『麒麟がくる』名言集。
2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』は、
織田信長の家臣として仕え「本能寺の変」で主君殺しの悪役となった、明智光秀が主人公で、ドラマが展開します。
心に染みた、戦国以前の英傑たちの名言を紹介します。
伝説上の動物『麒麟』。
中国神話に現れる伝説上の霊獣。
『麒麟がくる』の麒麟ですが、麒麟とは一体、何なのでしょう。
麒麟は伝説上の動物(qilinチーリン)で、
中国神話に現れる伝説上の霊獣で、獣類の長とされ、鳥類の長である鳳凰と比べられる存在です。
麒麟の形態は、形は鹿に似ていて背丈は5m、顔は龍に似ていて、牛の尾と、馬の蹄を持ち、
1角の角を持ち、背中の毛は5色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗があるとされています。
性質は、普段は極めて穏かで優しく、足元の虫や植物さえも、踏むことを恐れるほどに、殺生を嫌う性質です。
神聖な幻の動物と考えられ、1,000年生きると言われています。
麒麟を傷つけたり、死骸に出くわすことは、不吉な事だと言われているのです。
『礼記』に登場の五色に彩られた麒麟。
戦乱の世を終わらせる人物を連れて来る。
『礼記』によれば、王が仁のある政治を行なう時に現れる神聖な生き物「端獣」とされ、
鳳凰、霊亀、応竜とともに、「四霊」と総称されている事から、幼少から秀でた才を示す子供を、麒麟児と称するようです。
五色で彩られた身体を持つ麒麟は、武器であるその角は、
先端が肉で覆われているため、相手を傷つけることがないとされています。
そして、麒麟は聖天子の治世に限って出現する端獣とされた。
麒麟は平和な世に現れるとされており、昔から人々は福を求めて、麒麟を崇めて来たのです。
こうして、戦乱の世を終わらせる人物が、麒麟が連れて来ると言われていて、
麒麟が来ると言うことは、平和な世になる意味だったのです。
春秋戦国時代の戦乱の時に、孔子は麒麟を見たと言っていたそうです。
さて、大河ドラマ『麒麟がくる』では、誰が麒麟を連れてくるのでしょうか。
織田信長でしょうか。明智光秀なのでしょうか。または豊臣秀吉なのか。
それとも、私たちに予想しがたい人物がいるのでしょうか、ドラマの展開が楽しみです。
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第2話。「斎藤道三の罠」道三が叫ぶ!
織田勢20,000人と、対立する美濃勢4,000人
織田と対立する美濃、織田軍の数が20,000人、対する斎藤道三側は4,000人、
数で圧倒的な有利な織田軍が、稲葉山城の城下で、道三の軍と戦いを繰り広げる中で、
斎藤道三は、自軍の兵たちを撤退をさせ、籠城せよと指示したのでした。
そして、兵士たちが場内に戻ると、酒を飲むように指示し、自身も重臣たちと酒盛りを始めたのでした。
その光景を監視していた織田軍は、斎藤道三に戦う意志が無いと見て、警護を緩めたその時に、
斎藤道三は籠城を止め、城の門を開け、織田軍陣営に対して、一気に攻撃を仕掛けたのでした。
実は、斎藤道三は兵士たちに、酒ではなく水を、酒のように飲む真似をさせていたのでした。
その罠により、織田信秀は撤退せざるを得なかったのでした。
織田軍が逃げる姿を見た斎藤道三は、こう発したのでした。
「風のように追うのじゃ!」
「武士の本懐、武士の誉れ、武士に戦がある限り、戦には勝たなければならない。」
これこそが、美濃の蝮(マムシ)、斎藤道三の、戦にはどんな手を使ってでも、勝たなければ意味がないと言う事なんでしょう。
そして、これが、諸国の武将たちを恐れさせていたのでした。
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第3話。美濃の国、麒麟のくる国。
「光秀曰く、麒麟のくる国へしなければならない。」
明智光秀は、わずか2年で『四書五経』を読破したそうで、かなりの秀才だった事が窺われます。
そんな明智光秀がこんな言葉を吐いています。
「美濃をどのようにか、変えていかなければならない。」
「麒麟のくる国へ、そうだ、麒麟のくる国へしなければならない。」
美濃の国の現状は厳しい状況で、領民が平和に暮らせるそんな国を望んでいました。
果たして、麒麟がくるのは、美濃の国なんでしょうか。
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第5話。伊平次を探せ。鉄砲普及前夜。
「鉄砲の実力が分かり掛けて来た戦国前夜。」
鉄砲鍛冶職人の伊平次を探しに京までやって来た明智光秀は、
三淵藤英に連れられて、松永久秀(吉田鋼太郎さん)のもとに向かいました。
そこで、明智光秀は松永久秀から、こんなことを、教えて貰うのでした。
「鉄砲の真の力は、お互いを牽制させ、戦を減らす抑止力がある。」
光秀は、鉄砲の本当の意味を知るのでした。
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第7話。帰蝶の願い。政略結婚に翻弄する。
「政略結婚に悩む帰蝶。」
明智光秀の元へ、帰蝶がやって来ます。
帰蝶は初めての婚姻の際も、父、斎藤道三に言われるがまま結婚し、
その夫を、道三に毒殺されていることから、自分の婚姻を政争の具にして欲しくはないのです。
そこで帰蝶は、一番親しい身内である明智光秀に、父親である斎藤道三の意向を覆して欲しいとして、
こんなことを言及するのでした。
「今度は私を守って欲しい、尾張などに嫁ぐことはならぬと、申して欲しい。」
帰蝶が織田信長へ嫁ぐことで、美濃の危機が一時的ではあるにしても、回避出来るとしたら、
この時代の中で、帰蝶には意見を言える立場にあったのでしょうか。
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こんな思いを持って、光秀は帰蝶と対面し、光秀が話し出すのでした。
「尾張は海が美しいところ、美濃には海がない。行ってみるべし、行かれると良いと」
すると、帰蝶は「申したな!」と発し。「(明智光秀)十兵衛が申すのじゃ、是非もなかろう」と覚悟を決めたのでした。
それは、美濃の国が、一歩も二歩も海に近づいた瞬間だったのです。
【関連】「尾張は海が美しいところ」
第9話。信長の失敗、尾張には海があった。
「織田信長に嫁いだ帰蝶が海を感じた瞬間。」
帰蝶と信長の祝言に、織田信長は祝言をすっぽかし、翌朝帰るのでした。祝言を一日伸ばしたのです。
そして、信長は帰蝶に干し蛸を与え、訝しがる帰蝶に対して、こう言ったのです。
「それが尾張の海の味じゃ。」
それは、帰蝶にとって美濃には海がない事を、思い知らされる事になった瞬間でした。
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序盤最大のクライマックス『長良川の対決』を掲載。
『麒麟がくる』ネタバレあらすじ17話.長良川の対決で道三ロス
第12話。十兵衛の嫁。
将軍、足利義輝は悩んでいました。
足利義輝は、乱世を終わらる、麒麟を探していたからです。
麒麟と言う不思議な生き物。
誰も見たことが無い生き物。
「誰も見たことがない麒麟と言う、不思議な生き物がいる。穏やかな世を作る者だけにやって来ると言う麒麟の世は、まだ、連れて来ることが出来ぬ」と。
「十兵衛、麒麟が来る道は遠いのう~」と感慨を込めて発したのでした。
将軍、足利義輝は、穏やかな世にしたいと思っていながら、自分には、麒麟を連れて来る力が、無いことを悟っていたのでした。
尾張の織田信長に嫁いだ帰蝶は、瀕死の際にある義父、織田信秀の胸の内を知りたくて、
病室の織田信秀の枕元で、「後継者はどちらが良いのかお教えください。信長がどれほどの人物か知りたい」と尋ねたのです。
織田信秀は聞こえぬ程の小声で囁いていました。でも、その声は視聴者には聞こえませんでした。
父、織田信秀からのメッセージ。
帰蝶が聞き出した義父の言葉。
そして、その織田信秀のメッセージを信長に伝えたのです。
「信長はわしの若い頃に瓜二つじゃ、まるで、己を見ているようじゃ、良いところも、悪いところも」
「尾張を任せる、強くなれ!」と、これは織田信秀が本当に発した言葉だったのでしょうか。
それとも、信長を強くしたいとした、帰蝶の作り話だったのでしょうか。その真相は分かりません。
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第13話。帰蝶のはかりごと。
帰蝶のはかりごとで、帰蝶ラスボス振りを発揮!
