟関係にあり、対立と同盟に明け暮れる政略を重ねていたのです。

今日の友が、明日の敵になるそんな時代の中で、明智光秀は麒麟を探していたのです。

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将軍、足利義輝は麒麟を連れて来れるか?

第12回『十兵衛の嫁』でのシーン。

将軍、足利義輝(向井理さん)は悩んでいました。乱世を終わらる、麒麟を探していたからです。

「誰も見たことがない麒麟と言う、不思議な生き物がいる。穏やかな世を作る者だけにやって来ると言う麒麟の世は、まだ、連れて来ることが出来ぬ」と。

「十兵衛、麒麟が来る道は遠いのう~」と感慨を込めて発したのでした。

将軍、足利義輝(向井理さん)は、穏やかな世にしたいと思っていながら、自分には麒麟を連れて来る力が無いことを察知していたのでした。

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越前へ逃れた光秀の母の麒麟への思い。

越前へ。

斎藤道三親子の確執から、戦いになり明智家は、道三側に就いたことから、

長年住み慣れた明智の荘から、越前へと、帰蝶の計らいで逃れたのでした。

光秀の母・牧は私も信じています。いつの日か戦が終わる。麒麟がくることを」

京よりの使者。将軍足利義輝の麒麟の思い

第22話。「京よりの使者」

京では三好長慶が実質的な実権を握り、将軍足利義輝は傀儡になっていたのです。そんな苦悩を吐露します。

「十兵衛、覚えておるか、昔そなたに麒麟の話をした。私は、麒麟がくるような、男になりたいのじゃ」

「皆の心が、私から離れてゆく、なんとも上手くゆかぬ」

「私に考えがございます」それは、強い大名を将軍のために上洛させると言うもので、

「尾張の織田信長は、只ものではありません。大いに力になるでしょう」

キリンビールの発展は、麒麟のおかげ?

キリンビールの麒麟のラベル。

麒麟と言えば、キリンビールじゃないですか。名称は麒麟麦酒株式会社で、現在はキリンホールディングス株式会社です。

1870年(明治3年)に、ノルウェー系のアメリカ人、ウィリアム・コープランドが日本で初めて、

大衆向けにビールの醸造・販売をした企業「スプリング・バレー・ブルワリー」を起源としています。

その後、幾多の変遷を経て1907年(明治40年)に、三菱財閥の傘下に入り「麒麟麦酒」として新発足したのです。

キリンビールのラベルに隠された文字。

キリンビールのラベルの謎。

キリンのラベルは、三菱財閥の幹部だった荘田平五郎の発案だったようです。

当時の西洋輸入ビールのラベルには、猫や狼と言った動物の絵柄が描かれていた事が多く、

東洋の聖獣で縁起の良い麒麟を、採用したと言われています。

キリンビールのラベルには、隠し文字で「キ」「リ」「ン」の文字が、小さく描かれています。

書かれている場所は、麒麟の耳と角の間に「キ」、たてがみの中央に「リ」、尾の上部に「ン」と描かれています。

長年ビール業界のトップだったキリン。

ラガーが好きか、一番搾りが好きか、クラシックラガー

キリンビールと言えば、ラガーじゃないでしょうか。あの苦みとコクが、大人のビールを飲んでいる感じがします。

1990年に「キリン一番搾り」が発売され、そのおいしさに驚いたものでした。

キリンビールは三菱系列であり、三菱系列の企業では、宴会などでは、キリンビールしか飲まないことは有名な話です。

そして、2001年に満を持して、クラシックラガーが発売された時は感激しました。

東野圭吾作品の『麒麟の翼』

日本橋の欄干で事件が始まる『麒麟の翼』。

もう一つの麒麟は『麒麟の翼』です。これは東野圭吾さんの、書下ろし推理小説で、2011年に講談社から刊行されました。

加藤恭一郎シリーズの第9作目で、家族のあり方についての作品『赤い指』と、

人情を描いた『新参者』の、双方の要素を取り入れた作品になっています。

物語の始まりに、麒麟がいた。

小説の始まりが、日本橋の、麒麟像の下だった。

舞台は『新参者』と同じ日本橋、ここは五街道の起点であることから、「この場所から羽ばたく」と言う意味を込めて、

橋の中央に、大きな翼を持った、麒麟の像があります。

そして、この麒麟が、この物語に於ける重要な意味となって来るのです。小説の冒頭はこんな文章から始まります。


「その男は、日本橋交番の脇を通過したのは、間もなく午後9時になるかという頃だった。」

 寒い夜のこと、日本橋の欄干にもたれかかる男を、巡査が何気なく目撃するのでした。

 男の胸にはナイフが刺さって、男は死にかけた状態で、ここまで歩いてきて、力尽きたようだった。その後、その男は病院で死んでしまう。


こうして、ミステリアスな小説が展開してゆくのでした。

2012年1月に映画化され、阿部寛さん、新垣結衣さん、溝端淳平さん、松坂桃李さん、菅田将暉さんらが出演し、話題の作品となりました。

五街道の要を見守る、日本橋の麒麟たち。

日本橋を守る、4体の翼のある麒麟像。

日本橋の現在の橋梁は、明治44年(1911年)に完成し、国の重要文化財となっています。

国道の中央には、日本道路元標があり、国道1号線などの、交通網の起点となっているのです。

橋柱の銘板にある「日本橋」「にほんばし」の文字は徳川慶喜によるものだそうです。

翼のある麒麟の像が、左右2体づつ、合計4体が日本橋の上で鎮座しているのです。

躍動感があって、今にも飛び立とうとしているようで、威厳もあって、凄い迫力を持っています。

伝記上の麒麟には翼がありません。

しかし、日本の道路の起点となる日本橋を獅子が守護し、そこから広がる日本の繁栄を、翼のある麒麟が見守っているのです。 

麒麟が見守って呉れている。

『麒麟がくる』「キリンビール」『麒麟の翼』

『麒麟がくる』「キリンビール」『麒麟の翼』、この3つの麒麟で、分かっていることは、

治世の時に、麒麟を連れてくる人が現れるようで、麒麟は平和の象徴であって、聖獣で縁起の良い生き物であること。

そして、日本橋では、交通の要である、五街道の起点に鎮座して、この国を守って呉れている事です。

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