『相棒Season19』第1話プレゼンス~特命係迷宮の扉を開ける。
『相棒』は6ヵ月振りのSeason19が始まりました。
今回のSeason19の見ものと言えば、なんと言っても、Season17で、月本幸子が『花の里』を去った、その後のことでしょう。
花の里ロスが原因で、右京さんが、推理力減退症候群に陥ってしまいました。
重大な見落としをして「僕としたことが…」と嘆くシーンがあり、右京さんらしからぬ姿をさらしていたのです。
そんな噂が、甲斐峯秋の耳に入ったことで、甲斐峯秋が動き出しました。
右京さんに、こてまりを紹介した甲斐峯秋
甲斐峯秋は、新規開店の準備最中の「こてまり」を訪問し、元芸者の小出茉莉に、
「海千山千の男たちを相手にして来たあなたに、杉下右京と言う、一風変わった男を頼む」と、話していたのです。
と言うことは、小出茉莉は、甲斐さんとも久しくしていて、更に、彼女を最も贔屓にしていたのが、内閣官房長官の、鶴田翁助だったのです。
小出茉莉は、長く鶴田翁助の、お座敷を務めていたようで、芸者最後の日も、鶴田翁助にお座敷に呼ばれていました。
内閣官房長官鶴田翁助から、杯を勧められると、「私はこれで頂くは」と、おちょこではなく、グラスに熱燗を注ぐと、コップ酒で、乾杯の杯を上げ、
「先生はまた、悪だくみをしているのでは?」と、幹事長に軽口を投げ掛ける程の、親しさだったのです。
警視組織の上層部、そして、政権のナンバーツーと親しくして来た小出茉莉が、特命係の杉下右京と、どんな風に絡んで行くのが楽しみです。
プレゼンス~特命係迷宮の扉を開ける。
事件は、一発の銃声から始まりました。白バイ隊員の出雲麗音が、白バイに乗っている状態で、狙撃されたのです。
出雲麗音は、無線で警察本部に連絡しますが、その途中で意識を失います。「出雲、出雲、応答しろ!」と、無線から声が聞こえていました。
近距離から狙撃されたようで、銃弾は身体を、貫通していたのです。現場に直行した伊丹刑事は「助かりゃめっけもんの状態らしい」と話します。
それから数ヵ月後、蝉の鳴く夏。病院でリハビリをする、出雲麗音の元へ、上司が訪ねて来ます。
そして、白バイ乗りの復帰は、無理だと告げられたのです。その代わりに、自分の行きたい部署に行かせてやると告げたのです。
この「白バイ隊員銃撃事件」は、手掛かりの少なさ、目撃者がいないこと、そして、防犯カメラはありましたが、
残念なことに映っていませんでした。それが、解決が難しくなっていました。
出雲麗音の入院先へ、右京さんと冠城亘が訪ねますが、警戒した彼女は、協力的ではありませんでした。そのことについて、
「問われるままに、つらつら、お喋りするのは感心しませんからね。」
「警察官たる者、常に用心深くありたいものです」と、珍しく皮肉を言う、右京さんだったのです。
鶴田翁助の孔子の「論語」の書のなぞ。
夜の「こてまり」に、杉下右京と冠城亘の姿がありました。
「こてまり」の来店数の少なさが話題になっていましたが、その原因が、店先に掲示されている「警察官立寄所」の看板があるためで、
客足がさっぱりなのかと心配する問いに、女将の小出茉莉は、この商売は、趣味でやっていると答えたのでした。
そして話は、店内に飾ってある、内閣官房長官鶴田翁助の「論語」の書の話に及び、
この書も、客足を悪くしている要因の一つなのかと、話の花が咲いていたのです。
その書は「力不足者中道而癈今女書」と、書かれていて、「力足らざる者は中道にして癈す」と、言うものです。
漢文では「冉求曰、非不説子之道、力不足也、子曰、力不足者、中道而癈、今女」
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「先生の教えを認めない訳ではありませんが、我ら凡人には難しすぎるのです。」
これに対して、孔子はこう答えられました。
「もしお前の能力が足りないというのであれば、お前はその道の半ばで力尽きるはずだ。しかしお前はまだ始めてすらいない。」
こんな難しい論語の解釈を、右京さんは、すんなりと講釈していたのです。
それも、論語の一般的に有名な言葉ではない、こんな言葉まで、知識を有しているなんて、さすが右京さんは、凄すぎます。
しかし、内閣官房長官鶴田翁助は、どういう意味で、この書を「こてまり」に贈呈したのでしょう。
一般的には「商売繁盛」に関するものが、飲食店では喜ばれると思いますが、
この禅問答のような言葉が、今後、何かの暗示のようになるのでしょうか。謎はまだ解けません。
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『相棒』Season19官房長官鶴田翁助の論語の書が気になる?