明智光秀は悩んでいました。それは、美濃の国の守護、土岐頼芸が放った鷹の爪に毒薬が塗られていて、
斎藤道三に向って、飛んで来た鷹を防ごうとしてた、家臣がその毒薬で、殺害されてしまったのでした。
その斎藤道三殺害未遂が引き金となり、斎藤家の内輪もめが本格化したのでした。
斎藤道三に付くか、土岐頼芸に付くか。
明智光秀の悩み。
その時、明智光秀はどちらに付くのかで悩んでいたのです。
斎藤道三側に付くのか、美濃の国の守護、土岐頼芸側に付くかによって、戦いたくもない、戦になることに悩んでいたのでした。
光秀は、意を決して斎藤道三に面会します。
「土岐と一戦交える事になれば、美濃は決して一つにはなりませぬ」と訴えると、
道三は「分かっている!わしを嫌いか」光秀は「どちらかと言えば嫌いでございます」しかし、「殿には、弓を引けませぬ。」
道三は「戦はせぬ」「戦はせぬが、この国から出て行って貰う」として、美濃の国の守護、土岐頼芸を、美濃からの追放を決断したのでした。
川口春奈ラスボス帰蝶は、マムシの子。
「これは父上と私の戦!」
そうした中で、帰蝶の元へ斎藤道三から書状が届きます。それは織田信長と会したいと言う内容でした。
信長は誘き出されて、危害を加えられるのか、それとも拒否するのかで悩みます。
斎藤道三の性格を知り尽くす帰蝶は、
「断れば臆したと見なされ、私は美濃に戻らなければならなくなる」と、決断を先送りしたい信長に、喝を入れるのでした。
「これは父上と私の戦!」とキッパリ放ち、凄く肝が据わっているのです。帰蝶はやはりマムシの子だと思い起させたシーンでした。
その結果、信長は会見を決断したのです。そんな会見のお膳立てをしたのが、帰蝶だったのです。
会見の日、織田信長は、おびただしい数の鉄砲隊を、引き連れて現れます。
愕然とする道三に対して、してやったりと笑みを浮かべる帰蝶だったのです。正に、帰蝶がラスボスのように見えた瞬間でした。
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第14話。聖徳寺の会見。
斎藤道三との会見場である「聖徳寺」
会見のために織田信長がやって来ますが、会見場である、「聖徳寺」の広間になかなか信長が現れず、イライラする道三。
やっと、広間に現れた信長は、着物を着換えに手間取って遅れたことを詫びます。
それは、帰蝶の計らいで、帰蝶がこれを着て行けと言った着物だったのです。
そして、その黄色い色彩の着物は、道三の好きな色だったと話したのです。
こんなことをしたのは、「私が討ち取られてしまうのではないか」と、帰蝶が心配しての事で、
300丁の鉄砲隊も、帰蝶が仕組んだものだったと、白状したのです。
織田信長の言葉。
そして、信長はこんな事を言った。
「家柄も血筋もない。鉄砲は百姓でも撃てる。その鉄砲は金で買える。これからは戦も世の中もどんどん変わりましょう。我らも変わらねば。そう思われませんか?」と、
道三に同意を求め、そんな帰蝶が用意して呉れたものは、「たわけの信長には無用でございます。」と言い放ったのに対して、
信長の中に、若き日の自分を見た道三も、信長の言葉を気に入った様子で「信長殿はたわけじゃが。見事なたわけじゃ」と、応じたのです。
この斎藤道三と織田信長の会見は、信長の勝利に終わりました。それは、道三が想像していた以上の、男だったからです。
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第15話。道三わが父に非ず。
帰蝶の不敵なはかりごと。
正室の子、孫四郎は、側室の高政が家督を継ぐことに反対し、美濃にお家騒動の兆候が出て来たのです。
家督を継いだ高政は、孫四郎らに、そのような不穏な動きを、焚きつけているのが、帰蝶だと考えていました。
弟たちに、自分の座を追いやられると、思い込んだ高政は家臣に命じ、弟たちを殺害してしまうのでした。
高政の非情な宣言。
自分の出生で悩む嫡男、高政。
そして高政は「自分は土岐頼芸様の子である、道三は父に非ず」と宣言したのです。
この高政の行動に、道三は怒り狂い、二人のこじれた関係は、最大の親子喧嘩「長良川の戦い」へと、突入してゆくことになるのです。
一方尾張では、尾張の守護を暗殺した織田彦五郎が、
清州城の城主となりましたが、尾張には、新たな火種がくすぶっていたのです。
織田信秀(木下ほうかさん)の、元を訪れた帰蝶(川口春奈さん)が、織田孫五郎への暗殺をほのめかすシーンが出てきました。
織田孫五郎は、尾張の守護を暗殺し、清須城の城主となっていました。
帰蝶の仕掛け、碁を打てばよい。
みたらし団子を口に頬張る帰蝶。
帰蝶は、織田孫五郎から「碁を打ちに来ないかと誘われている」と明かす信光に、
そっと近づくと、微笑み交じりで「良いお話ではありませぬか。打ちにお行きになればよい、碁を」と進言したのです。
「あちらから誘いがあったのは好都合」
「お迷いにならず、お行きになさればよい、行って、お打ちになれば、よろず片付くと言うもの」
更に、このように、けしかけたのです。
「碁が終わったとお知らせあれば、時を移さづ殿(信長)も、参られましょう」と、笑顔で暗殺をほのめかすのでした。
そして、餡の垂れそうな、みたらし団子を口に頬張ると、不敵な笑みを放ったのでした。
正に、再度の帰蝶が、ラスボス振りを発揮したシーンだったのです。
あの、餡の垂れそうな、みたらし団子を口に頬張ると言うことは、
もしも、何もしないなら、お前を喰ってやると言っているように見えたシーンだったのです。
帰蝶のしたたかさが、またも返り見られた場面だったのです。
そして、帰蝶の言葉に誘われるように、織田信秀は清須城での、碁打ちに出掛け、碁の途中で織田彦五郎を刺し殺すと、
すぐに、織田信長が入城し、反信長勢力は時を待たずして力を失ったのです。
その結果、織田信長は、尾張の全土を手中に収めることになったのです。
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第16話。大きな国。
道三VS高政の戦で明智家はどうなる?
