映画『君の膵臓をたべたい』浜辺美波の最後の手紙に感動する




映画『君の膵臓をたべたい』12年後の最後の手紙。

ベストセラー小説『君の膵臓をたべたい』は、とてもショッキングな題名です。

そして、その物語の始まりは、主人公と唯一心を通わせたいた、クラスメートの山内桜良の葬儀のシーンから、始まります。



『君の膵臓をたべたい』冒頭部分。



住野よるさんのベストセラー小説。

小説『君の膵臓をたべたい』は、こんな冒頭の一節から始まります。


「クラスメイトであった山内桜良の葬儀は、生前の彼女にはまるで似つかわしくない曇天の日にとり行われた。

彼女の命の価値の証として、たくさんの人の涙に包まれているのであろうお葬式にも、昨日の夜の通夜にも僕は行かなかった。ずっと、家にいた。」


作家の住野よるさんの『君の膵臓をたべたい』の冒頭部分は、このような、とてもショッキングなシーンから始まり、

クラスメートで唯一、主人公と価値観を共有する山内桜良の死を前にして、どんな物語が始まるのかと、読者を刺激します。

主人公の少年と、余命わずかな少女・山内桜良の日常を描き、読み終われば、このタイトルの素晴らしさに気づく筈です。

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『君の膵臓をたべたい』あらすじ。



落ちていた一冊の文庫本。

高校二年の四月、高校生の志賀春樹は、盲腸の手術後の抜糸で病院を訪れ、ロビーのソファに置かれた一冊の文庫本を見つけます。

書店のカバーがかけられ、外すと本来あるはずのカバーはなく、太いマジックで手書きで『共病文庫』と書かれていました。

春樹がページをめくると、共病文庫は日記で、そこには膵臓の病気で数年内に死んでしまうこと、

家族以外には内緒にしていることが書かれていました。

見てはいけないと本を閉じますが、声を掛けられ、振り向くと持ち主の桜良が立っていました。

桜良は春樹のクラスメイトで、彼女の秘密の日記帳だったのです。

彼女は共病文庫に書かれていることが真実であること、

クラスメイトには内緒にしてほしいと言い、何でもない様子で病院を後にします。

翌日、桜良は春樹と同じ図書委員に立候補し、それから二人の交流が始まるのです。

そして、最後に春樹が桜良に送ったメールが『君の膵臓をたべたい』だったのでした。

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映画『君の膵臓をたべたい』




12年後の「僕」は小栗旬さん。

映画化された『君の膵臓をたべたい』では、主人公が、高校で国語教師をしている「僕」(小栗旬さん)となり、

その寡黙で消極的な性格から、教育者として続けていくことを悩み続け、

「僕」の机の引き出しには、辞職届が控えられていたのです。

そんなある日、勤務先の高校の図書館が老朽化により取り壊されることになり、

図書委員の生徒たちと、本の整理をすることになります。

この図書館こそが、「僕」が高校生の頃に、図書委員をしていた場所だったのです。

そして「僕」の12年前の記憶が蘇るのです。

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僕(北村匠海さん)山内桜良(浜辺美波さん)




「僕」を困らせる桜良。

それは、盲腸で通院していた病院のロビーで、偶然「僕」(北村匠海さん)は、同級生でクラスの人気者の、山内桜良(浜辺美波さん)が落とした、一冊の文庫本を拾ったのです。

その本には、書店のカバーがかけられていて、外すと本来あるはずのカバーはなく、

太いマジックで、手書きされた『共病文庫』と書かれていたのでした。

そこには、彼女が重い膵臓の病気と戦っていく上での、本音と覚悟が綴られていたのです。

秘密を知ってしまったことで、「僕」は、桜良の願いを聞くことになるのですが、山内桜良は、飛び切り明るい女子高生で、

病気のことなど、お首にも出さないような、無茶なふるまいをして、「僕」を困らせるのでした。

そんな12年前の「僕」(小栗旬さん)を振り返りながら、自分の教え子たちと図書を整理する中で、

「僕」は高校生時代の記憶を回想していたのです。

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振り回されるのを愉しんでいた「僕」




桜良の好きな『真実と挑戦』ゲーム。

山内桜良の行動力は旺盛で、桜良の提案で、強引に日曜に遊ぶことになった「僕」は、桜良に振り回され、昼間から焼き肉の食べ放題に行き、

ホームセンターで自殺で使うロープを買い、本屋に寄り、カフェで他愛もない会話をするのでした。

ちなみに、ロープで自殺する気はなく、部屋に置いておいて、家族や友人を驚かせるという、桜良の悪い冗談でした。

テスト休みに入ると、またしても「僕」は、桜良と会うことになります。

「僕」は、彼女の死ぬまでに行きたいところとだけ知っていましたが、実際に会うと、桜良の荷物の多さに驚きます。

桜良はなんと、何の打ち合わせもなく、新幹線での旅行に「僕」を連れ出そうと言うのでした。

「僕」が拒否する間もなく、新幹線に乗せられて、二人は目的地に着きます。

二人は観光を楽しみ、宿泊予定のホテルにチェックインしますが、ホテル側のミスで、予約していた部屋がいっぱいになってしまい、

代わりに、かなりグレードを上げた部屋を、利用させて貰いましたが、それは、一部屋だけだったのです。

そこでは、桜良の提案で『真実と挑戦』ゲームをすることにしました。

負けた方は真実か挑戦を選びます。

真実なら勝った方の質問に答え、挑戦なら勝った方の指示に、挑戦すると言うもので、桜良のお気に入りのゲームでした。

この『真実か挑戦』ゲームはその後、桜良の病状が悪化し、入院した病室でも行われ、桜良が聞きたかった事として、

『どうして、君は私を名前で呼ばないの?』だったのでした。

しかし、物語は意外な展開を見せます。桜良は膵臓病ではなく、通り魔事件に巻き込まれ、命を落としたのです。

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「共病文庫」に隠された真実とは。


そして、この小説の冒頭部分に還って行くのでした。

そうです。この物語の伏線は、既に初めの数行に、示されていたことを、読者は知ることになるのでした。

「僕」は桜良が残した「共病文庫」に、どんな事が書かれているのか、彼女がどんなことを、考えていたのか知りたくなり、

「共病文庫」を読ませて貰いたいと、桜良のお母さんに頼み、読ませて貰い、桜良の思いを知ることになったのです。

そして、そこで「僕」宛の手紙が存在することを知ったのです。

「僕」は急いで図書館に向かい、桜良が隠していた「僕」宛の手紙を見つけるのでした。

それは、サン・テグジュペリの『星の王子さま』の本の間に隠されていました。

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12年前の山内桜良の手紙を発見。


『君の膵臓をたべたい』

その手紙はこんな言葉から始まっていました。


はいけい 志賀春樹くん。

ようやくこれを見つけましたね〜遅い遅い!

春樹。春樹って呼んでいい? 前からそう呼びたかったんだ…..


チョットお道化た書き出しで始まった手紙には、桜良の芯の強さを感じざるを得ません。

だって、この手紙を春樹が読むと言うことは、自分は既にこの世にいない。そんな覚悟が、その手紙には示されていたのです。

そして、春樹には、自分の分まで生きてと綴られていて、私は春樹になりたいと続き、最後に、


君は嫌がるかもしれないけど、やっぱり私は……

君の膵臓を食べたい。


と、結ばれていたのです。

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映画『君の膵臓を食べたい』最後の手紙。

この手紙は、咲良が学校の図書室に隠していたもので、それを12年後の「僕」が見つけた手紙です。

この手紙は、原作では、「共病文庫」の後ろに、書かれていたのです。

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