「こてまり」には畳敷きのスペースがある
小あがりの席が風情を醸す。
そして、もう一つ気が付いたことがあります。
それは、「こてまり」では、白木のカウンターの後ろ側に、小上りがあって、そこは、小さいながら、畳敷きのスペースがあるのです。
じっくり、腰を据えて飲みたいと思う、お客さまには絶好の隠れ場なのかもしれません。粋な計らいがなされていました。
出雲麗音が捜査一課へ異動。
出雲麗音は、捜査一課への配属を希望し、その願い通りになりました。
その人事異動について、影響力を与えたのが、社美彌子(仲間由紀恵さん)が、引き連れる女子軍団の、KGB(警視庁ガールズボム)だったようです。
リーダー格、広報課長・社美彌子からの、働き掛けがあったので無いかと、噂されていたのです。
彼女は犯人逮捕を条件に、その人事異動を勝ち取ったようで、犯人逮捕は、特命係の2人なら、絶対に出来ると読んでいたのです。
「上にお願いしたわ。」犯人検挙のために、「責任を持ってあの二人に、事件を解決させます。」と、条件を出していたのです。
そんな状況を甲斐峯秋は「衣笠副総監も警戒しているようだ」と、話したのです。
右京さんと冠城亘は、出雲麗音を連れて、現場に赴きます。
犯行現場は人通りも少なく、出雲麗音への、個人的な恨みなのかと言うことで、過去の違反ドライバーを調査しましたが、これにも該当者はいません。
と言うことは、「恨みと言うキーワードです。警察官を無差別に狙った犯罪なのか」と、考えるようになったのです。
そして、「出雲麗音、思っていたより、したたかです」と、右京さんは推測したのです。
ビルからの転落死。
そんな中で。ビルの壁をよじ登る男が現れ、転落死する事件が起きます。落下したのは万津幸矢と言う男でした。
彼の母親が上京し息子の部屋で、パソコンと連携するVRゴーグルを見つけ、VRについては、息子は昔から、現実逃避するようなところがあったと語ったのです。
そんな中で、暴力団の男が、転落した男の事件をニュースで見て、この男が以前、肩がぶつかったからと因縁をつけて来た際に
「俺が警官を撃った男だぞ!」と、叫んでいたと言う話が出て来ました。
そして、この目撃情報を、警察に知らせるように指示したのが、その暴力団組長の、桑田と言う男だったのです。
その暴力団事務所に向かった右京さんは「今回の件をご配慮頂いたのは、親分さんと言う事でいいですね」と語りました。
そして、その組長と刑事部長はどうやら、繋がっているようなのです。
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ネオ・ジパングと言う仮想の世界。
ビルから転落した男は、ネオ・ジパングと言う仮想の世界にいたようで、その男の恋人に、
「大事なものだから、保管しておいて、絶対に開けるなよ」と、伝え、ある箱を渡していたそうです。
それを聞いた息子の母親が、その箱を開けると。そこに、拳銃が入っていて、その拳銃が、白バイを狙撃した拳銃だと断定されたのです。
右京さんと冠城亘は、ネオ・ジパングの主宰のIT長者を訪ね、VRの世界を体感させて貰いながら、その関係を調査するのでした。
夜になり、「こてまり」にいたのは。右京さん冠城亘、そして「週間フォトス」の女性記者だったのです。
話が盛り上がっていたのは、ネオ・ジパングの仮想世界を体験していた二人が、
その仮想世界で、偶然、出会ったのが、「週間フォトス」の女性記者だったのです。
その女性記者が言うには、ネオ・ジパングでは市場があって、君主・イザナが現れて凄い物を売ると言うのです。
それが超高級品で、リアルな商品だと言うのです。
その値段が通常価格の100分の1の値段で販売され、抽選で当たった者が、買える権利があると言う事だったのです。
そのことに不信を抱く右京さんでしたが、