高政が孫四郎たちを、殺害したことを知った道三は怒り狂い、孫四郎の、亡骸の血を顔に塗りつけると、
「美濃を手に入れた褒美がこれか! わしがすべてを譲ったわが子が、すべてを突き返してきたのじゃ。このように血まみれにして」と絶叫したのです。
そして、斎藤道三は「高政、わしの手を汚しおったな。出てきてこの血のにおいを嗅ぐがよい」と鬼神と化した姿は、
圧倒的な迫力で迫って来ました。
二人のこじれた関係は、最大の親子喧嘩「長良川の戦い」へと、突入してゆくことになるのです。
斎藤道三の美濃の国への思い。
「大きな国になれば…」
そして、道三は、高政を討つべくとして出陣します。そのため、光秀は斎藤道三の元を訪れます。
道三は「先ほど、帰蝶が妙な女を寄こした。戦をしても勝てぬと」
しかし、「わしはこの鎧を脱ぎはしない。」そして、こんな風に言ったのです。
「人の上に立つものは、正直でなければならない。偽りを述べる者は、人を欺く、国を欺く。決して国は穏やかにならぬ。」
「大きな国になれば、誰も手出しは出来ぬ。」
「それをお前がやれ、わしは美濃一国で終わってしまった。」
「でも、信長と言う男は面白いぞ。信長となら、そなたもやれるかもしれぬ。」
「誰も手出しが出来ぬ大きな国を、さらばじゃ。」と、道三は言い放ち、去っていったのです。
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明智光秀は、考えに考えを重ねた結果、「鎧の用意を!」と、発し、兵士を集めた光秀は、「敵は高政さま!」と言い放ったのでした。
そしてついに、『麒麟がくる』序盤の最大のクライマックスが訪れるのです。1556年(弘治2年)「長良川の戦い」が起こるのです。
長良川を挟んで、北岸本陣に道三勢2,000人、南岸本陣に高政勢12,000人。
高政は家臣からの道三の処遇を聞かれ「殺すなよ、生け捕りにせよ。」と発したのです。
道三が、負ける戦いに挑むわけは何なのでしょう。
そこには、道三なりの狙いがあり、高政に、華々しい勝利を与えず、父親殺しの汚名を着させようとしているのでしょうか。
斎藤道三の最期。
「高政、一騎討じゃ、」
そして、道三が動き出し、高政勢の本陣に一人で突撃し、「高政、一騎討じゃ、」、
それに対して高政は「負けを認めよ。」「命までは取らぬ、我が軍門に下れ」
それに対して道三は「己を偽り、人を欺く者の軍門には下らぬ」と応戦。二人は戦いを始めました。
「高政、そなたの父の名を申せ、そなたの父の名を申せ」、
それに対して「我が父は土岐頼芸様、土岐源氏の棟梁ぞ!」と高政は答え、
「我が子は、この美濃をかすめ取るのか」「そなたの父はこの斎藤道三じゃ、成り上がり者の道三じゃ」と、吠えたのです。
そして、最後の瞬間がやって来ます。
高政と一騎討を最後まで望んだ道三に対して、高政は「この者を討て」と命じ、一騎討を放棄したのでした。
その結果、道三は兵に槍で突かれ、最後は高政の胸の中で最期を迎えたのでした。
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第18話。越前へ。
「今日は旅に出てくださいませ」
その叔父の進言をなんとか納得して、明智の荘を去る覚悟を決めた光秀でしたが、
母の牧(石川さゆりさん)は、「私はここに残りまする」と拒むのでした。
周囲の者たちが困惑する中、優しく声を掛けたのが、徳重聡さん演じる伝吾だったのです。
「いつの日か御方様が、お戻りになられた時、何も変わらず、この郷はあります。それをまた見て頂くために、今日は旅に出てくださいませ。」と牧を諭すのでした。
光秀の母・牧は「私も信じています。いつの日か戦が終わる。麒麟がくることを」
信長の弟・信勝に謀反の疑い。
帰蝶が信長に弟に会えと進言。
一方、尾張では信長に不満を持つ者たちが動き出していたのです。弟、信勝に謀反の疑いが出て来たのです。
そんな苦悩する信長に、帰蝶は「信勝さまにお会いになされませ。お顔を見て、どうすれば良いのか、お決めなされば良い」と話します。
信長は病になったと言って、見舞いに来た、弟・信勝と対面します。
信勝は万病を鎮める霊験あらたかな湧き水(毒入り)を持参していました。
「病と言うのは偽りじゃ、そなたを呼び寄せ、討ち果たすように偽りを申した」と告げます。
そして、今まで二人は、その生い立ちから、それぞれが妬ましく、互いを殺したいほど、妬んでいた事を吐露するのでした。
その時でした、信長の瞳から一筋の涙が、流れ落ちます。
「信勝!そなたこれ(水)を飲め。ありがたき水を飲んで見よ!」
「飲め、飲め、お前が飲め!」
「信勝は愚か者」と発すると、そこには、息絶えた信勝が横たわっていたのです。
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第19話。信長を暗殺せよ。
母・土田御前(檀れいさん)の嘆き。
その信勝の亡骸に触れた、母・土田御前(檀れいさん)は、信長に対して、
「満足ですか弟を手にかけ、尾張を手中に収めて。そなたはむごい。
私はこの先、何をよすがに生きていけばよいのか。そなたはいつも私の大切なものを壊す。
私が大切に育てた小鳥を死なせ、茶器を割り、幼き頃より、そなたはいつも物を壊し、私を傷つけた。
そなたが側にいるだけで、私の心は穏やかではなかった。それを癒やしてくれたのが、信勝であった。
そなたはまた、私の大切なものを壊したのじゃ!私の大切なものを!そなたは弟を殺しただけではない。この母も殺したのです」
第20話。家康への文。
勝ち目のない戦に、信長はどうする?
今川義元の軍勢は25,000の兵を率いて、尾張を目指します。一方、織田信長の軍勢は3,000の兵。
このままでは、織田方に勝利の目は無いと見た光秀は、松平元康(竹千代)の母に、今川から離反するよう説得します。
そして、息子、元康へ文を出すよう頼むのです。
その内容は「戦から身を引きなさい。今川がある限り、三河は百代まで、陽があたりませぬ」と、言うものでした。
尾張の軍勢として参戦した松平元康が、大高城に入ります。
そこに、母親からの手紙を託された菊丸が忍び寄り、文を差し出したのです。
受け取った松平元康(竹千代)が、「いま読めと?」菊丸「時を移さず読めと仰せでした。」 「これが母上の… …」
このような作戦を立てた事を、織田信長は薄々察します。そして、帰蝶のこう迫るのでした。
「その知恵をつけたのは誰じゃ!、察しはつくがな…」と。
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麒麟がくるネタバレ感想第19話.信長暗殺指令20話.家康への文
第21話。決戦!桶狭間。
輿に乗って移動する今川義元VS馬に跨る織田信長。
そして、今川義元の本陣が桶狭間にやって来たのです。
出撃の時に雨が降り出しました。「雨か、雨か!」それは好機の雨が降って来たと思わせる、信長の言葉だったのです。
そして、今川軍の先鋒を担いだ元康(風間俊介さん)は、織田軍の迎撃の命令に拒否を示したのでした。
織田信長が率いる小人数の兵が、桶狭間にやって来ます。
ワイヤーアクションの大ジャンプ。
信長は局地戦を考えていました。そして、暴風雨の中、立ち往生を余儀なくされた、今川の本陣に対して襲撃を掛けたのです。
織田家家臣、毛利信介(今井翼さん)が、ワイヤーアクションの大ジャンプで、今川義元を討ち取ったのでした。
「毛利信介、今川義元を討ち取ったり……!」と、雄たけびを上げたのでした。
今川を倒して、次は何をなさる。
信長、今川の次は何をする。
織田信長が帰還の途中で、明智光秀が待っていました。光秀が勝利の言葉を述べると、「褒めて呉れるのか」
光秀「帰蝶さまは、お褒めになりましょう」
信長「帰蝶はいつも褒めて呉れる。何をしても褒める。あれは母親じゃ」
光秀「今川を倒し、次は何をなさる」
信長「美濃を取る。取って帰蝶を喜ばせてやる」
光秀「その後は」
信長「… … …」
そして、斎藤道三が言っていた「大きな国を…、誰も手出しが出来ぬ大きな国を…」と言う声が聞こえていたのでした。
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第22話。京よりの使者。将軍の麒麟の話。
麒麟を連れて来る男になりたい!
二条御所では薪能が行われていました。薪能のあと、将軍・足利義輝と対面します。
「面を上げよ!、お告げの通りだ、夢に観音菩薩が現れ、越前から助けが来る、それを頼りにせよと」と言ったと言うのです。
「あることを頼もうとしていた。正直に言うと三好長慶を討って欲しいと、されど、頭を冷やしてよく考えた。」
「十兵衛、覚えておるか、昔そなたに麒麟の話をした。私は、麒麟がくるような、男になりたいのじゃ」
「皆の心が、私から離れてゆく、なんとも上手くゆかぬ」
「私に考えがございます」それは、強い大名を将軍のために上洛させると言うもので、「尾張の織田信長は、只ものではありません。大いに力になるでしょう」と話し、
光秀は、今や勢いに乗る織田信長を、上洛させて見せると足利義輝に約束したのです。
それに対して、将軍・足利義輝は「そなたに託す、織田信長を連れて来て呉れ!」
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第23話。義輝、夏の終わりに。
松永久秀曰く、将軍の値打ち。
多聞山城の松永久秀を、光秀が尋ねます。松永久秀は、りっぱな3つの焼き物の2つを、叩き割っていました。
同じものが3つよりも、1つの方が価値があると言うのです。
「モノには元々値打ちがあるのではない。人が決めて作ってゆくもの。将軍もそれは例外ではない」
光秀は「将軍に値打ちがないから討つというのか?」と迫ります。
松永久秀は、「わしも殿を大事に思うとる。だが、政の中心だった三好長慶が亡くなったので、
今のままでは世は治まらぬ。隠居の身なので殿を支えることも、排除する動きを止めることもできぬ」。
「将軍の値打ちも人が決める。ふさわしいと思えれば値打ちは上がる。討ちはせん。都から追い払う」
「誰一人として動かんではないか。このままでは、世は動かんのじゃ。もはや、疲れた」
将軍を排してどうするのですか?武士の棟梁には、将軍が必要なのではないかと、怒り問いただす光秀でしたが、
そこに奥から藤孝(眞島秀和さん)がやって来て言います。
「都の人々の心は、殿から離れてしまった。幕臣もしかり。もう、次の将軍を迎えるしかない」。
藤孝は、そう言って涙を流して悔しがります。
将軍・足利義輝の謳う、いにしえの歌。
明智光秀は二条御所に向いました。
結局、明智光秀は、織田信長を、将軍足利義輝の元へ、連れてくることが出来なかったのでした。
「十兵衛、ちこう。ご苦労であった。尾張の織田も上洛は無理か。皆、戦いに忙しいのじゃ」「都がこれ程、寂しいとは知らなかった」
そして、古(いにしえ)の歌「秋来ぬと目にはさやかに見えぬども、風の音にぞおどろかされぬる」を詠んだのです。
「夏は終わった。わしの夏は! 十兵衛、越前へ帰れ」「短かったが、よう、わしに仕えて呉れた。欲を言えば、もっと早くに出会いたかった。十兵衛、また会おう」
何の力にもなれなかった光秀は、ひれ伏せたまま、頭を上げることが出来ませんでした。
明智光秀は、涙を流して悔しがりました。
しかし十兵衛には、これ以上できることはなかったのです。そして、明智光秀、は越前に帰って行ったのです。
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第24話。将軍の器。光秀松永久秀を糾弾。
一方、義輝の死を知った光秀は、越前から急遽、京に向かい、多聞山城で松永久秀に詰め寄り、激しく糾弾します。
「何ゆえ、将軍をお打ちになった」
「息子たちがしでかした事、私も責めを負わねばならない」「わしが憎いか」
「憎い」
それを聞いた久秀は、火縄銃の導火線に火をつけ、その銃口を自分の額に押し付け、引き金を光秀に渡し、
「これでわしを打て、弾は込めてある」
光秀は大声で「ワァ~~!」と発し、銃口を額から外し、外へ向け一発、発射したのでした。
「十兵衛、このまま、将軍がいなくなれば、幕府は滅びるぞ、覚慶が世俗に戻られるのであれば、次の将軍に一番近い」
将軍の器。
将軍にふさわしかを、光秀が判断する。
甲賀の和田惟政の館で、履き物も履かずに外へ飛び出していた覚慶と、初めて出会った光秀は、
覚慶から自分に将軍が務まるかと尋ねられました。
「その大任、この私に務まると思うのか。死にとうない、その一心で大和を出て来た。私は戦が好きでない。死ぬのが怖い。私は兄とは違うのじゃ」
死ぬのが怖く、戦も好きではないと話す覚慶に、光秀は、一言も答えずに、館へ帰って行く覚慶を見送りました。
越前の一乗谷に帰った光秀は、朝倉義景から、
「でっ、覚慶さまに会ったか?」「この越前へお迎えしても良いと考えている。どうだ!」
と、次の将軍として越前に迎えるつもりだと告げられます。
その判断を、光秀の感じた目で決めると、義景から言われた光秀は、亡き義輝とは、まるで器が違うと感じた事から、
「次なる将軍の大任、あのお方はいかがとは存じます」
と否定し、義景に覚慶を見極めた答えを明かすのでした。
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第25話。羽運ぶ蟻。
織田信長との面会。
十兵衛、そなたわしに仕える気はないか。
稲葉山城に、光秀は信長を訪ねます。その城は、かつて信長の義父・斎藤道三が居城としていた城だったのです。
「おかげで、母が戻って来られました」
「そなたは戻らんのか、美濃へ。のう、十兵衛、そなたわしに仕える気はないか、どうじゃ」
「申し訳ございません」
「わしでは不足か? 一体なにを考えているのか」
それに対して光秀は、将軍・足利義輝が、あのような殺され方をてしまい、自分はどうしてよいか、わからないと答えたのです。
信長は言います。「一つ分かったことがある、わしは戦が嫌いではない。しかし、この先、どこへ向かって戦をしてゆけばよいのか、それは分からぬ」
「いつまで経っても、戦は終わりませぬ」、信長「どうすればよいのだ」
「上洛すればよいのです… 武士が誇りを持てるように。大きな国を持つことです。かつて、道三が言っていた、誰も手出しが出来ぬ。大きな国を作れと」
足利義昭の「羽運ぶ蟻」のはなし。
光秀が越前に戻ると、還俗した足利義昭が、十兵衛に会いたいと来ていました。
「一匹の蟻が、大きな蝶の羽を、己だけで運ぼうとしていたのじゃ。蟻は私だ!将軍と言う大きな羽は、一人では運べん。しかし、助けがあれば…」