そんな中、転落死した息子の母親と恋人が、銃刀法違反で、事情聴取をされる事態となったのです。
プレゼンス~特命係VS仮想国家の支配者。
警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太さん)は、社美彌子(仲間由紀恵さん)に向かって、KGBの話題を出し、
「次の食事会には、僕も参加出来ないかな」と、お願いしていました。
それに対して社美彌子は、「その会には、甲斐さんも一緒にお誘いしても?」と、話を流していたのです。
右京さんは、『週刊フォトス』記者・風間楓子(芦名星さん)に、ネオ・ジパングのバーチャル上で、
転落死事故のあったビルを、探して欲しいとお願いすると、彼女は渋々承知をしたのです。
ネオ・ジパングの嵐が丘。
それは、ネオ・ジパングの「嵐が丘」にあったのです。
そのバーチャルの世界で右京さんが感じたのは、人の動きが逆だったのです。人の波をかき分けて。右京さんたちは歩いていたのです。
もう一つの疑問は、何故、万津幸矢の母親は、ネオ・ジパングの入国許可を得るために3回トライをして、玉砕したのかと言う事だったのです。
ネオ・ジパングを調査する中で、次第に分かって来た事は、大道芸人が現れて、ビルをよじ登り、見事、上まで登り切ったのです。
そのビルがNPC・首都近未来センターの、ビルだと言う事が分かって来ました。
万津幸矢の恋人・朱音静(日南響子さん)は、ネオ・ジパングの人だったようです。
そして、恋人の女は、本当に箱の中身を、知らなったのでしょうか。
白バイ銃撃事件の犯人は誰だ。
右京さんたちの姿が、競艇場にありました。
万津暴幸矢を見たと言う、暴力団の男に尋ねると、その時、女も一緒だったと言うのです。
その女は万津幸矢の恋人・朱音静だったのでした。
と言う事は、彼女は夏頃には、万津幸矢のその事を知っていた事になります。
そして、ネオ・ジパングへ入国しようとした母親は、エラー2回で止めていたのにも関わらず、
国外追放処分になっていたのが、右京さんには、どうしても解せませんでした。
どうして、恋人・朱音静は、入国しようとした母親が、2回エラーをしたことを知っていたのか。
しかし、どこを探しても、連絡の痕跡がありません。
その時、右京さんは「通常でない方法…、何でこんなことが分からなかったのでしょう。僕としたことが…」と、つぶやきます。
犯人を目撃していた出雲麗音。
そして、出雲麗音は思い出したのです。銃撃され倒れた中で、犯人を目撃していた事を、
バックミラーに映る犯人の姿を、それは万津幸矢ではなく、恋人の朱音静だったと言う事を。
朱音静は、IT長者の加西から、警察官を狙撃したら3憶円やると、言われ犯行に及びましたが、失敗してしまったため、金を支払って貰えず、
そのことを万津幸矢に話すと、彼がIT長者の加西に3憶円の要求をしますが、
「チャンスを呉れてやる。成功したら3億円やる」と、言われ、ビルの外壁登りに挑戦し、失敗したのだったのでした。
こてまりの灯が誘蛾灯なのか。
夜の「こてまり」で、「警察官立寄所」を照らす明かりが、さしずめ誘蛾灯のようでした。
そうです。蛾を誘う明かりのようでした。
そして、IT長者の加西の逮捕には、待ったが掛かったようです。「副総裁の、鶴の一声で止めたそうです」と、冠城亘が語りました。
「上の指令だろうが、僕は許しません。近いうちに首を取ります」と、力強く右京さんは、発したのでした。
杉下右京の腕時計が気になります。
杉下右京はブリティッシュスタイルの、ダークスーツにサスペンダー、
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何故か!気になって仕方がありません。
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