「もし、将軍になれば、今まで出来なかった事が出来るかもしれない。貧しい人を救える」
「助けがいる。朝倉の助けが、そなたから伝えて呉れ」
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第26話。三淵の奸計。
織田信長の舟に乗るのか。
すると、そこに伊呂波太夫(尾野真千子さん)の、姿がありました。
伊呂波太夫が語ります。「明智さまは、不思議なお方。そろそろ、船出の潮時ではありませぬか」
それに対して光秀は「あいにく、船出の舟が見つかりません」と、答えると。
「その舟の名は既に、お分かりの筈」と延べ、その舟が、織田信長であることを暗示し、
「お二人で上洛すればよろしいのです」と、述べたのです。
光秀が信長に上洛を促す。
明智光秀は、織田信長を訪ね、単独での、上洛を訴えます。
「京に出て、大きな世を作るのか。よし、そなたの申すとおりに、やってみよう。足利義昭さまを、この美濃にお連れせよ」
「私は美濃へ行く、そなたを信じよう」
足利義昭はつぶやきます。
「私は小さな蟻だ。誰か強き者の助けがいるのう、十兵衛」
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第27話。宗久の約束。
信長は、その金の使い道を、上洛に伴い、三好勢と戦をするための資金として、渡したつもりだったのですが、義昭の言動にガッカリしたのです。
それに対して、光秀は「義昭さまは、23年間、29歳になるまで僧侶として、暮らして来たのです。あの方を、生かすも、殺すも信長さま次第です」
と述べ、戦とは無縁の暮らしをして来たのだと弁解したのです。
信長は「都と幕府を立て直し、大きな世を作る、大きな世だ。それでよかろう」
「三好と六角とは、一戦を交わらなければならない。そなたに頼みたいことがある。京に上り、三好勢のことを調べて貰いたい。」
「京には既に、木下藤吉郎を潜り込ませている。猿ずらをしたあの男だ。」と発したのでした。
堺の豪商・茶人今井宗久との約束。
そこで、茶を点てる、今井宗久と対面します。宗久は、
「足利さまに言ってください。上洛をなさるなら、刀と鎧を置いてきてくださいと。私たちの町に火をつけないでください」
光秀は、今井宗久に頼みます。「三好への戦の手助けを止めて貰いたい。戦から、一歩お引きになって頂きたいと、申しているのです」
「尾張の帰蝶さまから、よく聞き及んでいました。その帰蝶さまが、最も頼りにしているお方が、明智さまだと。
堺の商人(アキンド)は、異国との取引で生きています。」
「それが、守られるなら、どちらでも良い。此度は、織田さまが有利と見ています。
三好勢は、擁立した足利義栄さまが摂津で倒れ、まとまりに欠けています」
「私は、三好さまから離れてもよいと思っています」
「私の好きな京に火を掛けないと、そして堺を守ると、
その証に、上洛の際に鎧兜をお召しにならないと。それで手を打ちましょう。それで、お駒さんもご納得かな」
今井宗久の厳しい条件に、しばし考えこみ茶の湯を呑む光秀だったのです。
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第28話。新しき幕府。
そんな中、評定の成り行きを見ていた、将軍・足利義昭が意を決し、発します。
「おのおの方、評定は尽くされたようだが…」とし、
「三好勢の根城であつた芥川城は堕ちた。これも、信長殿のおかげ」と深く感謝したのです。
足利義昭は、他の大名らの協力が得られない中で、
上洛に名乗りを上げてくれた信長を、自分よりも、年下にもかかわらず「兄とも父とも思っている」と、心底慕っていたのでした。
そして、京を速やかに平定するためには、色々、異論もあるだろうが、松永久秀の力も必要と説いたのです。
「三淵どうじゃ」こうして、反対派の意見を沈めたのです。
「我々は、これより幕府を立て直さなければならない。あの者を呼べ」と、呼ばれた人物は摂津晴門だったのです。
「幕府の政所を任せようと思っておるのじゃ」
将軍・足利義昭は信長の意見に従い、その代わりに幕府の政務を、代々将軍に仕えてきた摂津晴門(片岡鶴太郎さん)に、任せることを認めて欲しいのでした。
織田信長の二条城築城の指示。
この事件が起きた当時、織田信長は京にいませんでした。急遽、駆け付けた信長は、摂津晴門に、その失態を攻めまくります。
そして、この事件で2つの事を学んだと言ったのです。
1。「その方たちで、公方さまをお守りすることは出来ない」
2。「将軍にふさわしい城を、2ヵ月後の4月に完成させる」
摂津晴門は、2ヵ月で城を完成させる事など、無理だと言いましたが、信長は「やるんだ!」と叫んだのです。
これは、本圀寺では将軍を守れないと悟った信長が、二条城を築くきっかけになった事件だったのです。
こうして、織田信長は、将軍家御座所として新たな城を作るよう命じ、自らも建設に向けての陣頭指揮を執ったのです。
2月に二条城の築城が始まると、近隣諸国から次々と、材料が運び込まれ、大工たちが集まって来たのです。
織田信長は、将軍のための城作りの材料に、石仏を砕いて混ぜろと命じていました。
そんな指示を、光秀は複雑な思いで見ていました。
すると信長は、幼い頃のエピソードを交え、笑顔で「仏のバチなどない」と、両手でと石仏の顔を叩いてみせたのです。
そこに現れた義昭は、一連のくだりを知らぬまま、子供のように信長の手を握りしめると、
「もう岐阜へなど戻ってはくれるな!この手、離さぬぞ」と懇願したのです。
そして、4月には二条城が完成します。
信長は「公方さまのお名前には、不思議な力がある」と言ったのです。
そして、光秀に対して、越前の朝倉が三好と組んで、信長を攻撃する噂がある事を知っているかと問い、「朝倉を討つ!」と、発したのでした。
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第29話。摂津晴門の計略。
信長に謁見した光秀に、信長は語り掛けます。
「昔、幼い頃、父に尋ねたことがあった。この世で一番偉い人は誰かと。それはお日様じゃと。
その次は、都にいる天子さまの帝だと言う。その次はと言うと、帝をお守りする将軍様だと言った。」
「その門番をお守りするために、城を造っている」
「わしは、将軍に4,000貫を渡した。しかし御所の修理が出来ていない。不思議だなぁ~」
帝の御所を、伊呂波太夫と一緒に訪れた光秀は、御所の塀が壊れそのままになっている、光景を目の当たりにしたのです。
帝をお守りする将軍として、やるべきことを、やっていないと、信長が話していた、その通りだったのです。
そして、4月。二条城が完成し、信長の底力を見せつける出来事となりました。
その城を見た将軍・義昭は、「信長殿は、大恩人じゃ…」と、発します。
帰蝶が語る。「越前の朝倉義景を…」
二条城のお披露目の場で、信長は光秀に語り掛けます。「十兵衛、折り入って話がある」
と、それは、越前の、朝倉義景を討つ件だったのです。
次の戦が迫っていました。
そじて、次回の予告で帰蝶が登場したのです。そして帰蝶は言ったのです。
「私は言っておりました。朝倉をお討ちなされと…」
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第30話。朝倉義景を討て。
信長に会うため通された部屋にいたのは、信長の嫡男・奇妙丸でした。そこへ帰蝶がやって来ます。久し振りの対面でした。
「十兵衛、懐かしいの~」すると、奇妙丸が、これが泣き虫の十兵衛かと発し、帰蝶が光秀のことを「泣き虫十兵衛」と奇妙丸に、教え込んでいたことが発覚します。
帰蝶が発します。「信長さまも、随分お悩みのご様子、なにとぞ良しなに」
光秀は「帰蝶さまは、朝倉との戦いをどう思われますか」
すると、帰蝶は、我が兄の子龍興が朝倉をそそのかした、としたうえで、きっぱりと、
「それゆえ、私は申し上げました。朝倉をお打ちなされませと」
信長が帝(正親町天皇)に謁見。
永禄13年2月。京の内裏。そこには帝に拝謁する信長の姿がありました。
拝謁が終わり、控室に戻ってきた信長は光秀に対して「帝は破格の扱いをしたのだ。」
「わしを、良くご存じであった。今川、摂津との戦いを、いずれも見事と仰せになられた。当代一の武将だと、お褒め頂いた。」
「帝がわしの修復にありがたいと。天下静謐のためにいっそう励めと」「この都、畿内を平らかにすべし」と、
「そのための戦ならやむなしと、戦の勅命を頂いたのだ」と、言われたことを披露したのです。
帝に拝謁後に、褒められたと無邪気に喜ぶ、信長の姿がありました。
こうして信長は、朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)を、討つための大義名分を、正親町天皇から得ようとしたのです。
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第31話。逃げろ信長。
この戦いは、初めこそ、勢いに乗っていた織田軍が優勢でしたが、
織田信長の妹・お市(井本彩花さん)の、嫁ぎ先であると、心を許していた浅井長政から、裏切られる事態になったのです。
左馬助からの文で、浅井長政の動きを知った光秀は驚き、すぐさま信長に報告します。
浅井長政が兵を連れて、小谷城から出たことを聞かされた信長は、すぐには意味が分からず、
「解せぬ、解せぬ」と発していましたが、次第に顔色を変え「何故じゃ、何故、長政が!」「まさか……わしを……?」と呟いたのです。
「わしは、帝に褒められたのだ、当代一の武将だと…」
浅井長政の裏切りで、このまま、この地に留まれば、朝倉・浅井、双方からの、南北の挟み撃ちに合ってしまいます。
いかに、信長軍が大群であろうとも、勝ち目はないために、光秀は撤退を促します。
しかし信長は、帝から、当代一の武将と褒められた自分が、ここで、逃げることなど到底できないと考え、光秀を勢いよく蹴り飛ばします。
信長に自信を付けた光秀。
京の妙覚寺に光秀が帰還します。すると、信長は誰にも会わず、落ち込んでいたのです。
「帰蝶からの文じゃ、此度の越前攻めは、大きな戦、勝ったのか、負けたのか、早く知らせて呉れと…、なんと書けばいいのだ、負けたと書けばよいのか」
「御所にも、行かねばならぬ、帝にはなんと申せば良いのか」
すると、光秀が語り掛けます。
「信長さま、この十兵衛、此度の戦、負けとは思っていません。信長さまが生きているのなら、次がある。次がある限り、やがて大きな国をも造れる。そうして、そこのは麒麟がくると」
そして「麒麟の声を聞いたような気がする。信長には次があると」と、言ったのです。
信長は「そうか、声を聞いたのか、面白いな十兵衛!」
信長は、無傷で3万の兵を引き連れて帰った。信長が生きて帰った、次があると!
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第32話。反撃の二百挺。
比叡山の僧侶からの脅し。
「一歩でも近づけば、5万の僧兵が立ち向かう」と、脅しをかけられたと、光秀に伝える信長がいました。
その信長の背には、仏像が縛り付けられていたのです。
「延暦寺の僧兵は一人一人が仏を背負って戦うゆえ、開山以来、負けたことがないとほざいた。それゆえ、わしも言うてやった。
神仏を尊ぶ心はわしも同様。叡山へ踏み込む折は、こうして仏を背負うて参る所存じゃと…、坊主も、恐れ入って帰っていった」と発したのです。
光秀から「仏は重うございませんか?」と聞かれた信長は一転、顔をしかめて「重い!」とその場に座り込むと、
「何故、叡山は朝倉をかくまう。浅井も何故、この戦に関わろうとする?」と怒りながら疑問をぶつけます。
すると光秀は、
「信長様は叡山から多くを奪い、朝倉・浅井は多くを与えるから」「つまるところ金ではございませんか」と答えたのでした。
第33話。比叡山に棲む魔物。
光秀は、朝倉義景が頼る、比叡山延暦寺の天台座主・覚恕(春風亭小朝さん)と面会しますが、覚恕は、
「金と力があれば、わしに、こうべを垂れる。あの都は、わしの都だ、返せ、返せ、わしに返せ! 成り上がり者に幕府は見させぬ」と、発し
自分から、領地や金を奪った信長を、許さないと言うのです。
比叡山の戦いが長引くに連れて、京では三好勢や、大坂本願寺の門徒たちが我が物顔で徘徊し、治安が悪化して行ったのです。
将軍・足利義昭も泥沼化した戦いに、痺れを切らし、苛だち始めていました。
政所の摂津晴門(片岡鶴太郎さん)は「双方に和睦をするように伝えてございます」と言うが、戦いは、一向に止む気配がありませんでした。
比叡山への総攻撃!
12月。二条城。
都には、つかの間の平安が訪れていました。光秀は「信長さまの戦は、まだ終わっていない、よって、戦を続けなけらばならぬ」と発します。
そして、元亀2年。信長の軍勢が比叡山に集結、信長「比叡山こそ都を蝕む諸悪の元。全てを討ち果たせ!!」「出陣じゃ!」と叫ぶと、比叡山に、総攻撃を掛けたのです。
織田軍は比叡山に向けて進撃すると、山は瞬く間に炎に包まれました。信長は「僧兵だけではなく比叡山にいる者、全てを切り捨てよ。」と命じます。
その命令の通りに、比叡山にいる、全ての人々が無慈悲に切られていくのでした。
光秀は配下の者に「女、子供は逃がせ」と命じつつも、都を蝕む、全てのものを一掃する戦いに身を投じるのでした。
第34話。焼打ちの代償。
残虐極まりない、比叡山の焼き討ちを目の当たりにした、摂津晴門(片岡鶴太郎さん)は、将軍・足利義昭(滝藤賢一さん)に、
「この際はっきり、織田との関わりを断つべき」と言われ、
「公方さまに、そのご覚悟が、おわりかどうかでござりまする」と迫り、もう、信長と手を切るべきだと、進言するのでした。
さらに摂津は、大和の松永久秀(吉田鋼太郎さん)と筒井順慶(駿河太郎さん)の内戦に加わり、
筒井側に付くことで、その立場を表明すべしと迫るのでした。
両者が戦を始めた際に、幕府が筒井側に付く事で、松永の後ろ盾である、信長との対立構造を、取ろうとしていたのでした。
そして、摂津はその覚悟を、義昭に迫ります。
帝から信長へのお言葉。
信長は、帝から、胸に届くお言葉を貰っていました。
「此度の戦は、止もう得まい」と言われ、末永い都の繁栄を願われ「大義であった。頼みにしている」と、仰せになったのです。
京 内裏では帝が、町医者・東庵と碁を打っていました。
「信長の他に、誰が覚恕を比叡山から、追い払う事が出来たであろう」
「褒めて欲しそうであったので、褒めてやった」と述べたのです。
その後、京を追われた覚恕(春風亭小朝さん)は、甲斐の国の、武田信玄(石橋凌さん)に匿われていました。
第35話。義昭、まよいの中。
駒は将軍・義昭の元を訪れた折に、「妻子を人質にするほど、十兵衛様を疑っているのですか」と問いただします。
義昭は信長を信用していないため、幕臣でありながら、信長の腹心の部下でもある光秀にも、心を許せず苦しんでいたのです。
そして義昭は「摂津が光秀を斬りたいと言ったとしても、ああそうかというしかない」と口を滑らせてしまいます。
義昭は幕府を動かしているのは摂津であり、摂津らが離れれば孤立無援になること、
摂津に優柔不断だと、とがめられても、言い返せない己が情けないと取り乱し、今や生ける屍であることを吐露したのです。
摂津を憎みながらも、頼るほかない義昭は、そんな自分を責めるかのように首に紐をかけると、
「己が口惜しい。駒、哀れなわしを、いっそ絞め殺してくれ」と、泣きながら訴える有様だったのです。
帝は、どんなお方?
数日後、光秀は礼を言いうために伊呂波太夫のもとを訪れた際に、「帝(坂東玉三郎さん)は、どういうお方」なのかと聞きます。
それに対して、伊呂波太夫は「一度、お声を掛けられただけ、それ以外は何も」と答え「帝を良くご存じのお方を…」と言って紹介を約束して呉れたのです。
その人物は、古今和歌集の大家で、帝に近い、三条だったのです。
京の内裏。そこで三条は帝に申しのべます。帝を如何なるお方か聞きたいと言う人物がいますと。
それに対して、帝は「さすれば、そなたが気に入ったとあると、明智を折を見て連れて参られ」
雪の降りしきる中、伊呂波太夫が、光秀の館を訪れ、「近々、御所へ参りませんか」と、伝言されたと伝えたのでした。
そして、いよいよ光秀が、御所で帝と対面する日がやって来たのです。
第36話。訣別。万葉の歌を好む珍しき鳥。
三条西実澄(石橋蓮司さん)が、光秀に例えた「万葉の歌を好む珍しき鳥」の話をすると、
帝は、光秀が来ている事を知り、こう発したのです。
「いつの世も、そうありたいものよのう」「かの者が参っているのか」と述べた後、「珍しき庭の鳥へ」として、光秀がいる方向に目を向けたのです。
「朕はこの歌のごとく、日々生きたいと思う」
それに対して光秀は「迷いながらの道でございます。」
「目指すのはいずれぞ」
「穏やかな世でございます」
「朕も迷うておる、だが、迷わずに歩もうではないか。十兵衛、その名を胸に留めておくぞよ」
帝が御簾の中で立ち上がり、文を落としたのでした。それを従者が光秀の元へ届けます。
「朕も迷う、だが、迷わずに歩もうではないか」
光秀、将軍・義昭との訣別。
信長が将軍・義昭への贈り物の鵠。
足利義昭は、光秀が持参した、信長からの贈り物の鵠(白鳥)を受け取ることを拒み、信長との戦を決めたと宣言したのです。
「儂は信玄と供に戦う。信長から離れよ。儂のために」と、目に涙を貯めながら、自分の心の内を、光秀に伝えます。
それに対して光秀は、泣きながら義昭に告げます。
「公方さま、それはできませぬ。後免」と放ち、立ち去ったのです。
義昭はこう語ります。「十兵衛は鳥じゃ、籠から出た鳥じゃ。また、返って来るかもしれん」と。
将軍・足利義昭が例えた「籠から出た鳥」、それは、義昭が、飛び立った鳥は、また飛んで戻って来るかもしれないとの思いを残したのでした。
第40話。松永久秀の「平蜘蛛」の茶釜。
そして、意を決して松永久秀が言います。
「見せておきたいものがある」として、茶道具の中でも名器と言われる茶器の「平蜘蛛」の茶窯を、光秀に見せたのです。
松永久秀は、信長がこの名器「平蜘蛛」を、欲しがっていることを知っており、伊呂波太夫(尾野真千子さん)の手引きにより、光秀と対面した際に、
命の次に大事にしている「平蜘蛛」を決して信長には渡さないこと、もしもの時には、光秀にこれを託すと宣言したのです。
松永久秀が本願寺側に付くと言う事は、信長との戦になることを意味します。
「松永さま、解せぬ、解せぬ、解せぬ…」「平蜘蛛など欲しくはない。戦などしたくない」と、涙で訴える光秀だったのです。
「平蜘蛛」の茶釜は、それ自体に意味があります。松永久秀が伊呂波太夫に託した言葉にあります。
「それを持つものは誇りを失わぬ者、志高き者、心美しき者」だと言うことです。
その「平蜘蛛」を松永は光秀に渡そうとします、。そこにはこんなメッセージが込められているのでしょう。
『光秀、そなた自身が麒麟を呼ぶんだよ』、そのためには『信長とは縁を切るべきだ』と……。
光秀が信長についた嘘。
そこに信長がやって来ました。
信長は戦のあと、焼け落ちた松永久秀の本陣を家臣たちに調べさせていましたが、どこにも「平蜘蛛」が無かったと言うのです。
それで、「平蜘蛛」は、光秀が持っているのではないかと、当たりを付けていたのです。
そのことを光秀に尋ねると、光秀は知らないと答えます。
それに対して信長は、「十兵衛が初めて儂に嘘をついた。この儂に嘘をついた」
信長は光秀を疑い、光秀の行動を監視していたのは、豊臣秀吉でした。「この秀吉にぬかりはございません」
坂本城に伊呂波大夫が「平蜘蛛」を持って来たのです。そして伊呂波大夫が帰ったあと、光秀は、
「言えなかった!これは松永久秀の罠だ!」
松永久秀の残した「平蜘蛛」が、騒動を巻き起こす予感がありました。
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第41話。月にのぼる者。
近江の安土城に参上した光秀は、秀吉と面会します。
そして、平蜘蛛の在り処に関し、知らないと一度ウソをついたことを後悔し、信長に天下の名器「平蜘蛛」の茶釜を献上します。
そして、光秀は信長に、「この平蜘蛛の釜ほどの名物は、持つ者に覚悟が要ると聞き及びました。
いかなる折も誇りを失わぬ者、志高き者、心美しき者であるべきと。
殿にもそういうお覚悟をお持ちいただければ、幸いと存じまする。
そのようなご主君であれば、背く者は消え失せ、天下は穏やかにまとまり、大きな国となりましょう。
城を美しく飾るだけでは、人は付いて参りませぬ」と、自らの“素直な気持ち”を話したのですが、
信長は、気に食わなかったのか、堺の豪商・今井宗久(陣内孝則さん)に、
この「平蜘蛛」を売り、その価値を知りたと言い出し、亀裂が深まって行くのでした。
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正親町帝の「月にのぼる者」
光秀は二条西実純に連れられ、京の内裏へ向かいました。そこで、光秀は正親町帝(坂東玉三郎さん)に拝謁します。
「見事な月じゃのう、明智十兵衛。あの月には奇妙な男が住んでいると言う。その男の名を存じているか?」
「ハッ!桂男ですか」「その男はなんで、あの月に昇ったのか」と、帝は桂男の逸話を持ち出しました。
「月にある不可思議な花を取りに、水に溶かして飲むと、不老不死の効果があると…」光秀が答えます。
「独り占めしようとしたら、神に咎められ、あの月に閉じ込められた。月はこうして遠くから眺めるのが良い。美しきものに近づき過ぎると、何かを失くす」
「朕はこれまで数多の武士たちがあの月へのぼるのを見て参った。
そして皆、この下界へ帰ってくる者はなかった。信長はどうか。この後、信長が道を間違えぬよう、しかと見届けよ」――と、帝がおっしゃたのです。
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第42話。離れゆく心。備後の鞆の浦へ、
鞆の浦でのシーンでは、やって来た光秀に義昭が、
「 毎日鯛を釣っておるのじゃ。いつ魚がかかるかわからぬ。手が離せぬ」
「日なが糸を垂らしておると一匹は釣れる。それが一日の愉しみじゃ」「儂が能役者のごとく将軍を演じていればそれでいい」
「ならば、京にお戻りになりませんか。信長殿には私が説得します。公方さまがお戻りになれば、諸国の武士も矛を収めるでしょう」と、
京に戻るように促す、光秀に対して義昭が発します。
「信長のいる京には戻らぬ。ここで、鯛を釣っていれば、殺されることはないからな。そなたひとりの京であれば考える余地もある」
その時、光秀の竿が曲がります。「でかした鯛じゃ!でかした十兵衛」
その後、光秀の娘・岸は離縁され、荒木の籠城は1年にも及んだのです。
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義昭の「麒麟」の思いを知る光秀。
十兵衛となら呼んでくる事が出来る
そんな中、駒(門脇麦)から、
「備後の公方さまから手紙が来ました。一日に一匹しか釣れない魚を十兵衛が釣った。
昔聞いた麒麟というものを、十兵衛となら呼んでくる事が出来るかもしれない」
と、思っていると、聞かされるのです。
帝の言葉、義昭の思い、家康の気持ちと、様々な人々の思いに突き動かされ、光秀は一歩を踏み出そうとしているようなのです。
「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業 [ 明智憲三郎 ]
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帰蝶の衝撃的な言葉。
そして、次回、第43話は「闇に光る樹(き)」の予告が流れました。
光秀が帰蝶(川口春奈さん)に会うシーンで、光秀の台詞「(斎藤)道三様なら、どうなされましょう?」と尋ねた直後、
アップの帰蝶が「毒を盛る、信長様に」と、驚きの言葉を口にしたのです。「まさにマムシの娘」の言動でした。
帰蝶には、もう出番がないかと思ったら、まさかの展開です。次回の展開に、眼が離せません。
覇王の月~明智光秀の生涯~ (無頼コミックス) [ 楠本弘樹 ]
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第43話。闇に光る樹~大樹を斧で切る夢。
このところ、光秀は毎日のように同じ夢を見続けているのです。
「同じような夢を見ている。月まで届く大きな樹を切る夢。その木に登って月に行こうとしているのが、どうやら、それは信長さまのような気がしてならない。
昔の話で、月に登った者は二度と戻らぬと、夢の中で分かっていて、その樹を切り続けている。このまま同じ夢を見続ければ、儂は信長様を……嫌な夢じゃ」と呟くのでした。
その夢は、大きな樹を登って、月を目指す信長を阻止するため、斧で樹を切り倒すというものでした。
光秀は夢の中の自分が、信長が命を落とすと知りつつ、樹を切り倒そうとしていることに、恐ろしくなっていたのです。
明智光秀ぴあ ゆかりの地・人物・歴史・人間関係がすべてわかる! (ぴあMOOK)
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帰蝶が放った信長への対処法。
光秀は目の治療のために、京を訪れていた帰蝶に会いに行きます。その席には、今井宗久が居て、茶を点てていました。
「目の病とお聞きしましたが」
光秀は、斎藤道三の娘ゆえ、性格も考え方も父親とよく似た帰蝶を頼り、今の傍若無人な信長に対しての、意見を求めようとしていたのです。
「道三様なら、どうなさいましょう」と、問う光秀に対して、帰蝶は思いつめた表情で、
「父に成り代わって答えよう。」と、発しました。
その時、居合わせた今井宗久は、その帰蝶の答えを、
「聞きたくもあり、聞きたくもなし。私はあちらの部屋で、耳をふさいでおりますから」と退室したのです。
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帰蝶の出した答え。
そして、帰蝶は「毒を盛る。信長様に」と答えたのでした。「父上なら、十兵衛の道が開けるのなら…」
新たな世を作るために、共にやってきた信長に毒を盛るのは、光秀にとっては、己に毒を盛ることに等しい事でした。
しかし、今の信長を造ったのは、道三と光秀なのだから、
自らが責任をもって始末をするしかない、それが道三の考えだと、帰蝶は説いたのです。
「違うか、これが父上の答えである、違うか。」
帰蝶は目に涙をため、「私は、そう答える父が大嫌いじゃ」と嘆くのであった。
それに対して光秀も、「私も大嫌いでございました」と答えたのです。
そして、立ち上がった帰蝶は、夕暮れの庭を眺め「日暮れになると、見るのが定かでなくなる」と、ため息交じりに呟いたのでした。
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最終回。本能寺の変。
信長は本能寺に、僅かの部下たちと入ったのです。
その時、光秀は苦渋の決断として「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す」
「世を平らかにしてゆく。それは我が役目と思った」と謀反を決起したのです。
そして、光秀は部下たちに、こう述べたのです。
「誰でもよい。間違っていると思う者は、儂の首を刎(は)ねよ」
菊丸に出会った光秀は「この戦は、所詮おのれ一人の戦と思っている。」「その後に家康と一緒に天下を治めたい。もし、儂がこの戦に敗れても…」
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早朝の本能寺の変。
早暁。光秀の軍勢は、信長の寝込みを襲うように、本能寺を取り巻きます。
光秀が叫びます。「かかれ!」「オッー」
外の物音に目覚めた信長は、外を眺め驚きます。その時、無数の矢が降りかかり、その1本が左肩に突き刺さったのです。
「何処の軍勢か? 十兵衛か! そなたか。そうかハハハ! 十兵衛かハハハハハ! であれば是非もなし」と、
不敵な笑い声をあげる信長でしたが、その眼には、うっすらと涙が溜まっていました。
すると信長は、蘭丸(板垣瑞生さん)に、
「儂はここで死ぬ。火をつけよ。儂の首は誰にも渡さぬ。火をつけよ」と命じたのでした。
そして、本能寺から、火の手が上がったのでした。
燃え上がる本能寺を見つめる、光秀の目にも一粒の涙が流れます。
そして「もうよかろう。引き上げよう」と言うと、本能寺を後にしたのです。
「『麒麟がくる』セリフ名言ダイジェスト版~最終回ネタバレ。」への3件のフィードバック
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